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 | おしゃれですよね。 |
 | 洋服はもらい物ばっかりで、あんまり自分では買わないですけど、 |
 | 関心がないわけではないでしょ、 |
 | 洋服買うなら本とかCDとか買いますね。 |
 | どんな本? |
 | もう普通に、漫画でも小説でも、写真集でも。 |
 | 映画は? すごく映画好きな感じがするんですけど。 |
 | 最近あんまり観ていないですね。 |
 | 忙しくて? |
 | 試写会とかでは見てますけど。 |
 | 劇場行って観ないとね。 |
 | 最近足を運んでないです。 |
 | ほとんど毎日シネマの国へ通っているのに? |
 | ええ、そうですね。 |
 | 逆にこう、役者であるというか、本来自分のいるべき場所というかあるべきポジションとか、心とかっていうのはどこかに置き忘れてきたりしないんですか? |
 | どういう意味ですか? |
 | 現場にいる時間が多すぎて、本来自分の居る場所とかポジションを置き忘れたりして、自分をコントロールできなくなっちゃうことってないんですか? |
 | 僕はけっこう切り替え下手な方で、今はなんか仕方がないというか。例えばヤクザの役をやってることで、休日でもその役を引きずって気分よくなくても仕方がないって思ってますね。 |
 | 楽観的というか、腹くくってるというか。 |
 | 好きな仕事やらせてもらってるんで、それくらいのリスクくらい背負わないとだめなんじゃないかなって。一時期すごい悩んだんですけど、そのときに、ある先輩の役者さんのインタビュー記事だったと思うけど「作り手だったらしんどくて当たり前」っていうフレーズがあって。あれくらいいろんな役を演じてらして、毎回情熱的な感じがするのに、本当はしんどくて大変なんだなぁって。あぁ、一緒でよかったって、ちょっとホッとしたりして。 |
 | クールですね。 |
 | もちろんいまだに葛藤はあるんですけど。仕方ないと言い聞かせるようにしています。 |
 | 前はもっと、もがいてたんですか? |
 | もがいてました。 |
 | どんな風に? |
 | 無理してリラックスしようとかしてたんですけど、でもやっぱり映画って非現実な世界なんで、一瞬気を抜けば今度その世界に戻るのが難しいんですよ。 |
 | そのしんどさを思ったら、とりあえず日曜日も犠牲にして役に浸かっとこうみたいな。 |
 | ……多摩川でボーっと釣りをしていたら小学生が来て、「僕の父さん仕事なくなったけど、すぐまた見つかったよ」って言われたんですよ(笑)。よっぽどだめな大人に見えたんでしょうね(笑)。 |
 | 励まされたんですね。 |
 | やっぱり昼間から釣りをしている大人はだめですよね。 |
 | だめじゃないけど、だめに見える(笑)。 |
 | そういう職業だなって思って。 |
 | なんか妙にここで割りきりが。 |
 | そうですね。 |
 | 子どもにとっては加瀬さんとかってわからないんですもんね。 |
 | 関係ないですもんね。 |
 | 子どもは子どものうちにいろんな大人を見て、自分もいつか大人になっていくもんです。 |
 | だから、どんな仕事も苦労があると思うんですけど。自分の親父はサラリーマンなんですけど、いつも5時とかに起きて夜中に帰ってきてってことを考えてると、非常に楽させてもらってるなって思うんですよね。 |
 | 『アンテナ』の印象が強くってもっとマゾっぽい人かと思ったんですが、割と淡々とした好青年ですね。 |
 | そうすか? |
 | 厳しさとだってきちんと向き合ってる。 |
 | あのー、僕は放っておくとひたすら楽な方向に行っちゃうんですよ。ぬるま湯に浸かると出たくなくなっちゃうので、その状態で仕事しても自分の予想を超えるものは出てこないから面白くないし。 |
 | じゃあ自分を追い込む環境に身を置くことも? |
 | そうですね。基本的にマラソン大会の前にマラソンの練習するとか、そういう感じですけどね。ちょっと走りこんで遠くまで行ったりするじゃないですか、そんなノリですけど。 |
 | 一発勝負に出るというんじゃなくて、かなり準備をしていくタイプなんですか? |
 | 役によります。テレビコマーシャルとかは瞬発力が必要で、そのときすぐに反応しなきゃいけないから、準備も7、8割くらいにしておきますね。固めすぎていくと応用が利かなくなってしまう。 |
 | 役柄も瞬発力と持久力を使い分けるんだ。 |
 | やっぱり監督との関係だと思うんですけど、監督との意思疎通がきちんとできていれば準備するに越したことはないですね。『アンテナ』のときも準備にものすごく時間をかけて、監督と僕のニュアンスがすごく一致していたので、その準備が無駄にはならなかった。 |
 | 玉虫』の塚本監督とはどうでしたか? |
 | 塚本監督……すごく微妙な難しい役だったんで、現場でいろんなことを言ってもらいました。 |
 | けっこういろいろ話す方なんですか? 塚本さんて? |
 | それほど話す方ではないけど、要所要所での微妙な間だとか緊張感だとか、そういう演出にはすごく細かく言葉をかけていただきましたね。 |
 | やりやすかった? |
 | そうですね。 |
 | 楽しい現場だったんだろうな。 |
 | あまり写ってないんですけど、鳳凰の刺青とかね。背中に描いてもらっているときに、「鳳凰は雄雌そろわないと飛ばない」っていう話を聞いたり……それがなんか物語に合ってるな、よかったなって思ったんですけど。 |
 | いい言葉ですね。 |
 | 僕の後ろには一匹しかいないんで。 |
 | その片割れを…… |
 | 飛べない男みたいな……。 |
 | 熱帯魚でどっちか死んじゃったら、もう一方も死んじゃうってのあるじゃないですか、何でしたっけ? |
 | グッピーじゃないですか? |
 | 僕の人生もグッピーのようなものです。 |
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(その2へつづく) |