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 | 『どしゃぶりセンチメンタル』ってどういう……? |
 | センチメンタルの雨をどしゃぶりに降らせてやるっていう思いです。 |
 | は? |
 | 世の中ちょっとセンチが足らなさ過ぎる、だから戦争が起こるんです。 |
 | すごいですね。 |
 | 最近センチしてます? |
 | センチメンタル……どうですかねー? |
 | ぜひその辺を教祖にお聞かせください。 |
 | うーん、なんか演歌っぽい感じかなぁ? |
 | いい勘してますね。たとえばロックもそうだけど、「ロックの定義ってなに?」って言われてもわからなかったりするでしょ。「ロック」ってすごい使い勝手のいい言葉じゃないですか。
それこそ「ヤバイ」っていう日本語と一緒で、おいしいものも感動することも危険なことも、全部「ヤバイ」って言葉で片付けてどういうことなのよってことと同じで、「いやぁロックだね」って言うのもすごくいい加減な表現だと思うんだけど、「ロック」にも「ヤバイ」にも共通するとこって、「なにかを感じる」ってことだと思うんですよ。
淡々とした日常の中で、「ヤバイ」でも「ロック」でもいいけど、なにかハッとするような感覚を覚えることがきっとセンチメンタルに繋がってる。最近若い子と話すことが多いんだけど、みんなアベレージな生活を送ってて、なんかハッとする瞬間なんかを見過ごしているんじゃないのっていう疑問があったので、まくしたてて喋ってしまいました。 |
 | 今話を聞いて、僕ふたつ思ったんですけど。ひとつは、僕アラーキーさんがすごい好きなんです。アラーキーさんってスライドで『アラキネマ』みたいのやってるんですけど、その作品とか写真集はもちろん……この間も撮影してもらったんですけど、すごくバイタリティ溢れるところといいセンチなところといい……こう、人間としてすごくいいんですよね。 |
 | 大先輩に対して失礼だけど、なんかカワイイじゃないですか。エロいんだけど、無邪気で色っぽいっていうか、エロってところで途切れないところにセンチメンタルの真理がある。 |
 | もうひとつは、くるり。くるりの歌詞はすごいなと思いますね。今朝もちょっと聞いてきたんですけど、『男の子と女の子』って曲があって、僕がひっかかったところは「僕らはだんだんと齢をとっていく、死にたくないなとかそういうことを考えながら齢をとっていく、僕の優しさも齢をとっていく」っていう意味のところ。胸が絞めつけられて、それを表現する言葉がなかなか見つからない。 |
 | その感覚がセンチメンタルなんですよ。 |
 | そうですよね。 |
 | その曲は知らないけど、その歌詞に運命的に添えられるべくして添えられるメロディがあるわけですよね。きっとこのコード進行しかだめだっていう。曲調があるわけなんです。 |
 | 岸田さんっていうボーカルの方の作詞なんですけど、すごいかっこいいです。 |
 | そんなさ、センチメンタルを知らないふりしてるわりにはセンチメンタルの芯をギューと鷲掴みにしてるじゃない。歌の歌詞を噛みしめるなんていうことは、センチメンタリスト以外にはないことなんだから。それか、それまではまったくセンチメンタルとは無縁だった人が、なにかのきっかけで急に自分の中のときめきとか鼓動とかと会話するようになった瞬間に、そういう現象がありますけどね。 |
 | 詳しいですね。研究してるんですか? |
 | 勘です。 |
 | え? |
 | これもセンチメンタルなんです。 |
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(その4へつづく) |