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 | 最近、段々と日本が好きになってきたんです。7歳までずっと住んでいたシアトルという街から気持ちが離れなくて、帰って来ても夏休みとかにはすぐに向こうの友達に会いに行ってた。自分の場所はここ(日本)じゃないって思っていたんです。 |
 | いくつくらいまでですか? |
 | この仕事始めてから変わってきたんですけど。 |
 | 辛いな、それ。 |
 | そこに居られない辛さはあるけど、すごいいい思い出として残っているので。 |
 | だけど、ここは自分のいるべきところじゃないんだって気持ちがずっとあったんでしょ? |
 | 過去に戻りたいっていうか、未来にその場所に戻りたいって感じがあって。 |
 | ひとつの葛藤だね。 |
 | 家というものを思い浮かべると、やっぱ最初住んでた家の、すごい小さな部屋なんですけど、そこが理想なんですよね。 |
 | 部屋以外の環境なんかもよかったの? |
 | 家族っていうのがちゃんとあった気がするんですよね。 |
 | 家族といる時間がすごく短くなる年代だったりとか、ティーンエイジャーってそうじゃないですか。一緒にいるのが恥ずかしいみたいなさ。 |
 | かといって、今自分が実家に帰って同じ気分になるかっていわれたらならないんですけど。 |
 | まぁ、それはずっと大切な原風景みたいな、 |
 | そうですね。 |
 | いずれ加瀬さんも家族の主になるんでしょ? |
 | ええ、まあそうなれたらいいなと思いますけど。 |
 | 家庭を持てばきっといろいろ変わるよ。 |
 | 最近僕の友だちも結婚して子どもが生まれて、ほんと生まれる前と生まれてからとガラッと変わりました。 |
 | そうそう、そんなもの。 |
 | 僕の友だちは九州の元ヤンキーで、単純に言うと「男がカワイイって言われて喜んでんじゃねー」みたいな、悪そうな奴なんですけど。こいつがこの間会ったら、ものすごいかわいらしい黄色の子ども服抱えてて、「どしたのそれ?」って聞いたら、「新しく買ったの、かわいくない?」って(笑)。 |
 | 次回はその人にインタビューしよう(笑)。 |
 | 映画の制作さんなんですけど、「最近、何にはまってるの?」って聞いたら、「盆栽」だって(笑)。元ヤンですよ。それが「盆栽やばいよ。優しい気持ちになる」って(笑)。 |
 | 人ってそこまに変われるんですよ。 |
 | 前から知ってるだけに、おかしくてしょうがなくて。 |
 | その人、センチメンタルいっぱい持ってそうですよね。愛があふれる感じで、キュートで。 |
 | 面白いですよね。 |
 | センチにさせてくれる女性とかってどうですか? |
 | 友だちが離婚して子どもと住んでて、でも子どもとはすごい仲良くて。もちろん寂しいときもあるのかもしれないけど、僕が想像している感じと実際会ってみる感じとは全然違うんですよ。こう、前に進む方向に考えているというか、すごくポジティブな感じなんですよ。センチって、なんかその場で立ち止まるって印象があるんですけど。 |
 | 立ち止まるってんじゃないけど、確認するみたいな感じはあるよね。確認することで自分を見つめ直すみたいな。 |
 | だから、実際の明るさとか陽気さとかを目の前にしてしまうと、そこを飛び越えてまで確認する必要があるのかどうか。 |
 | 感傷に浸ることとセンチメンタルなことはちょっと違う。僕の中ではセンチメンタルって決しては後ろ向きではないっていうものなんだよ。いわゆる「おセンチ」のセンチとはちょっと違って、大切なものひとつひとつ見つけて忘れないように確認していく。引き出しの中にしっかりしまいこんで、それを取り出したときは自分を映す鏡の役割を果たすというか、心の栄養補給みたいな役割があると思うんだ。 |
 | 僕がさっき言った「優しさが齢をとっていく」っていう感覚と似ていると思う。その言葉を歌ったというか書いた、岸田さんはやっぱりすごい。感覚的に少しわかってきたような気がしました。 |
 | 優しさが齢をとるかぁ。珍しい響きだけど、心に届くものはいたってシンプルだよね。 |
 | そうですね。だから凄いんですよね。 |
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(その5へつづく) |