カフェグローブ僕らが勝手に時間に近づいたり、離れたりしているだけ - どしゃぶりセンチメンタル

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JAPAN
更新日:2005年5月26日
今、働く女子が必要な何かを求めて、栗山兄ぃが訊く”教育的対談”!?
どしゃぶり
センチメンタル
第4回 ゲスト:加瀬亮さん
其の5
早くも最終回を迎えてしまった加瀬さんのトーク。彼が引用した65歳の男が書いた文章、「原点かも」と語るシアトルでの話……じっくりお楽しみください。
加瀬亮さん
   
本日の金言
4
栗詩を書かれますよね。
ゲスト僕はノートの切れ端を渡していただけ。
栗詩を書くっていうことは、仕事をするみたいな作業ではないですよね。
ゲスト全然違いますね。いつも僕、役作りのノート持っていて、それでたまにメモった言葉とかを編集者に渡していただけです。
栗それはそのときの役作りとかに入っちゃったりするんですか?
ゲスト入ってると思いますね、多分。
栗加瀬亮ではない?
ゲストだけど正直には書いていると思います。
栗なんか加瀬さんて魅力的な男ですね。
ゲストとんでもないです。
栗なんとも形容しがたいけど、かなり魅力的。『アンテナ』観たとき、ものすごい戸惑っちゃって、怪優だと思った。『花と蛇』の石橋蓮司さんぐらい怪優。怪奇の怪。すごいところにいる人だなと思って。
ゲスト基本的にはなっちゃんのテレビコマーシャルのように自然の中でやるのが好きですけど。
栗役者なんですよ、役者。本当に役者ってすごい。
ゲストまだまだです。
栗役者になろうと思ったのは自分からなんですか?
ゲストそうですね、大学の就職活動のときに、生まれて初めて地元の先輩の舞台に誘われて、先輩がすごくよくて、そのまま楽屋に行って「僕もやりたい」って。
栗慎重そうでフットワーク軽いですよね。コレだって思ったら即行動でしょ。普通は会社訪問をしてあーだこーだということが多い時期でしょ。
ゲストすごく感動したから。
栗ほかになにかやろうと考えてなかったんですか?
ゲスト考えてなったですね。
栗決断力がすごくあるんだよ。それが自分で言うところのわがままな部分なのかもしれないけど、すごく自分の感性に正直なんだと思う。
ゲストそうですね。
栗僕は加瀬亮って人をあまり知らなかったけど、僕の中でできていたイメージがあなたと会うことでぶっ壊されて、こんな恋愛に発展するとは思っていませんでした。
ゲストえ?(戸惑)
栗冗談です。ごめんなさい。
ゲスト……今までは、未熟な魅力に惹かれていたと思っているんですよ。たとえば、よくある青春映画とかも未熟なところに共感してきたと思うんですけど、最近徐々に年とってきてからの考え方というか、センチメンタルとかそういうことだと思うんですけど、少しずつ見えてきて、あぁ面白いなっていうか。盆栽の面白さとかはまだわからないけど(笑)。
栗30代ですよね?
ゲストもうなりました。
栗すごい楽しいですよ。
ゲストそうですね、面白いなと思い始めました。
栗30代はいいですよ。40になる2週間前に30代が名残り惜しくなったけど、29のときは30になりたいって。結局30代でも基準は20代なんだよね。40代でもそう思う。20代って男としては何もないじゃない。こうしたいけどできない、だけどきっとやれるみたいな、強がりとか言い訳ばっかりして。でも、そのやるせない思いでどこまで自分が伸びていけるかが基準値になる。だから40になったときに、いい意味で戻れないって気持ちになるんですよ。つまり40歳になった自分の中には20代の自分も30代の自分ももっともっと幼い頃の自分だっている。だからこそこれからも現実を重ねて年をとっていかなければいけないんだって。
ゲスト今の話を聞いてて、あぁこんな感覚なのかなぁって思い当たることがあるんです。名前はド忘れしちゃったんですけど、ある人が書いた本で、確か65歳の人だったと思うんですけど、「ひとたび青空を見上げればそこには65歳とか40歳とか20歳とか4歳とかそういうのは関係なくなる。今65歳だけど空を見上げれば4歳のときの自分がそこにいる」って。それ読んだときに、そうだなと思ったんです。いくつになっても全然変わってない自分もいるんだなと。時間というものがここにあって、僕らが勝手に時間に近づいたり離れたりしているだけなのかなって。その感覚もやっぱりセンチメンタルなんですよね。
栗時間は平等で正直だから、ときどき自分の居場所がわからなくなることもあるけど、そんなときこそ空を見上げるといいかもね。
ゲスト友だちが僕の部屋に遊びに来てて、「私はここにいるだけ、ここにいないの」って言ったんです。最初は「はっ?」って思ったんですけど、自分がひとりのときを想像してみると、なんかわかるなって思って。内面の話だと思うんですけど、もちろん部屋にはいるんだけど気持ちは部屋にいないというような。そのとき「どこにいってるの?」っていう、それを確認したいというような感覚とかもわかる気がして。
栗一瞬そこにいなくなったりする感覚か。わかる気がする。
ゲストたとえば、すごい心地よくて、ボーッっとしてるときとかに行ってる場所とかだと思うんですけど。
栗現実的な場所じゃなくて、なんかそういうゾーンみたいなところだったりね。
ゲストあんまりつめていくとカルト的な話になっちゃうと思うんですけど。
栗話聞いてて、すごい自由だなって感じた。FREEっていうかFLOWっていうか。
ゲスト逆にひとりひとりがそういうビジョンとかを持っていて、映画にしろ本にしろ絵にしろ、その人ならでは表現世界なんかは見たいと思いますね。単純にエンターテイメントみたいなものも好きですけど、人が嫌がるアート映画っぽいものでも独特の世界観が見えると心地よさを感じます。
栗シアトルでの7歳までの世界っていうのも、今言ってた世界とはまた違うけど、ぽんとひとつ置かれてる世界なんじゃないですか?
ゲストでも、7歳で帰国してからずーっと戻りたくて、中学何年かのときにひとりで何年かぶりに帰ったらイメージがすごく変わってて。あれ、こんなに小さな家だったんだって。
栗感覚と現実とのギャップだね。
結構ショックだったんですよ。すごいキラキラしてたのが、シケた家だなって(笑)。
ゲストもう人の手に渡ってたからじゃないの?
栗友だちの家に泊まって見に行ったんです。「来なきゃよかったなぁ」って思ったんですよ。でも次の瞬間、隣の家のおばちゃんが出てきて「あんた亮じゃない」って。いつも散歩してたおじさんも相変わらず散歩してて「おー大きくなったな」って。そこからまた、なんか違った心地よさを感じましたね。大人にはなったんだけど時間を巻き戻されたような不思議な感じで。最後はやっぱり来てよかったって。
栗よかったですね、おばちゃん出てきてくれて。
ゲストよかったです。
栗青春プレイバックって思えるほど歳取ってないけど、これから役者を続けるためには必要な作業だったのかもしれないね。
ゲスト原点といえば原点ですからね。ちょっとだけ気持ちに区切りがつけられたかもしれないですね。
(完)
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其の5へリンク


ゲスト 加瀬亮さんプロフィール
加瀬亮さん 加瀬亮さん 2000年『五条霊戦記』(石井聰互監督)にてスクリーンデビューを果たす。2001年には『FROG RIVER』(伊志嶺一監督)にてカルト的人気を獲得、以降『ハッシュ』(橋口亮輔監督)、『アカルイミライ』(黒沢清監督)、『壬生義士伝』(滝沢洋二郎監督)、『アンテナ』(熊切和嘉監督)、『キューティハニー』(庵野秀明監督)、『茶の味』(石井克人監督)、『誰も知らない』(是枝裕和監督)、『SURVIVE STYLE5+』(関口現監督)、『理由』(大林宣彦監督)、『パッチギ!』(井筒和幸監督)……ときわめて広範囲の作品に出演。
最新作のオムニバス作品『フィーメイル』(5月14日より全国ロードショー公開)では塚本晋也監督の『玉虫』での石田えり、小林薫との共演が話題に。


『フィーメイル』の公式サイトはこちら>>
加瀬亮さん『玉虫』
加瀬亮さんの公式サイトはこちら>>
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本日の金言【きんごん・きんげん】仏の口から説かれた尊い言葉。(岩波国語辞典第三版より)
本日の金言:4

人間なんてちっぽけなものだ。人がどれだけあがいたりもがいたり、いがみあったり戦ったりしても空はなんにも変わらない。何歳のときだって僕らをやさしく見守ってくれた。けれど人は幼い頃に夢を描いた青い空を原子爆弾の黒い雲で隠してしまったり、化学物質で澱ませたり。人は人生という短い時間を濃密に生きるために空を裏切り続けている。空が泣いてるよ。とっくに忘れてしまったあの頃のことだって、空はしっかり映しだしてくれてるでしょ。だからせめて空を見上げてみよう。止まることのない時の中で、空はいくつもの時代の僕を包んでくれる。僕は僕、いつだって僕。時間は単に僕の中の一部にすぎない。僕は時間を行ったり来たりするために生きるのではなく、空の下で生きているんだ。栗山



栗山圭介
業界No.1ホスト 栗山兄ぃプロフィール

栗山圭介

センチメンタル教教祖。仮の姿として編集者、プロデューサー。広告制作会社+編集プロダクション「マロンブランド」代表取締役大社長。いろんな素敵なモノを世に送り出し、そのたびに自画自賛するキュートな人。趣味は「青春」。公式サイトの「DIARY」は超必見。

「マロンブランド」公式サイトはこちら>>

第4回:加瀬亮さん 1 2 3 4 5
photos / Hirano Tezro
design / Ota Miwa
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