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 | グランドスラム大会はそれぞれ長期滞在だから、いろいろ大変だったでしょ? |
 | 特にウィンブルドンの時期って家を借りるのが高いんですよ。私も最初はホテルだったんですけど、市内から通うとひどいときには1時間くらいかかっちゃうんですよ。すんなり行けばいいんですけど、雨も降るし不便だしストレスも溜まるし、テニスにだって集中できなくなるから、仕方なく高い家賃のお家を。 |
 | そんなに高いの? |
 | さていくらでしょう? |
 | どれぐらいの期間? |
 | 2週間以上でしか借りられないの。 |
 | 2週間かぁ。 |
 | 1週間単位でさぁお答えください! |
 | 間取りは? |
 | ピンきりですけど、それはアパートだったり、5LDKの庭付きだったりいろいろ。 |
 | 伊達さんはどういうとこ借りてたの? |
 | 最初はいわゆるタウンハウスみたいな、建物の中に3〜4軒入ってる。 |
 | うーん、30万円! |
 | 1週間でですよ。 |
 | 頑張りすぎました? じゃ20万円。 |
 | 何言ってるんですか? |
 | まだ高かった? |
 | 安すぎるっ! |
 | ? |
 | 私が借りた庭付きの大きめのお家だったところは、65万円。 |
 | ひょえーっ? |
 | (シュテフィ・)グラフが借りてたところなんて、もっともっとすっごく高い。 |
 | それはピークの時期だけ? |
 | ウィンブルドンの時期だけ。みんな家を出て選手に貸すんですよ。慣れてるんでしょうね。人に貸すの。自分が開けられたくないところはロックして、他はそのまんまの状態で貸しちゃうんですよ。 |
 | ひと儲けしちゃろかい!って感じですかね。 |
 | そうそうそう。ウィンブルドンの開催時期は、いくつかの不動産会社がウィンブルドンと組んでいるんですよ。そことしか契約しちゃいけないって。 |
 | 1週間で65万だもんな。すっげーリッチなんでしょ? |
 | 全然! その前に借りた家もやっぱり60万くらいしてたんですよ。日本人ってキレイに使うし、掃除して出るでしょ。最初よりもキレイになって出て行くから、大家さんには大喜びされちゃう。物も壊さないし、ぜひ借りて欲しいって言うんですよ。それでね、知らないうちに増築して値上がりしているんですよ。80万くらいに。 |
 | やな感じ。 |
 | 私が借りた分のお金だけじゃないだろうけど、毎年毎年3週間くらい誰かが借りるわけでしょ。最終的には増築もできるよね。ビジネスとしては凄く効率いいなって思った。 |
 | 値切ったりしたんですか? |
 | 値切れない。結局みんな借りたいから。近くて条件のいいところがどんどん埋まっていっちゃうから。 |
 | (突然、スタッフに向かって)どうですか、伊達さんと初めて会った感想は? (スタッフ) おきれいだなと。
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 | あなたも肌きれいですよね。どこのご出身ですか? (スタッフ) 北海道です。
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 | だから肌きれいなんだ。札幌ですか? (スタッフ) 函館です。
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 | 私よく函館行ってましたよ、内緒でスキーしに。 |
 | 内緒ですか? |
 | 怪我すると何言われるかわからないのでコーチには言ってましたけど、他の人には……。 |
 | 他の人にはウインタートレーニングとかなんとか。 |
 | 「ちょっと行ってきまーす」と。 |
 | 伊達さんて自己管理力というか、自己発散力というのがすごいですね。管理はもちろんするんだけど、ここまでは受け入れらるけど、これ以上はやったら私はだめになるっていう、自己防御スイッチみたいなのを持ってる。 |
 | 前はもうすごかったですよ。自己管理とか徹底してた。 |
 | スキーなんてありえないじゃないですか。骨折率がいちばん高いスポーツなんて。 |
 | その代わり注意はします。絶対怪我はしないって。どこまでは冒険する、どこまでやっていいかってのは自分で見えますよね。それ以上は絶対に。 |
 | そこがすごいですよね。日本人のへたくそなところは、突き進むのは美しいけれど、そういう他のスポーツを取り入れたトレーニングとかに否定的じゃないですか。うさぎ跳びやれとか腹筋やれとか、身体に悪いことを平気で奨励してた。ガス抜きが下手ですよね。サンタモニカトラッククラブっていうカールルイスが所属しているクラブなんか、1日2時間しか練習してないんですよ。日本人がやれ走れー、っていうそういう時代に。ミスターが「カールッ!」て叫んでたときにですよ。 |
 | あぁ「ヘイ、カールッ!」ですね。 |
 | そう。「今カールは一瞬私と目を合わせてくれました。彼とはフレンドなんですよ」って言ったとき。 |
 | で、本題は? |
 | だから、あんなに強くても1日に2時間しかトレーニングしてない。そのうちの1時間がウォーミングアップと、ストレッチと、クールダウンですよ。要はどれだけ質の高いことをするか。質の高い練習をすればピークに自分を持っていける自信がつくんでしょうね。そういうことでいけば、伊達さんは日本人アスリートの先駆者的な人だった。すごいなって。まだまだ大和魂みたいな気持ちが蔓延していたときに、伊達公子だけは確実に違ってた。 |
 | ちょっと変わった人だったんですよね。 |
 | 練習嫌いですか? |
 | 嫌い。好きじゃないですよやっぱり。でも入っちゃうと、時間を忘れて追求して、こう、感覚つかむまでやめられない。根本的にだらだらと同じことを繰り返すのは好きじゃないですけど、でも何かできなかったり納得いかなかったり、自分がイメージしたボールが打てなかったりすると納得するまで続けます。目的があることに関しては突き進む。 |
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(その3へつづく) |