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 | なんで小型船舶の免許を取ったの? |
 | うーん、なんでなんでしょうね。年齢的に早く取れるものが船だったんです。高校2年生とかでも取れるんです。 |
 | 車は18歳だもんね。 |
 | はい。 |
 | ほかに免許は? |
 | 持ってます。バイクと、車も。 |
 | バイクに乗りたいとか海の上を走りたいとかっていう衝動みたいなのがあるのかな? |
 | というか、資格というものに憧れていて。ただ単純に資格が欲しかったんですよ。 |
 | 実際、浜辺から最高どこまで離れたの。 |
 | 水上バイクだったらけっこう離れましたよ。 |
 | 最近はやってないの? |
 | やってないですね、全然。なかなか時間がなくて。 |
 | 個人的には、潮風になりたい感じ? |
 | 気持ちいいですからね。 |
 | ロードの方は? |
 | バイクいじり専門です(笑)。 |
 | 男趣味だ。カスタマイズしたいの? |
 | 今リストアをしていて。すごい古いバイクがうちにあって、それが走らないんですよ、古すぎて。それを走るように改造中なんです。 |
 | オイル臭ぷんぷんエンジン系のことは好きなんだ。 |
 | すごく好きですね。 |
 | ひとりで? |
 | 父と。父が好きなんですよね、バイクいじるのが。すごく細かいの。 |
 | 電化製品買っても、取扱説明書は楽勝な感じですか。 |
 | あんまり見ないですね。 |
 | 感覚でわかるの? |
 | はい。 |
 | それは特別な才能だね。 |
 | いや、たぶん皆さんできますよ。 |
 | ちなみに、僕は2週間前に初めてのハードディスク付きのDVDプレーヤーを買ったんですよ。ところが、いちばん簡単な配線の説明をビックカメラで聞いてきてやっても全然つながらなくて。結局2週間箱に入ったまま、置きっぱなしになってるんです。 |
 | 配線が? |
 | 配線がわからない。もともとワールドカップを録るために買ったのに、つなげられないからリアルタイムで観まくって時差ぼけになっちゃった(笑)。 |
 | なんでダメなんですか? |
 | まず初めに拒否反応が、鍵がいくつもかかった扉がドーンとのしかかるイメージがある。 |
 | わかりやすいイメージですね。 |
 | 入口を開けてくれないんですよ。由宇ちゃんだったらきっと自動ドアぐらいの話で、そこに行けばスーッと開いていくような。 |
 | そうですね。というか、あたし逆に壊れるぐらいまでいじり始めるんですよ。勝手にスタートさせてみたり、適当にまず動かしてみて。で、どんどん直していく。こう書いてあるからこの手順がいちばんいいんだというのはすごいよくわかるんですけど、その前にもう押しまくって(笑)。そのほうが入るんです、頭の中に。 |
 | いろんなところを押したら壊れるんじゃないかと思っちゃうんだよ。 |
 | 壊しちゃえばいいじゃないですか(笑)。 |
 | そうか、壊しちゃえばいいのね(笑)。 |
 | 直るから、絶対。 |
 | 人間関係とかも、もっと良くなりたいって思ったら、一回ぶち壊しちゃえばいいのかも。 |
 | ひょっとしたらそうかもしれないですよ。 |
 | なんか誰とでも一定の距離を持ってる感じ。 |
 | 私、来る者を拒まず、去る者を追わず、なんですよ。だから友だちになりたいと寄ってくる人は、いつでもウエルカムなんだけど、合わないって向こうが少しでも感じたら、去っても追わない。そう思ったんであればそれでしょうがない。感情的ではなくて、淡々とそうしたい。 |
 | もっとこの子のことが欲しいと思っていても、背中を向けたらもうそこでぽんとリセットできちゃう。 |
 | できますね。 |
 | すでに死に方までシナリオが描かれているような人だ。 |
 | あははっ。だってもう、ダメなものはダメじゃないですか。 |
 | 由宇ちゃんの死に方ってバラードがフェイドアウトするようにしっとりして美しいんだろうな。俺なんかきっと「もっと生きさせて」って叫びながら死にそうだもん(笑)。 |
 | たぶん今死んでも、きっと「しょうがない」ってことになっちゃいますね。 |
 | 女優すぎる。 |
 | 私、ね、ひとりが好きなんです。孤独も好き。だから死ぬことだって、仕方ないかって。 |
 | “ひとり”学みたいな話を聞かせてよ。きっと由宇ちゃんの場合は“おひとりさま”的なものとは違うと思うから。 |
 | まず単純に媚びることができないんですよ。媚びてると疲れるじゃないですか。その疲れた状態がものすごく嫌いなんですよね。 |
 | たとえば対人関係の中で、この空気を打破しなきゃとか、無理に変えなきゃいけないというような、自分に対して無理をすることが? |
 | すごいわかりやすく言うと、学校で先輩、後輩という関係があるじゃないですか。それがまず自分の中で消化できないんですよ。シンガポールにいたときの影響かもしれないんですけれど、年齢が上なだけでどうして服従しなければならないのか、って納得がいかなくて。 |
 | すいませんっ、体育学部出身です(笑)。 |
 | 体育大とかそういう人たちには人間関係的なものがちゃんとあるじゃないですか。でも、年上というだけで何のつながりもない人に、いじめられないようにといっても媚びるのはイヤなんです。 |
 | 今のこの状態で言ったらもう明らかに、君が先生で、僕が生徒だよ(笑)。 |
 | ごめんなさい、偉そうでした? |
 | 偉そうじゃないの。偉いの。だから早く立派な文部大臣とかになったほうがいいよ(笑)。 |
 | できないです(笑)。 |
 | ひとりによって得ること、ひとりによって失うこと、ひとりでなきゃ感じられないこと。香椎由宇にとって、“ひとり”を満喫するために大切にしていることとは? |
 | 優しくすること。人に優しくするだけじゃなく、まず自分に対して優しさを持たないと、人にも優しくできないんだって最近感じますね。 |
 | その優しさというのは、「いい子いい子」の優しさなのか、それとも厳しさなのか。 |
 | 厳しさもありますね。甘やかしって簡単じゃないですか。 |
 | まあ大人になると甘え方ってけっこう難しいんだけどね。 |
 | あ、そうなんですか。まだ19歳なんで(笑)。 |
 | 寂しさとかに苛まれたりしないの。 |
 | 特にないですね。というのも、こういう仕事でたくさんの人と関わったり、学校に行っていろんな人たちと遊んだりということがあるので。年がら年中ひとりというわけじゃないからちょうどいい。 |
 | ひとりで何をするのが好きなの? |
 | 何にもしないのも大好きですし、逆にひとりでどっかに行って人を見ることが好きだったり。2年ぐらい前まではずっとハチ公にいました。 |
 | ハチ公前でやっぱり人を見てるの。 |
 | 人を見てますね。 |
 | ハチ公も見てるって知ってた? |
 | ハチ公が見てるんですか? |
 | そう。ハチ公が見てるの、ずっと。ハチ公はあそこで待つ人の後ろから、同じところをずっと見てるの。 |
 | じゃ、私がその後ろから見てました(笑)。 |
 | ほう、負けず嫌いだ。ハハハハッ。でも、そんな孤独が好きなんでしょ。 |
 | うん、居心地のいい孤独ですね。
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(その2へつづく) |