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更新日:2007年1月11日 RSS

今、働く女子が必要な何かを求めて、栗山兄ぃが訊く”教育的対談”!?
どしゃぶり
センチメンタル
第17回 ゲスト:玉山鉄二さん
其の1
江戸時代でもないのに“敵討ち”? 哀しい異色作『フリージア』で、敵討ち請負人を演じた玉山鉄二さん。スクリーン映えする数少ない若手俳優、いろいろ、きちんと考えてる27歳の男子でしたっ。
玉山鉄二さん
   
本日の金言
17
栗ずっと映画のことばかり聞かれてるんでしょ?
ゲスト半々ですね。『anan』なんかはほぼ恋愛がテーマなんで。
栗恋愛の話は好きですか?
ゲストうーん、テーマによりますよね。
栗先週渋谷で打ち合わせがあって3時間ほど空いたので、『手紙』を観にいってきたんですよ。そしたらもう大変な感動に見舞われまして、その翌日に玉山君との対談が決まって、僕は今、喋りながら手紙を書いてる気分です。
ゲストありがとうございます(笑)。
栗すんごいね、あれ。どの囚人も同じようで、まるでドットにしか見えない中で、玉山くん扮する兄貴がずっと拝んでる姿、ほんとに般若心経だよ。
ゲスト号泣してましたね。鼻水がホントに止まんなくて。テストというかリハーサルの段階から号泣しすぎて、僕もあの作品に対してはなんかこう特別な思いがあったり、教えてもらったものがたくさんあったので。 
栗たとえばどんなこと?
ゲストニュースの見方というか、色眼鏡で人を見なくなったりしましたし、少し哲学的になるけれど、罪と償いを秤にかけたときにフラットになるのか、ということを考えたり。服役するということはどういうことなのかも、いろいろ考えさせられたんで。 
栗映画ってもちろんひとつひとつの作品に感情移入すると思うけど、クランクアップした時点でそこの世界から自分を切り離すことってできるわけ?
ゲスト『手紙』のときは結構ひきずってましたね。
栗何をどんな風に? 
ゲストうーん。今回の『フリージア』の撮影の後で『手紙』の撮影があったんですけど、両方とも結構ディープな役柄で、なんかこう、ちょっとした共通点があったんですけど、ふたつともやってる間、“欲”がなくなってしまったんです。
栗日常的に?
ゲストそう、普段の生活をしてても。いつもだったら、僕、食べるの好きだから「仕事終わったらあれ食べたいなー」と思ったりとか、「誰々と会ってクラブに遊びに行って」とか。なんかこう、いろいろと楽しみがあったんだけれど。このふたつの作品をやってるときだけはなんにも欲がなくて、変な言い方をすると電話がかかってきても出たくなかったりとか。別に出るのがめんどくさいわけじゃないけど、なんとなく……。
栗ひとつのコンセントレーションってこと?
ゲストかもしれないですね。
栗要するに自分が体験したことのない世界にのめり込んで、そこにずっと浸かってたいのに、いろんなものの合図でわざわざその場所から出て行かされていくのがいやだってこと?
ゲストあー、それはありますあります。
栗僕はないんだよね、まだ(笑)。そういうのやりたいじゃんね。役者はすごいよ。擬似体験だけど、その瞬間は本物として生きるわけじゃないですか。
ゲストそういう自分は嫌いではないんだけど、ただやっぱり肉体的にも精神的にもつらいし。ひとつの撮影が終わったら、玉山鉄二っていうフラットな人間に戻してから、また次の撮影ではその状態に持っていく……この労力の方がつらいんです。 
栗なるほどね。もう一回再生し直さなきゃいけないのは確かに疲れそう。
ゲストはい。
栗代謝させなきゃいけないからね。役が終わった時点で解毒っていうか浄化させて、玉山鉄二に戻す作業が必要なんだ。ないなー(笑)。うらやましいなー。
ゲスト僕、作品を掛け持ちすることってそんなにないんですよ。 
栗真摯だ。
ゲスト 僕すごく不器用だし、あんまりうまく切り替えできない方なんで。だからその、切り替えも、あるAっていう役をやっていて今度Bって役をやるときにそのままAからBに移行するんじゃなくて、その普段の何気ない生活をして玉山鉄二に戻してからトライした方が清々しくできるんですよね。 
栗玉山鉄二に戻す作業か。AとBというふたつの役の狭間で玉山鉄二にリセットする術は、どういうものなの?
ゲストもう普段の生活。いつもの友だちに会ったり、テレビ観たりとか、うーん、好きなドライブをしたりとか。ほんといつもの生活をするんです。
栗ちなみにドライブするときは、どんな音流すの?
ゲストテクノとかハウス。
栗トランスしながら?
ゲストそうですね。
栗そこに歌詞がついているものじゃなくて、音の中にイマジネーションを探しに行くの?
ゲストそうですね。脳がいちばん刺激される音楽だと思うんですよ。テクノとかって脳に入ってこようとする力がすごく強くて、今まで残ってるものを押し出してくれるから、結構フラストレーションから解放してくれる。
栗ストレスを開放させるために、ひと働きしてくれるんだ。
ゲストそうですね。
栗すごいね。普段から役者のトレーニングしてるみたい。開放もひとつのトレーニングだしね。
ゲストトレーニングしてる意識はないんですけど。うーん、やっぱ役者は誰しも本当に役に入り込むためにはストイックになるだろうし、その境地に達したいと思うんだろうけど、ただその術に答えはないんですよね。もちろん自分でもわからないし、わかったつもりでいてもそこまで達してるのかわからないし。それは多分、毎日毎回探しながら生きてるんだろうと思います。
栗印象に残ったのは、『フリージア』で幽霊のおじさんに「痛みを知れ」って言われて、してやったりのおじさんに無慈悲で銃弾を撃ち込むでしょ。その後の右手の動きがすごくフィギュアっぽくて。あの血の通わないゼンマイ仕掛けのような演技が残酷なまでに美しかった。
ゲストそうですか、嬉しいです。
栗なんか冷酷さの中にある美みたいもの。例えば松田優作さんが『野獣死すべし』で人を殺したときに恍惚を感じるような。それはきっと感情の一種なんだけど、そこには感覚も意識もない、作業として人を殺めていく時間だけが過ぎてゆく。そんなせせらぎのような残酷さに美を感じたんだよ。 
ゲストそこまで分析されるとけっこうドキッとしますね。今回『フリージア』は今まで自分がやった中でもほんとに異色で、感情を持たない非人間的な役で。ある意味、役づくりはしてない部分ばかりなんですよ。現場に行って“無”になることばかりを考えていて、でもやっぱり“無”になることって考える部分じゃないしって。

だからお芝居ってセリフやト書きありきで進んでいく中で、なんて言うんだろう……悲しいけどある程度型にはめなきゃいけない作業があるなじゃいですか。その中で自分を“無”にすることがすごく難しいんだなって改めて感じましたね。
栗僕なんか、3秒間“無”にしたら脳死する。
ゲストハハ(笑)。だから今までのいろんな作品も撮影するシーンのイマジネーションをある程度考えたりしていたんだけど、今回の『フリージア』に関しては何も考えないで、俯瞰から自分を見ていたような毎日でした。毎朝マネージャーに起こされて、迎えに来てもらって現場に行って、“無”のままお芝居してたみたいな。



【衣装】
ベスト9800円、シャツ1万6800円/以上EDIFICE/EDIFICE 渋谷 、インに着たタンクトップ(価格未定)/HERCHCOVITCH;ALEXANDRE/PR01.(PRESS ROOM) 、パンツ2万5200円/Motel/MOTEL.Inc.、リング4万4100円/holloow/Showroom Antenna
styling / Ishii Daisuke(daipro)


(その2へつづく)
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其の2へリンク
其の3へリンク
其の4へリンク
其の5へリンク


ゲスト 玉山鉄二さんプロフィール
玉山鉄二さん 1980年生まれ、京都出身。高校在学中にモデルとして活動を開始、1999年にはテレビドラマ『ナオミ』で俳優デビュー、2005年の『ブラザー☆ビート』では主役を演じる。活躍の場を映画にも広げ、2005年『逆境ナイン』に初主演後は『NANA』、『手紙』と話題作に次々と出演。敵討ち執行人なる異色な主人公を演じた意欲作『フリージア』は2007年2月3日(土)より渋谷アミューズCQNほかにて全国ロードショー公開。

●『フリージア』
http://www.freesia-movie.com/

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本日の金言【きんごん・きんげん】仏の口から説かれた尊い言葉。(岩波国語辞典第三版より)
本日の金言:17

 胸に手を当てて、よぉく考えてみてごらんなさい。あの人が好きでこの人も好きで、どちらにも好かれたい私だけど、ふたりの人は別々の価値観を持っている。そこに共通する私はいなくて、同時にふたりに好かれるには、ふたつの自分を演じなければならない。そのうちのひとつが本来の自分であったとしても、もう片方は自分じゃない自分。しかも、本命の人はそんな自分を好きと言う。
 偽るあなたは決して悪いわけではありません。むしろ欲に満ちたあなたこそ人間らしい人だと思いますし、人が成長するにあたっては、そんなことが一度や二度はなくてはならないと思います。ただ、せっかくそんな大切な経験をしたのであれば、その結果としてしっかりと人を傷つけて、自分もちゃんと傷つきなさい。
 そうすることで、ふたつを獲得しようとすることよりも、ひとつのものを獲得することの方が、重厚で素晴らしいものだと気づくはずです。奇麗ごとでは済まされないからこそ人生は美しいのです。栗山



栗山圭介
業界No.1ホスト 栗山兄ぃプロフィール

栗山圭介

センチメンタル教教祖。仮の姿として編集者、プロデューサー。広告制作会社+編集プロダクション「マロンブランド」代表取締役大社長。いろんな素敵なモノを世に送り出し、そのたびに自画自賛するキュートな人。趣味は「青春」。公式サイトの「DIARY」は超必見。

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photos / Hirano Tezro
design / Ota Miwa
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