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 | 私ね、会社を立ち上げたの。 |
 | 会社を? |
 | うん! 個人事務所で、私が社長なの。 |
 | てことは、あそこに立っているイケメン君は、えみりちゃんの会社の社員さん? |
 | そう。他にもちゃんとしたマネージャーがいるんですけど。 |
 | イケメン君、ちゃんとしてないの? |
 | (笑) 彼は俳優志望なので、マネージャーって言っちゃうとかわいそうかな、と思って。 |
 | じゃあ今日ぐらいから業界の厳しさを教えていった方がいいんじゃないの? |
 | 教えてる、教えてる(笑)。 |
 | (イケメン君に聞こえるように)「えみりちゃんは、かなりいい先輩ですよ〜」。
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 | (スタッフ)はい、かなりいろいろシゴかれています。 |
 | そうか社長か〜。 |
 | こういう本が出せたのは、新しい仲間と出会えたからっていうのが大きい。じゃなかったらこういう本出してないと思う。 |
 | 仕事はすごい好きなんだけど、芸能っていうひとつの世界に固執している感じは前から無さそうだったよね。 |
 | うん。 |
 | フィールドをひとつひとつ築きながらもどこにも属せず、自分自身を確立している感じがする。けれどそういうのって、ものすごいロンリーなんだよね。 |
 | そうそう(笑)。基本はロンリーだから。わかってくれてる〜。 |
 | 本、もう1回熟読しますよ。 |
 | すぐ読めちゃうでしょ。 |
 | 気持ちイイよね。しつこくないし。おしつけがましくない。 |
 | そう、それが私の芸能生活のテーマ。おしつけがましくなく演出っていくっていう(笑)。 |
 | ところで社長ってどんな感じなの? |
 | 全然社長っぽくないもん、私。「こうして、ああして」って指示することもないし。 |
 | イケメン君、えみりちゃんは社長としてはどうなの?
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 | (スタッフ)社長としてえみりさんと接するというよりは、先輩というか、アネキ的な感じなので。
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 | やっぱりヤンキッシュか(笑)。 |
 | そうですな(笑)。 |
 | 社長と先輩とアネキ。どれがいちばん居心地がいい? |
 | アネキかなぁ。社長っていっても、名義が社長になっているだけだから(笑)。他の子のマネージメントとかもあまり口出ししないし(笑)。いい事務所でしょ♪ 芸能界じゃありえない事務所をつくろうと思ってるの。 |
 | 芸能界の酸いも甘いも知り尽くしているだけにね。 |
 | いろいろ見ました……。 |
 | 今までは見たくないものを見てきたって感じだけど、これからは見たくないものもあえて見てやろうっていうスタンスでいこうよ。 |
 | そうね。でも最近怖いモノがなくなった。10代後半から20代後半まで、本当にいい経験をしたから。あれ以上の日々はないなって思う。 |
 | 30代いい滑り出しだね。えみりちゃんの場合はさ、40代、50代が想像できるんだよね。その時々の女性として、そこにいる姿がちゃんと、おぼろげながらではあるけれど、イメージが掴まえられるんだよね。そんな気がしない? |
 | そうですね。……って自分で言うのも変だよ(笑)。 |
 | 30代からおばあちゃんが始まっているから、80代になったころには最強のおばあちゃんになっているよ。 |
 | そうそう私ね、守護霊におばあさんがいるんだって。その人が私を仕切っているんだって。 |
 | ほらきた。 |
 | 相変わらずスルドイね。 |
 | いるんだ、後ろに。“えみりディレクター”が。 |
 | そうなの。「だから考え方がおばあさん的なんだよ」ってよく言われたことある。 |
 | そうか、だからおばあちゃんにならなきゃ分からない、女の可愛さとか豊かさっていうのが、えみりちゃんには昔からあるんだな。それがちょっとヤンキー方面にいったりしたこともあったけど(笑)。 |
 | そこはどうしても抜けないのよ(笑)。デビュー当時からの、ちょっとツッパっている感じは。 |
 | でもそれさえも好きでしょ。 |
 | 好き好き。無くなったら自分自身をうまくバランスとれないと思う。 |
 | この『えみり製作所』っていうタイトルもいいね。 |
 | ありがとう。自分で考えたんだよ! |
 | ちょっと斜めからモノを見たりする視点とかも面白い。えみりちゃんに対していつも思うのは、芸能界の人たちは、テレビのなかに住んでいるっていうイメージなんだけど、えみりちゃんは街に住んでいる感じがするね。 |
 | あ〜実在する感じね。確かにそう言われることは多いですね。 |
 | ちゃんとしたオトナとしての生き方を感じますよ。 |
 | 少しだけオトナになれそうな気がしてきたかな。 |
 | 今いちばん気持ちいいことは何? |
 | 芝居! フツーの答えで申し訳ない(笑)。 |
 | 芝居としているときは、何がどうなるの? |
 | お芝居だと、完全に別人物になれて、話すことや動作や表情が、すべて自分じゃなくなるっていう感覚が好きなんだよね。バラエティでも本当の自分ではなくて、ある程度はつくっているんだけど、自分の気持ちを変化球にしてしゃべるっていう感じなの。お芝居の“人が作ったもののなかで、その人のイメージに近づける”っていう作業は、自分のやりたかったことだし、絶対自分は消えはしないんだけど、違う人になれている瞬間は、本当に好き。 |
 | 自分のことを客観視している時間ってことなのかな。もうプロデューサーだね、きっと。社長になって、自己演出できて、プライベートと仕事と、そして自分の個としての生き方の時間をセパレートして、って。そういう部分に来ているんじゃない? 仕切り役っぽいというか。 |
 | 私、仕切られた方が好きなんだけど。仕切らないとやっていけない状況だったから。 |
 | 性分だね。 |
 | もうそうなっちゃったんだね。10代から20代が自分でやらないと、どこに持って行かれるか分からなかったから……。自分で道を作っていかないと、誰も作ってくれなかったから。そこからもうクセになっちゃんたんだね。 |
 | 特別な緊張もあるだろうし、そういうところが楽しくてシャープで恐くて、でも面白いんだよね。 |
 | そうですね。 |
 | そして30代になりました。 |
 | おかげさまでね。ありがとう。 |
 | じゃ次会うときは40歳になったときだね。 |
 | (笑)。またぁ、会いたくて仕方なくなるってば。 |
 | (一同爆笑)
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(完) |