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 | お話を聞いていると、すごく遠い先のことや漠然としたプロセスで話をされているのではなくて、あくまでその日1日っていうペースでモノを考えられていますよね。日々の積み重ねが将来につながるっていう、そういう時間との対峙のされ方ですよね。 |
 | そうかもしれないですね。でもそれはここ最近になってからなのかな。オリジナルアルバムを制作したり映画に出演できたりと、色々なことに挑戦する機会をいただいて、次の日までにやらなければいけないことが、はっきりと分かっているんですよね。だから、先のことに手を伸ばす気が起きないというか……(笑)。将来は何が起こるかわからないですし、それならば「まぁ明日やることは明日、今週中にやることは今週中」って計画を立てて過ごす方がいいんじゃないかなって。 |
 | 仕事とはセパレートした日常生活も、ちゃんと楽しみたいとは思わない? |
 | 日常生活が仕事みたいなので、逆にオフの日は何をしていいか分からないんですよ。だから毎日何かしら仕事と呼べることをしている方が落ち着きます。 |
 | 普通の日常を送っていた人が、仕事という日常にシフトするということは、すごい変化だと思うんですよ。松下さんの場合、その変化は突然に起こったの? それとも徐々に? |
 | 突然ですね。この世界に入って2〜3年くらい経つんですけれど、ようやく仕事が楽しいと思えるようになってきました。それまではもう毎回いっぱいいっぱいで、楽しむ余裕を持てなかったんですけれど。最近になって音楽活動や映画のお仕事をいただくなかで「あ、コレが私のやりたかったことなんだな」って思えるようになりました。気分的に仕事と思っていないところが結構ありますね。 |
 | 楽観視というよりは客観視なのかな。自分の道を影のように見ているというか。 |
 | そこまでは考えてないと思うんですけど。 |
 | 女優になってから音楽と自分との関係性が変わったとかはありますか? 日常と音楽、ふたつの柱の間で20数年生きてきたわけじゃないですか。そのなかで女優という道も加わって、音楽への見方が変わった、っていうこともあるかと思うんですが。 |
 | 俳優業を始める前までの音楽の接し方は、自分本位でしたね。大学に入るために、もうがむしゃらに練習していました。でも俳優というお仕事をするなかで“見られる仕事”ということを強く感じて。私の出演しているドラマや映画を友だちや家族が観て「良かった」とか「感動した」とか言ってくれたことが、気付けたきっかけだと思うんですけれど……。それから自分を満足させるためじゃなく、聴いてくれる人が喜んでくれるような曲を作りたい、弾きたいって思うようになりましたね。 |
 | 音楽をがむしゃらに練習するってどういう感じなの? |
 | 腱鞘炎の一歩手前みたいな感じになったりとかはザラでしたね。ご飯を食べる以外はずっとピアノを弾いていたりとか。もう人と話すよりも弾くっていう日々ですね。 |
 | その切迫感は何なんだろうね。 |
 | 何でしょう?(笑) 私も、何がそうさせていたのか今となっては、もうよく分からないんです。 |
 | すごく真剣だったんですね。 |
 | はい。そのときは「今私がやるべきことはコレだ」と思っていました。音大に入りたい!という大きな目標もありましたし。当時のような緊張感は、大学に入ってからは無くなって、気持ちに余裕ができましたね。だから俳優に挑戦したいと思えるようになりました。 |
 | なんか、会社3つくらい経営されているようなスケール感ですよね。 |
 | あはは! そうですか? |
 | 株投資とか冷静にやっていそうなオーラを感じますよ。いい余裕感がありますよね。金銭的なリッチさじゃなく、心のリッチさがあるね。ほんと22歳とは思えないよ。すごいなぁ。 |
 | ありがとうございます。 |
 | 音楽と女優、どちらが大変? |
 | そうですね……。大変というよりも、それぞれに難しさはありますけれど、どちらもすごく楽しいですし、大好きなんです。 |
 | なるほどね〜。 |
 | 普通の人が逆境だ、って思うことを、障害や悩みだと思わないんでしょうね。きっと気付かないのかな(笑)。 |
 | すごい人ですね。10年後が楽しみです。話は変わりますが、自分以外の誰かを演じるというのは、自己を切り離さなければならない作業だと思うんですけれど、演技しているどこかに、自分自身はいる? |
 | いないですね。台本を読んで現場に向かっているときから徐々に、カメラが回っているときにはもう全く別世界にいますね。演じているキャラクターの世界の中にいます。それは別に意識してそうしているわけではないんですけ、自然とそういう感覚になるんです。 |
 | それはピアノを奏でていても起こること? ストンと自分を切り離す瞬間はあるの? |
 | それがピアノを演奏しているときは、自分を切り離せない何かがあるんですよ。お芝居って自分自身がいなくても、役のキャラクターが生きているから、自分という個性は必要ないと思うんですが、音楽に関しては自分の体を通して、言ってしまえば「自分が楽器だ」くらいの気持ちでやらなければ、という気持ちがあります。そういう意味では“違い”にあたるのかもしれませんね。 |
 | 松下さんのお話は、ものすごいシンプルですね。難しい言葉を使おうという感じが全くない。だからすごく優しく、分り易く伝わります。 |
 | そういう性格なんだと思います。小難しいことは一切ナシ、という(笑)。 |
 | ご両親に感謝しないといけないですよ。 |
 | ハイ。
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(その3へつづく) |