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 | プロフィールに「趣味は調教」ってありましたけれど、分かるな〜。調教って。 |
 | そうですね、それが私の不幸の始まりですね。 |
 | (笑)そもそもなぜ“調教師”に? |
 | 調教が難しい素材に挑んでいくことが好きなんです。 |
 | 調教というのは、教育なんでしょうか? |
 | いい所を伸ばして、生き生きとさせたいというか……。今、犬を飼っているんです。フランソワーズという名前なんですが、ペットって、“カワイイ”という範疇のなかで、カワイイと思えばそれだけじゃないですか。でも調教することによって、彼の中に入っていき、私を超える何かを発見し、その素晴らしさを彼と分かち合い、そして彼を通して自然を感じることができるんです。夫も、元不良少年ですが、不良少年と捉えてしまえばそこまでです。でも、彼にどんな歴史があって、そのなかに自分を超えるどのような、神のメダルのような人格が存在しているのか、そこをみていくと非常に素敵な世界が広がりますね。 |
 | 言葉を持つ人間を調教するのと、持たない生物の調教は、やはり違いますか? |
 | うーん。私は植物を育てる方が苦手です。だって、サボテンを2回枯らしていますから(笑)。 |
 | 枯らす前に、サボテンの嘆きや叫びは聞こえないですか? |
 | 聞こえないですね、残念ながら(笑)。でも何かの本で読んだことがあるのですが、サボテンは植物のなかでは感性が良くて、人間の心に近いバイブレーションを出しているそうです。でも、あまりお水をあげなくていいという点で、安心しちゃうんです。サボテンって、周りに霧を吹いて、程よく空気にお湿りを与えて、サボテンが呼吸のなかで水分を吸収するっていうことを理解してあげなきゃいけないですよね。育て方はシンプルなんだけれど、シンプル過ぎて逆に難しいというか……。私の場合は、精神的に余裕がないとダメにしちゃいますね。 |
 | 秋吉さんが「霧」とか「ミスト」とか、とりわけ「お湿り」とか言うと、グッときますね。 |
 | 本人は湿度に弱いです(笑)。雨が降る前とかは、「あ、ちょっと失礼」って言って、すぐ寝ちゃいます。 |
 | いつも霧のなかから登場されるイメージですよ。 |
 | そう? 私ね、体が弱くて、雨が降り出す前などは、さりげなくテンションが低いんです。それがアンニュイに見えちゃったりするのかもしれません。 |
 | 植物と呼応しているようなところがあるんじゃないかと思うんですが。 |
 | 自然に敏感ではあるかもしれませんね。「動物だったらいいのに」と思います。だって、雨が降る前は仕事にいかなくていいじゃないですか(笑)。台風がきそうなときには「タヌキとかだったら、洞穴のなかで休んでいられるのに」って(笑)。 |
 | どこかタヌキっぽいですもんね〜。 |
 | さっきは霧のなかから、現れるとか仰っていたくせに。 |
 | スミマセン。撤回します。やっぱり霧じゃなくて、タヌキです。 |
 | 3分もしないうちに考えが変わるってスゴイですね。
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 | (一同爆笑) |
 | 人間て、お互いに合意の上で、相手が決めたスケジュールのなかで生きていかなければならない。みんなの決めたルールのなかで折り合って生きていくのは大変ですよね。 |
 | 難しいし、忙しい。だけど仕事というものを人間から取っ払っちゃったら、特に現代においては、正直困っちゃうと思うんですよね。仕事をするのが、実はいちばん幸福なんじゃないかなって思うときがあります。 |
 | 快楽指数は高いでしょうね。ライオンだったら狩に行く瞬間ですから。これも本で読んだことがあるんですけれど。“人は快楽のために生きている”と。それは別にエロティックな意味ではなくて。食べることに快楽がなければ、人は食事をしようと思わなくなる、イコール生命体を維持できないわけじゃないですか。セックスも子どもを作ろうとする瞬間に快楽がなければ、寝転がって本でも読んでいると思うんです。動物も獲物の肉を破って骨に到達する瞬間にものすごい快楽を得ていると思うんですよ。だから仕事をするのも、ライオンが狩にいくのと一緒で、あるターゲットを見定めて、言うなれば目的があって、遂行して、その結果、満足感や充足感がある。動物が狩に行くのと同じように、社会生活のなかで、私たち人間は充足するために行動を繰り返している。それが仕事なんだとすれば、仰っていることは良く分かります。 |
 | 自分で言っておきながら、明快な言葉で答えを表現できずにいたんですけれど、今、「噛む」という言葉を聞いて、自分の思いの結末に句読点(。)が打てました。噛むことって、すごく感じますよね。僕の中では、仕事というのは噛み砕いて咀嚼するという部分が多いんですが、そんな風にして仕事でも快楽を感じているのかもしれませんね。 |
 | そうですね。社会のなかで、動物として生きていくうえで仕事は大切ですね。
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(その3へつづく) |