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 | お手柔らかにお願いします。 |
 | ……。 |
 | ? |
 | 今日は沈黙から入ります。 |
 | あははは! |
 | 今日は何本目の取材ですか? |
 | 3本目です。 |
 | 多いときだと1日に何本くらい? |
 | そうですね〜。本数が分かんないくらいの日もあります。 |
 | 女優さんって、演じることでもう仕事が成立しているのに、作品が完成してからもプロモーションしなくちゃいけないから、ありがたい仕事なんだか、ありがたくない仕事なんだか分かんないですよね。 |
 | ……ノーコメントで(笑)。 |
 | そこで疲弊されている俳優さんってたくさんいますよね。女優さんに与えられる仕事量がものすごい多くなってるから、大変だなって思います。 |
 | お気遣いありがとうございます(笑)。だけどハリウッドスターの方とかでもプロモーション活動はしていますもんね。でもあれは撮り終わってからプロモーションしているわけじゃないですか。まだ撮り始めてもいないのにプロモーションするのは、正直不安ですね。自分で見てもいないのに、どれだけのことを言えるのかっていう。もちろん、大きく言うのはいいことなんでしょうけど。この時間をトレーニングする時間にしてくれたら、完成度は高くなるのになとは思うことはあります(笑)。 |
 | すごい。ちゃんと考えていらっしゃるんですね。 |
 | え〜? 単純にそう思うだけです。 |
 | 料理人だって、まだトライしたことないけど、これから出来上がるであろう料理に対しては、イメージでしかモノを言えないですもんね。 |
 | そうですね。自信をもっとつけろって言われるんですけど、形のないものに自信つけろっていわれても。私もよくプロモーションのインタビュー記事見ますけど、みんなすごいなって思います。私は結構「分かりません」って答えちゃうので(笑)。 |
 | 女優とご自身とはセパレートしている感じですか? |
 | あんまりないですね。 |
 | 自分の延長線上が女優であり、っていう感じなんですか。 |
 | うーん……あの……女優も女優じゃないときも、体はひとつなので……。新しいものを取り入れて、新しいことを表現することはできるとは思いますけど、基本的にはいつだって自分なので、女優だからといって簡単に180度変えられるってことはないでしょうね。想像力を働かせて、こうすれば少しは役に近づけるかなって試行錯誤したり、周りのスタッフが私の姿を作ってくれたりはしますけど、所詮自分なので。っていう風には思います。……なんですか、その目は?(笑) |
 | すみません、見つめすぎちゃいました。 でも様々なプレッシャーがあるでしょ? |
 | それはありますけど、誰にでもあると思いますよ。 |
 | いつも「私は私だから、変わらない」って言い聞かせたりしているんですか? |
 | というよりは、「仕方がないな」って。 |
 | すごいな。 |
 | え……? |
 | なかなか「仕方がない」なんて言えないものですよ、僕を含めて。 |
 | 逃げてるんです。とりあえずバリアをつくる、みたいに。 |
 | プレッシャーと向き合う中で「仕方ない」ってすごい強い意志だと思うんですよ。なるようにしかならないということでしょ? 人間って、経験のないものに関しては不安を抱いて、そこから悪い方向に行ってしまうシナリオをどっかに用意して、「そこだけには行くまい」っていう弱気な感覚に陥る生き物だと思うんですけど、「未来のことは分からないから仕方ないんだ」っていう感覚がどっかに宿ると、ある意味楽になれて、自分のままでいられるんだと思います。 |
 | あ〜、確かにラクです。基本的には良くなれたらいいと思うんですけど。でも分かんないですもん。自分のことなんて。 |
 | すごく正直な方ですね。 |
 | だってホントにいいなって思って、すごい自信があっても視聴率が悪かったりする事もありますし(笑)。100万人が自分のことを支持してくれるかって言ったらそれは分からないし、もしかしたらひとりもいないかもしれないし。 |
 | 確かにそうですよね。でも自分が与えられた仕事は100万人の目に届くものになってしまうわけですからね。 |
 | そうですよね。 |
 | 分かるなぁ。経験ないけど(笑)。最初にお話された「まだ完成してないものに対して」、っていうところとつながってきますもんね。ご自身が思われる「いい作品」と、視聴者が思う「いい作品」とは違う場合がありますからね。そういった人の感覚の違いを完璧に埋める言葉なんてあるわけない。米倉さんって本当に素直でストレートだなぁ。 |
 | 自信がないんです。自信がないから、そういう考えなんだと思うんです。 |
 | すごくスピード感のある女性ですよね。シャープな感じもそうなんですけど、スポーツカーみたいな女性に思えて仕方ないです。 |
 | スポーツカーは好きですね。 |
 | 容姿ってことじゃなく、存在自体が流線型。軽快で潔さみたいなものも感じます。 |
 | 潔くないんですよ、私。潔さがないから、あるようにもっていってるようなところはあるかもしれないですが。 |
 | 作りこんでるわけではないですよね? |
 | 作りこむっていうのは? |
 | ご自分で、潔さがあるように見せかけるっていう感じというか。 |
 | いや、見せているんだと思います。 |
 | ほんとに潔くないんですか? |
 | 「これは絶対嫌だ」っていうのはもちろんありますけど、知らないことには結構優柔不断ですよ。 |
 | 確固たるものがあると、そこに向かう意識やパワーはものすごい強そうですよね。 |
 | あ〜そういうのはあります。好奇心もありますし。 |
 | 馬力もすごい感じます。 |
 | 馬力って……? |
 | 例えばスポーツカーの…… |
 | スポーツカーが好きなんですね(笑)。
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 | (一同笑) |
 | あ、じゃスポーツカーじゃなくて、ヒョウとかピューマとか。 |
 | あははは、やっぱりスポーツカーっぽい生き物ですね。 |
 | もうスポーツカーって言わないようにします。 |
 | あははは! |
 | 米倉さんってどうしてもクルマで形容しやすいんですよ。だからね、馬力っていうのは、赤信号で止まってるところから発信する力。発信から加速してトップスピードまでガーッてもってく感じがするのよ。 |
 | ほんとですか? |
 | そう、アスリートに近い感じ。 |
 | 確かに。私が想像する女優さんたちって、穏やかで何を考えているのかよく分からなくて、いつも朗らかで、柔らかいフォルムを持った人っていうイメージがあります。となると、やっぱり自分は女優だなとは思わないんですよね(笑)。 |
 | 女優像と自分は違うトコにいると。 |
 | そうですね。 |
 | ジャージ似合いますもんね。※このとき、ジャージ姿でインタビューに応じていた米倉さん。 |
 | え〜! なんかひど〜い。 |
 | そんなことないですよ。ジャージが似合う人ってすっごくオシャレだと思いますよ。 |
 | (マネージャーを見て)リーダー(泣)。 |
 | (笑)。ハリウッド女優でもそれこそ普段のジャージスタイルみたいのがトレンドとされているじゃないですか。用意されたスタイリングを着こなす人は多くいらっしゃるけど、プライベートのジャージとかになるとちょっとダサって人いますけど、米倉さんは絶対かっこいいって言いきれる自信があります! |
 | はい(渋々)……どうもありがとうございます……。 |
 | すみません、つい思いつきを言葉にしちゃうので。 |
 | これだけは言っておきますけど(笑)、私はジャージでは外へは出ません! かと言って常に完璧にしているわけでもないんですけどね。 |
 | はい、スポーツカーとジャージの話はもうやめます。 |
 | あははは。
衣装協力/KariAng (YOCO MORIMORO DESIGN OFFICE)Tel: 03-5413-4050、グレースコンチネンタル(グレースコンチネンタル 代官山本店)Tel: 03-5456-0209 |
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(その2へつづく) |