| |
|
 | お仕事のなかで快感を獲得する瞬間っていうのはあるんですか? |
 | ありますよ。 |
 | 例えばどんなときですか? |
 | そもそも「何で人って芝居で泣けるんだろう」って思ってたんです。最初はお芝居なんて、自分のなかで大反対だったんですよ。なんでわざわざ知らない人とキスしたりするんだろうって(笑)。 |
 | 素朴な疑問ですよね。 |
 | そう思ってたんですけど。モデルをやってたときに「ただ笑ってるだけってつまんないな」って思うようになって。雑誌の中には制限があるじゃないですか、キレイに、カワイく見えるようにとか、商品を美しく見せられるようにとか。そういう中で、だんだん苦しくなってきたんですよね。「今日すっごい不機嫌なのに、やりたくないのにー!」っていうときでも笑顔笑顔でしょ? だったらそういう怒りとか不満な感情も、活かせる芝居って面白いのかもって思い始めてきて。 |
 | へー。 |
 | 人に叩かれて泣くシーンがあったんですけど、ホントに痛くて泣いたんですよ。
|
 | (一同笑) |
 | でも、痛くて本当に泣いちゃったっていうのも「良かったよ」っていう感じで受け止められて。確かにその時の本当の感情だし、「そっか、芝居っていってもまんざら嘘ではないんだな」って思ったら面白くなってきて。監督にワーッと言われて、自分の気持ちがどんどん高揚していくのも味わったりしたら、益々楽しくなってきて。台本に書かれたセリフを喋っているのに、通じる瞬間もあったりして。 |
 | セリフなのに、心と心が通じる。 |
 | ないときもモチロンあるんですけど。「全然伝わんないな〜!」みたいな。相手もそう思ってるんでしょうけど(笑)。 |
 | 一般の人たちは台本に沿って人と会話をするということはおそらくないだろうから、僕らも分からないですけど、それは、そこでひとつのパッケージとして出来上がっていて、観る方も役者さんと同じものを感じると思いますよ。もう台本があるなんて思えないぐらいにのめり込んで。僕を含め視聴者ってそうだと思います。 |
 | 私はどちらかというと感情派で、相手役の人が感情に頼らないタイプの役者さんだったら、通じるものは少ないんですよ。でもそういう私たちの演技を観た人からは「すごい感動した!」とか言われて。本当にそう思わせるお芝居だったとすれば、それは相手役の方の手柄なんでしょうね。それでも結果的には良い芝居なんだっていえると思うんです。たとえこっちは芝居になってなかったとしても……。 |
 | 深い世界ですね。 |
 | ですよね。 |
 | 誰もが「女優」という二文字を見たら「いいなぁ、素敵だなぁ」って、きっと羨ましがられる仕事だと思うけど、その裏側には葛藤もありますよね。 |
 | それはありますよ。相手との相性もあるし。 |
 | 明らかに相性悪いなっていうこともあると思うんですね、そういう時って入り込むタイミングとか準備って大変ですか? |
 | ……うーん……(苦笑)。 |
 | 役者だけではなく、台本に対してもなかなか理解が得られない作品もあると思うんですが。 |
 | どうにかこうにかしなきゃいけないですよね。だってあたし、横領なんてしたことないし(笑)。※『黒革の手帖』で演じた役柄が、会社のお金を横領するという設定。 |
 | あはは! |
 | よく舞台とかを観ていて、「よくこんな長いセリフ覚えられるなー」とか思ってましたけど、いつかは覚えられるものなんですよね。だってそれが仕事だから。やらなきゃいけないから。必要に迫られたら人はできるようになるんだなって、そう思います。 |
 | 耳が痛いですね。 |
 | ほんとは私も覚えられないんですよ、セリフ(笑)。
衣装協力/KariAng (YOCO MORIMORO DESIGN OFFICE)Tel: 03-5413-4050、グレースコンチネンタル(グレースコンチネンタル 代官山本店)Tel: 03-5456-0209 |
|
(その4へつづく) |