HIVウィルスを持つ人たちのことを英語で「HIV
Positive」(「HIV陽性」、陰性は「Negative」)と言います。「Positive」という言葉には、ご存知のとおり、「前向きな」という意味もあります。この「Positive」という言葉に、HIV/AIDSをもっと身近に!という想いをのせて、去る11月5日、サンスターとcafeglobeでトークイベント『Positiveを生きる女性とPositiveに生きる女性』を開催しました。
2005年からHIV/AIDS対策支援活動を推進し、6人の女性HIV陽性者たちのエッセイ集「Live Positive」をWeb上で企画しているサンスター広報室・吉田さんの司会のもと、HIV陽性者の奈央子(仮名)さんとカフェグローブ編集長・羽生田由香が、cafeglobeユーザーの前に登場。お互い事前にメールでやりとりはしていたものの、実際に会うのはこのイベントが初めて。
「羽生田さんは編集長で美容に精通しているとお聞きしていたので、もっとばっちりメイクの近寄りがたい人かと思った」という奈央子さんと、「奈央子さんは中学生のお子様がいるアラフォーとご自身でおっしゃっていたので、若々しくてきれいでびっくり!」と羽生田。いきなり、ステレオタイプを崩しあった二人。確かに奈央子さん、民間企業でフルタイムでバリバリ働いていながらも、肩に力が入っていなくて自然体。HIV/AIDSの国際会議で世界を飛び回っているというのも、そんな自然体であるからこそなせるわざなのかもしれません。
そもそも奈央子さんがHIVの感染を知ったのは、いまから14年前。出産直後に夫と自分の感染を知り、その後、夫はHIVによる感染症が原因でエイズを発症し、亡くなられたそうです。
さすがにそのときは、「チベット仏教の本を読んだこともありました(笑)」と言う奈央子さん。最初の数年は、家にこもって子育てに専念していたそうです。でも、あるとき、「逆だ」という気づきが。「私は、『娘のために生きなくちゃ』と思っていたけど、実際は、娘がいたから私が生きてこられたんです」。娘さんは、1歳半のときにHIV感染していないことがわかりました(現在は、妊娠時に母親のHIV感染がわかっていれば、子どもに対する感染予防措置をとることが可能)。まだ中学生の娘さん、今年の春、HIV陽性であることを話したら「私とお母さんは、今がハッピーだからいいじゃない」と言ってくれたそうです。後に会場から出た「HIVに感染する前と後で大きく変わったことは?」という質問への、「両親と向き合って、以前よりもいろいろなことが話せるようになったかな」という言葉は、とても印象的でした。
ちなみに、「お友だちの反応は?」という羽生田の質問には、意外なエピソードがかえってきました。奈央子さんは家に友だちを招き、お茶を準備し、一大決心をして、ついに自分がHIV陽性者であることを話したそうです。すると友だちは、「そうなんだ。実は、私は親と仲が悪くてさ」と、自分自身の悩みを打ち明けてくれたとか。奈央子さんは、一瞬、拍子抜けしたものの、それで心が軽くなったそう。そんな友だちに囲まれているからこそ、いまの奈央子さんがあるんだな、と実感した瞬間でした。