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更新日:2003年7月4日 RSS

この事件が意味しているものは?
芸能人の結婚・離婚が騒がれるのはなぜ?
報道や広告に登場する「オンナ」について考えよう。
あなたの意見で完成させるページです。
文/和田真由子


第28回:
誰もが耳を疑った太田議員のレイプ発言。
でも司会の田原にも責任はないのかな

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   まずは今回の騒動の概要を、「いつ・誰が・どこで・何を・どうした」というニュースの基本型(4W1H)でおさらいしておきましょう。

●6月26日
●自民党の衆院議員である太田誠一氏が
●「少子化問題や青少年の犯罪」を議論する(全国私立幼稚園連合会の)公開討論会で
●司会者の田原総一郎とのやりとりで「プロポーズする勇気がない人(男性)が多くなっている」と発言。「(最近の男性は)プロポーズできないから集団レイプをするのか」という田原氏の質問(早稲田大生の集団レイプ事件を示唆して)に対して、「まだ元気があるからいい」と答え
●この発言がマスコミで報じられ、衆参両院の女性議員(野党)から公式に抗議され、自民党の山崎拓幹事長からも叱られ、記者会見で陳謝した。

   問題発言の直後、司会の田原総一郎は「橋本(聖子)さん、あんたの隣の人、無茶苦茶言っているよ。どう? こういう発言聞いて……」と突っ込みを入れているようだけど、口ぶりはむしろ出席者や聴衆の笑いを誘っているようなソフトな感じ。「討論会では、この発言を問題視するような声は出ず、笑い声も出る和やかな雰囲気の中で終わりました」とのこと(※2)。橋本聖子も議論に関しては瞬発力低そうだし、森喜郎は過去に買春疑惑が報じられた(ただし名誉毀損の訴訟中)くらいだからなあ……。

   しかし、「太田誠一って、言葉で勝負するのが仕事の政治家のくせに、あまりにもウカツでバカだなー」「こういうのもセカンドレイプだよなあ、糾弾されて当然」とは思いつつ、実は私、個人的には「憤り」までは感じなかった。それはそもそも自民党の男の議員には、「女性の人権」やジェンダー、セクシュアリティについての見識を全く期待できないと思っているからなのだが……(最初から期待値が低いから失望もないというわけ)。

田原総一郎はどういうつもりだったのか?

   実は今回の騒動で私が気になっているのは、田原総一郎のほうである。「プロポーズできないから集団レイプをするのか」って、なんでそんな質問する? 太田議員は(ウカツでお馬鹿なのは否定できないが)、田原総一郎の仕掛けた地雷をまんまと踏んでしまった……ということではないんだろうか。ほとんどの大手メディア(※3)がこの件で追っかけてるのは太田議員ばかりで、田原総一郎について突っ込んだ記事にしていないのが腑に落ちないよ、ほんと。

   しかも田原は「太田氏への批判について『かわいそうだ。あれは半分、ジョーク(冗談)だよね』」「記者団が『ジョークという話ではないのではないか』と指摘したのに対し、田原氏は『太田氏が下手なんだよね。後でちゃんと言えば良かった。あれは、少しかわいそうだ』と強調した」というんだから、「あんたには地雷を仕掛けたという自覚はなかったのか!?」と問いつめたくなる。

頭がバイアグラに汚染されてる

   いやいや、あの『朝まで生テレビ』の司会をしていた田原だもの、ウケを狙ってなかったわけがない。挑発して討論を盛り上げようという魂胆だったのだろう。しかし、私はここでハタと考えこんでしまった。

   「もしかすると、田原の質問には、もっと深遠な意図が込められていたんだろうか?」。そもそも、少子化の文脈で「男が弱くなったから(プロポーズする勇気がないから)女が結婚しなかったり子どもを産まなかったりすることになった」という趣旨の太田の発言自体が、少子化という現象についての無理解をさらけ出している。むしろ女性に子どもを産むのをためらわせるような、日本の社会構造、システムが少子化の原因だというのが常識だと思うのだけど。「最近の若い男が、女をモノにできるだけの勇気を持てば少子化が解決する」なんて考えるのは、まったく頭がバイアグラに汚染されてるというか、マッチョ幻想に冒されてるよ……はっ。もしかして田原総一郎の「プロポーズできないから集団レイプするのか」という質問には、そんな意味(「結婚して子作りできない男が、子作りのためにレイプするのか」「少子化は、男が子作りに積極的になれば解決されるというのか」という太田氏への疑問)が込められていたのか?

   少子化の文脈で、男の勇気を解決策に掲げるトンチンカンな太田へ「んな訳ねーだろ」と突っ込むのが田原の狙いだったのだろうか? だとしたら、太田氏の「元気があってまだいい」という答(冗談めかした本音だったりして)を引き出し、「んなバカな(笑)」と会場の笑いを取ったのは、全く田原の狙い通りになったということなのか? ……深読みしすぎでしょうか、私。

田原のパートナーはウーマンリブな人

   ところで、田原総一郎の現在の妻は、かつてウーマンリブの運動に関わった(そのことで現場の仕事から降ろそうとしたテレビ局に対し、訴訟まで起こした)テレビの女性アナウンサーだったらしい(※4)。田原は彼女と交際して以来「女性にたいしてあまり差別意識はないつもりだけど、やっぱり男性社会的な意識があって、それが女性への質問のなかで顔を出すのではないか、それを彼女(妻)に指摘されるのではないか、と怯えている」そうだ。今度の騒動で、妻・節子さんに何て言われたのさ? と聞いてみたいね。



■今回の投稿テーマ■
今回の事件と顛末を見て、あなたはどう思いましたか? 私たちはどうするべきだと思いますか? こういった差別問題への傾向と対策を考えよう!

up

(※2)
TBSニュース
テレビ報道されたニュースクリップ(realplayer)


(※3)
ZAKZAK ENTERTAINMENT NEWS(フジ系)
田原総一郎についてのネット上の記事は今のところこのサイトだけのよう


(※4)
『私たちの愛』
田原総一郎・田原節子共著 講談社 2003年




text / Wada Mayuko
illustration / Yoshida Nami



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