カフェグローブ地方の姿を見ていたら東京へ戻る選択肢はなくなっていた - いま気になるのは“NPO”な人々

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更新日:2004年9月24日
last updated 2004 Sep. 24
ちょっと奥までのぞいてみたい! いま気になるのは……“NPOな人々”

リード

Vol.4 地方の姿を見ていたら東京へ戻る選択肢はなくなっていた


shoji akimoto
今回の“NPOな人”

NPO法人
G-net
代表理事


秋元祥治さん



2000年12月

東京・恵比寿でカウントダウンイベント「XX+I」(ダブルエックスアイ)をプロデュース。地上波デジタル局で生中継される
2001年10月
  (21歳) 
岐阜県岐阜市にてG-netを立ち上げ、2002年3月まで「がんばれ! 岐阜プロジェクト」を展開
若手起業家やクリエイターをゲストにしたトークライブ「G-net night!」、 大晦日のカウントダウンイベント「GIFT」などをスタートさせる
2002年7月 岐阜県に対し、岐阜大学病院跡地の利用計画提案書を提出
2002年8月 野外イベント「Beans Festa」をスタート
この年の来場者数は約5000人
2003年5月
  (23歳)
NPO法人格を取得
2004年8月 2日間に渡って「Beans Festa 2004」を開催。参加スタッフのべ250人、出演者約600人、
来場者約2万2000人




帰省で目にした、アーケードからぽっかり見える青空

「岐阜から東京の大学へ進学したとき、ほかの多くの人と同じように地元に戻ってくるつもりはなかったんです。広告代理店か外資のコンサルティング会社に就職して、都心のしゃれたオフィスで仕事をするような将来を考えていました。だから、雑誌カメラマンのアシスタントに始まり、雑誌の発行、イベントプロデュース、知り合いの紹介で経営コンサルティング会社に学生のまま入れてもらって仕事をしたり……。実際、思い描いていた世界にかなり近い場所にいました」

「G-netを作る間接的なきっかけになったのは、旅行で見た地方の姿。空いてる時間があれば、国内をあちこち旅行していたのですが、今の日本って、首都圏の都市を除けば、あらゆる地方で町や商店街が寂れてるでしょ。昼間歩いている人が少なし、若者がいない」


商店街のど真ん中、写真右上に見えるのがG-netのオフィス。理由は「商店街の人々の中に入っていきたかったから」。
「それは岐阜も同じでした。僕は駅前の商店街育ちなんですが、あるとき帰省したら、小さいころからあった、とある大型店舗が撤退して更地になり、アーケードのなかにぽっかり青空がのぞいていたんです。その光景が嫌で。これ以上、空白が広がったらヤバイ、なんかしなきゃと立ち上げたのがG-netです。最初は、半年やったらだれかに『あとは任せた!』と東京に戻るつもりだったんですけどね」

若い世代が都会に流れる地方の構造を岐阜から変えたい

「『まちおこし』っていろんなところでやっているけど、ほとんど失敗している。成功例は何が違うのかと考えていったら、結局“リーダーの存在”だってことに気づいたんです。新しいことにチャレンジし続けていく熱意と、人を惹きつける力を持ったリーダー。まちおこし成功のカギは、『何をするか』ではなく、実は『誰がやるか』なんです」


スーツを着てPCを使いながら言葉巧みにプレゼンしてくれる様子は、さながら“デキるビジネスマン”。実は、ディベート全国一を取って岐阜県民栄誉賞を受賞したことがあるそう。
「ところが地方は、優秀な人材ほど進学や就職で地元を離れる率が高い。さらに、新しいことをしたい、成功したい!って人間も、チャンスを求めて都会へ出て行く。『誰がやるか』が大事なのに、その『誰か』が育ちにくい。悪循環を断ち切ることが本当の意味での地域活性につながる、と考えたら、“東京に居続ける”という選択肢はなくなっていました。東京からではなく、地域から世の中を変えたいと思うようになったんです」

「G-netが運営する夏の野外イベント『ビーンズ フェスタ』は、開催3年目で、ようやく2万人規模になりました。でも、だから成功というわけではありません。イベントの目的は、地元の人や若い世代に、『地方だって新しいことはできる』『金がなくても成功できる』ってことに気づいてもらうことですから」

「僕らが今後積極的に進めていくのは、今年からスタートした『インターンシップコーディネート』のような事業です。就労体験を希望する学生と、受け入れ先の企業との間にG-netが入ることで、双方にとってメリットがある研修を行う。そこから若い世代が育ち、地元に定着する流れを作っていきたいし、地元企業にも新しい人材を提供したいと考えています」

NPOは、自分で資金を稼げる“事業型”になっていく必要がある


G-netのオフィス内。スタッフの席が並ぶ奥に秋元さんのデスクはある。スタッフには、サイトを見て共感し、九州から引っ越してきた人も。
「イベントのほか、行政への政策提言書を作ったり、フリーペーパーやメールマガジンを発行などいろんなことをしています。事業規模はどんどん広げていきたいですね。法人化した昨年度の総事業費は1500万円だったんですが、2年目の今年度は約4000万円になる予定です。G-netは自治体からの補助金にはほとんど依存していません。それは僕たちの誇りです。4人の専従スタッフの給与は今のところ一律15万円ですが、売上がさらに伸びたらこれも働きに見合った給与を払える仕組みにしていく予定」

「『なんでNPOが儲けてるの?』とよく突っ込まれますが、僕はむしろ儲けようとしないほうがおかしいと思う。NPOの理念実現には活動を継続する必要があり、継続のためには確実な財源が不可欠で、そのためには利益を上げなければならない。いつ打ち切られるかわからない寄付や補助金に頼る運営では、長期的な事業を展開できません。NPOの事業は、地域の人たちから評価され、お金という形に置き換えられることが大事だと思います。儲けが出たら、どんどん新しい事業を作って、地域に還元していけばいい」

「僕は、『NPOをやっている』=『かっこいい』と思ってもらうための第一人者になりたいと思っている。いや、それは本当は僕じゃなくてもいいんだけど、いないから僕がやるんです。だからメディアにもばんばん出たいし。“年収1000万円もなくても”、“生活に不自由しない程度に稼げるのなら”、あとは世の中のために働きたいという人が今たくさんいる。僕ら、そういう人たちのロールモデルになりたいんです」
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NPO豆知識 4

「非営利」なのに利益を出してもいいの?

詳しくはコチラ!



今回のNPO

NPO法人
G-net


「思いを言葉にし、言葉を行動に変えていく」起業家的・創造的人材を育成し、人材に根ざしたまちづくりで、岐阜市そのものを地域活性のモデル都市にしようと2001年に発足。岐阜地区60名、東京地区10名のスタッフが、イベントや政策提案、フリーペーパーの発行などに関わっている。専従スタッフは4名。運営費や職員の給与など活動資金の90%以上は、岐阜市や県、地元企業からの委託業務による収益。今年6月、ベンチャー企業を支援する経済産業省の外郭団体「財団法人ベンチャーエンタープライズセンター」のチャレンジコミュニティ創設モデル事業のひとつに選ばれた。

「G-net」のサイトはこちら≫


「G-net」のプロジェクト紹介
Beans Festa

全国一の生産量を誇る岐阜県の特産品「枝豆」をシンボルにした夏の野外イベント。岐阜を中心に活動しているミュージシャンやアーティスト、クリエイターが出演し、市内数箇所に設置された特設会場でパフォーマンスを披露。アートコンペなども開催され、地元の人には地域のお祭りとして認知されている。









2003年の「Beans Festa」の様子。なるべく地元の人々の手でつくりあげたいから、プロは呼ばない方針。2万人以上の来場者数でも会場のセッティングはスタッフが行う。



年4回、2万部発行の若者向けフリーマガジン。表紙の写真は「鵜飼い」で有名な長良川で撮影したもの。岐阜の若者は「鵜飼いなんて」と見に行かないそう。そこを逆手に取ったと池元さんは話す。「こうして撮影すれば長良川だって風流な場所。岐阜にはこんなにすてきなところがあるんだ、というメッセージを『ORGAN』全体に込めています」。
















































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text / Kikui Tomoko
design / Tomoko Takeue

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