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有限会社カフェスロー/
環境NGOナマケモノ倶楽部理事

渡邉由里佳さん |
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1999年4月
(24歳) |

大学を卒業し、某旅行会社に入社 |
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| 2000年9月 |
目標貯金額の100万円を達成し、退社 |
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| 2001年2月 |
スペイン語の勉強を兼ねてエクアドルに4ヶ月滞在 |
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2001年6月
(26歳) |
帰国、有限会社カフェスローに入社 |
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| 2002年9月 |
ナマケモノ倶楽部のスタディツアー「エクアドルスローツアー」を初めて催行 |
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「NGO関連会社の運営という働き方を選んだのは、大学の卒業旅行で、今の自然を未来に残そうと、自然に寄り添う生き方を選んでいるエクアドルの人たちと出会ったことがきっかけです」

国分寺街道に面した入り口。中も天井が高くてテーブル間のスペースが広く、まるでココロがたゆたうよう。
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「発展途上国のエクアドルでは、経済発展のために、企業と組んで熱帯雨林を切り開き、その下にある鉱山を開発することが必要だと考えられています。でも、そうした主流派とは別に、森を壊さない方法でコーヒー栽培をしたり、森林ガイドなどのエコツアーで開発を防ぎ、子どもたちに豊かな森やきれいな水を残そうとしている人たちもいるんです」
「卒業旅行は、所属していたゼミの辻信一教授の仲間内の旅に、たまたまくっついて参加したという感じでした。で彼らと出会って、先進国の日本よりずっと進んだ取り組みをしている彼らを応援したいと思ったし、日本に住む人こそ、そういう現状を知る必要があるんじゃないかと感じたんです」
「で、この旅に参加した学生が中心になってできたのが、『環境NGO・ナマケモノ倶楽部(通称ナマクラ)』です。ただ、卒業後は旅行会社に入社し、その後しばらくナマクラの活動には、片足の、指の先すら突っ込んでない日が続いたんですけどね」



「会社で担当していたのは、航空券の予約や発券業務。かかってくる電話に対応する仕事なのに、ノルマを達成したかどうかの確認が2〜3時間ごとにあり、とにかく忙しい職場でした。自分が自然保護とかエコツアーをやりたいと考えているのは、こういう忙しさから逃れるためなのかな〜、と感じた時期もありました」

エクアドルの場所、知ってる? 店内では、フェアトレードによるエクアドルのアクセサリーや有機無農薬コーヒーも販売。
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「勤めて1年半たったころ、当初の目標だった貯金額100万円を達成したんです。で、思い切って会社を辞めて……。当時は実家に住んでいたのですが、親に黙って辞めたので、バレたとき驚いて『何考えてんだ!』と、もう〜カンカン。けれど、辞めたからにはエコツアーを実現しなきゃなと、スペイン語の勉強を兼ねて、あらためてエクアドルへ。都市から地方のコミュニティまで、4ヶ月でいろんな場所を回りました」
「本当はもう少し滞在するつもりだったんです。でも、不注意から犬にかまれて帰国するはめに。向こうの犬は狂犬病などの恐れがあるので、医者に帰国を勧められて。エクアドルの特に田舎では、犬はペットというより番犬。吠えて寄ってきたら追い払うのが常識。なのに、日本にいるときと同じ感覚で近づかせてしまったのがまずかった」
「帰ってきて、ちょうどオープンしたてだったカフェスローに就職。今思えば、帰国時期も、日本で“呼ばれた”のかなと思います。タイミングがよかったと言えますね。現在は、カフェ運営スタッフとしての仕事と併行して、年1〜2回行なうナマケモノ倶楽部の『エクアドルスローツアー』の企画や準備をしています」



「今、スローライフという言葉がいろんなところで使われていますけど、ナマクラが提案するスローライフは、『つながりを大切にする生き方』ってことなんです。私たちのツアーが訪ねるエクアドルの人たちは、自分と自分たちが住む地域の自然との繋がりを大切にしている。自然に対して、開発する対象としてではない繋がり方をしている」
「あまりにファストな日本の生活は、そうした地域や自然との『つながり』を、どこかで無視することで成り立っていると思うんです。その歪みが、ゴミ問題や資源、心の問題として表れているわけで。ここらで『つながりなおし』をする必要があると思う。エコツアーに参加したり、このカフェでお茶をすることが、その『つながりなおし』のきっかけになれば、と思っています」

渡邉さんイチオシの「本日のスロー定食」。「特に大豆コロッケが……」の言葉どおり、ホクホク&モコモコの絶品。コーヒーつきで1200円也。
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「給与は旅行会社時代に比べると、月4万円くらいダウンしたし、ボーナスもありません。カフェスローは会社だけれど、やっていることも形態も限りなくNPOっぽい。フツーの企業に勤める友人と話していて『お金があるっていいなぁ』と感じることはあるけれど、3歩あるけば忘れてしまう。基本的に今の収入でやっていけるので、戻ろうとは思わないですね。仕事の時間も、お休みの日の時間も、すべて自分の生活。その質を成り立たせるつながりを、丁寧につむぐような生き方をしていきたいです。例えば今の自分の生活が、誰かの犠牲の上に成り立っているものだとしたら、あんまり気持ちよくないな、と」
「ツアー前の3ヶ月は、カフェの仕事とナマクラの仕事が重なって、会社員時代くらいやることは多いです。です。ただ、旅行の打合せでエクアドルに電話かけるにしても、お互い相手のことをわかって電話しているというのは大きな違い。そういう『つながり』のなかで生まれる仕事や、つながりを生かすお金の使い方を、もっとたくさんの人に考えてもらえたらと思いますね」
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有限会社カフェスロー

スローライフの提唱者、辻信一さんが世話人をつとめる「環境NGO・ナマケモノ倶楽部」から生まれた会社。NPO法人ではないが、業務内容は極めてNPOに近い。
エクアドル産のコーヒーを始めとしたフェアトレード製品やカフェで提供されるオーガニックフード、さらにイベントなどを通じて、NGOの活動と一般の人々を繋き、エコロジカルなライフスタイルを提案する交流の場として機能している。
店内は、使い捨てズニすむモノを使おうという「ZOONY運動」や、地域通貨「ナマケ」の流通、渡邉さんが担当するスローツアーのデスクが置かれるなど、さまざまな活動の舞台にもなっている。従業員は5名。
●カフェスローのサイトはこちら≫


環境NGO・ナマケモノ倶楽部

ナマケモノは南米の森のなかで、非常にスローに、そのぶん余計なエネルギーを使わずに自然と共に生きる動物。ナマケモノ倶楽部は、その自然を守ろうというのではなく、自分たちも「ナマケモノになる」ことで、自然や環境を壊さない新しい生き方を実践しようというNGO。夏至や冬至の夜に2時間電灯を消そうと呼びかける「100万人のキャンドルナイト」の発信源でもある。渡邉さんの企画する「エクアドルスローツアー」も、ナマケモノ倶楽部のそうした活動のひとつ。エコロジカルな生き方を実現するために、フェアトレードやスロービジネスを手がける関連企業があることも特色。
●ナマケモノ倶楽部のサイトはこちら≫


エクアドルは全国区で地域通貨(「NPO豆知識」参照)が循環しているそう。エリアによって単位は異なり、こうして毎週、地域通貨による市が立つところも。 渡邉さんの企画するスタディツアー「エクアドルスローツアー」は19〜21日間程度の日程で、さまざまな都市を巡る。今後は、仕事を持っている人が気軽に参加できる日程プランも計画していくそう。

エクアドル太平洋沿岸のバイア・デ・カラケスは、1998年にエコシティ宣言をした町。いたるところに資源再生を呼びかける看板が立てられており、町にはゴミひとつ落ちていないのだとか。環境への意識は日本よりずっと進んでいる。

「エクアドルスローツアー」には、通常ではなかなか体験できない、原生林の奥へ入るというプログラムもある。ここはマングローブの林。その数は伐採で一時期減ったが、地元の人たちが自然とのつながりを考え直したため、植林などによって緑が戻りつつある。
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