更新日:2005年9月8日 RSS

とーにかく注目度が高い今回の選挙。
自民も民主も「改革」って言うけど、中身はいったいどうなってんの!?
今こそ、みんなで考えてTalkabout!

文/エンゼルあつみ


マニフェストで選ぶ! じゃ、その中身は?
自民、民主の政策をじっくりみてみよう
<<前ページからつづく

   目前に迫ってきました 9・11 衆議院議員総選挙。小泉首相は「郵政民営化の是非を問う!」って衆院を解散したけど、選挙ともなれば、問題はそれだけじゃない。政権交代の可能性アリな今回だからこそ、各党の政策をしっかり見極めて挑まなきゃいけないってわけ。社会保障、外交、経済財政、憲法……。民主党が勝ったらどーなる? 自民党にまかせ続ける? 政権をとる可能性大な2党の政策をエンゼルあつみさんに徹底比較してもらいました。


選挙速報見ながら事情通ぶれる!?
それぞれの勝ちパターン豆知識


  まずぜーんたいの話から。「自民党が勝ったら」という場合は、実は一通りではありません。自民+公明の解散前の議席数は249+34で283。でもこのうち、自民党の37人は郵政法案に反対して非公認(※1)となりましたから283から37引くと246。
 
 で。小泉さんは「自民公明で過半数がとれなければ退陣する」って言ってますよね。つまり、郵政法案を通していいかどうか、国民に是非を問うために選挙したのだから、自公で過半数がとれないと法案が可決されない可能性が高い。そこでその場合は退陣すると。衆院の定数は480だから、241とれればよい、と。
 
 でも、過半数とれなくっても、自民党が第一党ならば国民新党や新党日本とくっつく、民主党が分裂して自民党とくっつく、とかいうことがあって、たとえ小泉さんが退陣しても自民党から首相が選ばれることは十分ありえます。

 逆に民主党が政権を取るには、過半数をとるのが一番きれいな形。解散前には175だったから、そのためには66増やさなきゃならない。そうじゃなくて、自民党より数は上回ったけど過半数までいかない、というときにはどうなるか、微妙。ちなみに'93年に非自民政権ができたとき、首相はご存じ日本新党、細川さん。連立政権だったんだけど、日本新党は第一党ではなかったですからね。


自民も民主も「年金は一元化」って言うけど……
えっ、新たな消費税を財源にするってホント?

(※2)


   さて、では本題。私たちの未来ってどーなるのって話です。まず年金。高齢者は増える、若者は増えない。医療費もかかる。社会保障関係の給付金は1年に約1兆円(!!)ずつ増えているといいます。

 財源をどうするの? 年金はもらえるの? が、心配ですが。自民も民主も「一元化」という言葉を使っていますが、対象の範囲が違いますね。サラリーマン(公務員も含む)の自民党に対し、民主党は国民年金も含めて所得比例にすると。年金って公務員に手厚くて、官民格差があるといわれていますが、とりあえずそこだけ是正しようという自民と、もっとがらがらぽんしてわかりやすくしようというのが民主党です。自民党の言い分としては、去年の年金改革で当面の手当はできた、って言うのです。

 どちらも、基礎年金の国庫負担割合を引き上げて2分の1にするとしていますが、その財源として民主党は新たな年金目的消費税を導入するといっています。ま、お金がなきゃ何も出せない。自民党は何も言ってなくって、いったいどおするんだかちょっと不明確。民主党にしても「一元化」したらどうやって給付がばっちりできるようになるのか、具体的にはよくわからないですねえ。


消費税UPにサラリーマン増税、
どっちが勝っても税金上がるかも……


 この、年金や社会保障の話とも関係しますが、税制。両方とも結構あいまい。特に自民党は「2007年度をめどに、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から消費税を含む税体系の抜本改革」といっていますが、それだけ。都議選の前に政府税調がサラリーマン増税で不評をかいましたからね、言い出したくないんです。票を減らしたくない。小泉さんも「私の在任中は消費税を上げません」しか言わないし。要するに、よくわかんない。けれども現実的には近い将来、消費税増税は免れないと言われています。

 民主党は上にも書きましたが、年金目的消費税導入をマニフェストに掲げています。民主党が政権をとったら'08年度に3%の率で導入されそう。また、配偶者控除や扶養控除も廃止。代わりに少子化対策のための「子ども手当」を導入するそうです。また、財政再建を目的とした増税は3年間の間は行わないそうです。ただ、もうちょっと先の見通しになると民主党もよくわかんないな。

日本の外交、実はがけっぷち状態
選挙後、誰が、どーやって立て直す?

 はい、次は外交。自民党が選挙に勝っても、外交の明確なビジョンがあんまりあるわけではありません。今、日米関係は小泉―ブッシュ関係がいいものだから、その個人的信頼関係を軸になんとかやっています。けれども、それにしたって、日本の常任理事国入りは結局、米国は支持してくれなかったですけどね。

 ほかの国との外交については、今、日本は四面楚歌状態。中国、韓国とは靖国神社参拝や教科書問題で最悪。プーチン来日が予定されていますが、ロシアとも領土問題で打開策が見つからない。今は郵政&選挙で放置状態だけど、選挙後は外交政策の立て直しが急務です。

 けど、小泉首相に明確な方向性はない、でしょう。はっきりいって、当面は首相の頭の中は郵政民営化一本のはず。それに、毎年必ず参拝している靖国神社だって、選挙が終わったら9月半ば。今年いっぱいあと3ヶ月半の間で、いったいどうするつもりなんでしょう。

 一方民主党。自民党よりも、中国、韓国との関係改善に力点がある。靖国神社関連では、民主党は「追悼のための新たな施設」を造るといっています。それから、イラクの自衛隊は12月までに撤退すると明言。

 日米関係では、今の小泉―ブッシュ関係のような個人的関係に支えられたものからは変わらざるを得ないでしょう。在日米軍の法的地位について定めた「日米地位協定」(※3)の見直しにも着手して、3年以内に結論を出すとしています。これ、日本にとって不利な内容も多い、という指摘も多いですからね。といっても、いまの民主党には前原誠司さんをはじめ、安全保障への考え方が自民党とそう変わらない人たちも多い。だから外交政策でそう大きな転換はなさそうです。
 
 最後に憲法。これはあまり明確な争点になってはいませんが、自民党は今年の11月15日までに自民党憲法草案を策定、公表する、と。ちなみに8月1日に発表された憲法草案条文案では9条で「自衛軍の保持」をうたっています。一方民主党は今後、党の「憲法提言」を国民に示すんだそう。

 以上、参考になったでしょうか? 郵政だけ、が問われているんじゃあありませんからね。 これを読んで、どこに入れるべきかさらに「?」になってしまったら、各党のマニフェストをもう一度熟読、新聞もニュースもじっくりチェックすべし。そして、選挙、ちゃんと行きましょうね。


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■今回の投稿テーマ■
あなたが今回の選挙で、政権をとって欲しいと思うのは? その理由は?


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※1 非公認
衆院での郵政民営化法案採決の際、反対票を投じた人たちは今回の総選挙で自民党から公認されず、同じ選挙区に自民党公認候補(いわゆる「刺客」)を送り込まれた。たとえば野田聖子さん、堀内光雄さんなど。亀井静香さんや綿貫民輔さん、小林興起さんらは自民党を離れて新党を結成した。

※2 年金の一元化
年金は、会社員の加入する厚生年金、公務員の入る共済年金、自営業者やフリーターなどが入る国民年金にわかれている。それぞれ保険料率や受け取る年金額も違なり、転職したり会社をやめたりしたら切り替えをする必要がある。また、国民年金は現在未払いや未加入者が非常にふえて深刻な問題となっている。そこで年金を統合、一元化してわかりやすくして透明性を高め、払った保険料に応じて年金を受け取れるようにしよう、というのが一元化の構想。

※3 日米地位協定
1960年に日米安保条約が改定されたときに結ばれた。米軍への日本の施設提供義務や、日本の国内法令の適用除外といった在日米軍の特権を定めている。昨年8月に沖縄県宜野湾市の大学構内に米軍ヘリが墜落したときも、この地位協定によって、日本の警察が現場検証を行うときに米軍側の同意が必要だった。

 

各党の公式サイトはコチラ
公約、マニフェストと呼び名はさまざまだけど、それぞれに掲げている政策を公開しているので一読を。


自民党
自民党 「改革をやめるな」
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民主党
民主党 「日本をあきらめない」
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公明党「日本を前へ。改革を前へ」
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日本共産党
日本共産党 「たしかな野党が必要です」
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エンゼルあつみ
メディア報道記者
政治の世界に新風を吹き込む“永田町観察日記”担当。永田町や霞ケ関をフィールドとしており、ベールに包まれた政治家やキャリアの世界を少しでもお伝えできたらと思っています。「こんなことが知りたい」というご質問、お待ちしています。
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