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お金をもうけるためではなく、社会問題を解決するために働きたい。そんなふうに考える若い人たちが増えている。学校を卒業してふつうに企業に就職するのではなく、NGOやNPOで活動したり、自分で社会的な事業をおこしたり。インターンや起業家支援をしているNPO「ETIC」が02年からやっている、若い人向けの社会起業家コンテスト「STYLE」も応募が徐々に増加、第1回の応募は70件くらいだったけど、今年は100件を超えるかも、っていう状況。
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「この問題を伝えなきゃ」と破天荒っぷり発揮
ハイジャックならぬ“授業ジャック”!? |
そんななかに、ひときわ輝く23歳の女性が。03年の「STYLE」で最優秀賞を取ったNPO法人「かものはしプロジェクト」代表理事の村田早耶香さん。昨年、大学を卒業したばかりの彼女だが、同年代の仲間とともに、カンボジアで買春被害に苦しむ子どもたちを救おうという事業を始めている。彼らの経済的自立を図るためにパソコンのスキルを教え、ゆくゆくは日本から仕事を受注するほどに成長させる。子どもたちを保護し、教育するための施設もつくる。その目標はあまりに壮大にみえるが、少しずつ、でも着実に歩み始めている。
村田さんは父親がアジアからの留学生を家にホームステイさせていたこともあり、小さい頃から国際協力の仕事に関心が強かった。児童買春の問題を実感したのは、大学2年生でタイへのスタディツアーに参加したときだ。女性と子どもの保護施設では、買春からHIVに感染して亡くなった女性や、その遺児でHIVウイルス保持者の5歳の女の子、義理の父親にレイプされた幼い姉妹に出会い、町中のバーでは花売りの男の子が外国人の男性に「買われる」ところを目にする。
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「社会に貢献したい!」と
「起業したい!」のハッピーなる遭遇
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東京に戻った村田さんは、文献を漁る一方、「児童買春の現状を話させてほしい」と教授に頼み込み、大学の授業を次々に“ジャック”! 買春問題の勉強を進めるなかで青木健太クン(クン、という表現がぴったりの22歳)と出会う。「何か社会にインパクトを与える大きなことをしてみたかった」という青木くんはベンチャービジネスや起業に関心が強く、友人の本木恵介くんとともに社会起業のサークルをつくっていた。起業ノウハウの習得や人脈は築き始めていたが、具体的な目標がなかったところに、「子どもを買春から救う」という強烈な目的をもった村田さんが登場。
お互いにないものを持っていた1人と2人の遭遇で、ここから話は急展開する。タイよりカンボジアの被害がひどいということもわかり、村田さんが大学3年だった02年の秋には3人で事業モデルを考案し始め、具体化へと突きすすんでいく。
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カンボジアでパソコン教室をスタート
そりゃ、“大人買い”にも憧れるけど……
でもね! |
04年の6月には現地事務所を開設、カンボジアでの試行プロジェクトを始める。12月から28人のパソコン教室の第一期生を迎え、とりあえず4ヶ月のスクールを修了。今は、そのなかの6人にアドバンスクラスとしてグラフィックを教えている。今後は、さらに充実した職業訓練を行うため、買春被害や保護するための仕組み、必要とされるスキルなどの調査を行い、事業モデルを組み直すという。
日本ではカンボジアの状況を訴え、会員や寄付を募る一方で、収益を上げて事業を支え、訓練提供にも役立てるためにITシステム開発も行う。青木さんを頭にするこのシステム開発、昨年は700万円余りを売り上げ、今年は倍増を目指している。「かものはし」の20人いるスタッフのうち、16人が学生。本木くんは今年大学を卒業、青木くんは中退して専従スタッフになった。とはいえ今はまだ、スタッフの月給は10万円にも満たない。村田さんはときどき、普通に就職して、エステに通ったり、“大人買い”をしている友人を羨ましく思うことも。
だが、「ほかの仕事をしてエステに行っても、きっと満たされない」とも。無表情でゴミ拾いをしていたカンボジアの子どもたちにパソコンを教えたら、見る見るうちに目が生き生きと輝き出した。あの子たちを見たときの感激が忘れられない。
村田さんがある企業の社長に寄付をお願いしにいったときのことだ。「ぼくたちが若かった頃はお金を稼ぐことが立身出世だったのに、時代が変わったね」。こう言われた村田さんは答えた。「私たちの世代は、お金じゃなくて自分が生きている間に社会的意義のあることをしたいんです」。
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