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No.086 西洋からの視点だけじゃない! アートで“今のアフリカ”を |
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現在公開中の話題作『ナイロビの蜂』。互いを信じ、困難に立ち向かう夫婦の強い絆に、心を動かされた人も多いのでは? 一方で、映画の舞台となったアフリカの大地のスケールの大きさや、そこに住む人々の突き抜けたような明るさに魅了された、という声もあるみたい。
「今回の展覧会では、出展作家の国がどの位置かわからないからと、アフリカに行ったことのないスタッフと一緒に、地図を広げながら確認することもありました(笑)」。そう話すのは、森美術館広報の三浦亜矢子さん。現在こちらの美術館で開催中の『アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術』展には、アフリカ大陸25カ国、84名の作家による約140点の作品が展示されている。 現在、東京都現代美術館で開催中の『カルティエ現代美術財団コレクション展』にも出展している有名作家の作品も見られるが、この展覧会の最大の特徴は、その規模の大きさにある。出展作家はチーフ・キュレーターのシモン・ンジャミ氏自身がアフリカ大陸を巡り、有名無名を問わず、作品のクオリティの高さを基準に選んだ。実は、これだけ多くのアフリカ大陸出身のアーティストたちが出展する展覧会は、世界でも初めてのものなのだそう。
展示は「アイデンティティと歴史」、「身体と魂」、「都市と大地」という3つのテーマに沿って展開。ほぼすべての作品が、10年以内に制作されたものだ。 例えば「アイデンティティと歴史」のコーナーに展示されている、ジェーン・アレクサンダーのインスタレーション『アフリカの冒険』。部屋に足を踏み入れると、オランダの植民地時代を思わせる壁やドア、シャンデリアがある。ところが床の中央には赤土が敷かれ、そこにいるのは、動物なのか人間なのかわからない奇妙な生き物たち……。その奇妙な空間からは、人を動物のように扱ったという植民地時代の、ある特有の空気が連想される。その時代を経験していない今の作家たちもいるので、過去をどう捉えているのかが、シニカルに、ユーモアを交えて表現されているのが興味深い。 展示作品は、全体的にビデオやインスタレーション、写真などが多いので、アフリカの歴史を知らない、現代アートがわからないという人も楽しみやすい内容だ。 「貧困やエイズ問題などネガティブなイメージを探すのでなく、“今のアフリカ”を感じてほしい。そんなキュレーターのメッセージも込められています。そこにいるだけでアフリカの空気や湿度までも感じられるような空間なので、旅をするような感覚で見ていただきたいですね」(三浦さん)
アフリカ発の映画も元気だ。アフリカ映画の父といわれるウスマン・センベーヌ監督の『母たちの村』(6月17日公開)は、アフリカに今も残る「女性割礼」という慣習に異を唱えた女性の姿を描いた作品。妻たちのおしゃべりや、行商人とのやりとり、村の中心にあるモスクに集まる男たちといった、日常生活のシーンをじっくり描くことで、彼らの細やかな感情が浮かび上がり、テーマの重さがよりリアルに響いてくる。 「西欧から見たアフリカ」とはまったく違う、アフリカの監督がアフリカに向けて放つメッセージには、新しい発見や深い共感がありそうだ。 人類の起源でもある、母なる大地・アフリカ。この夏はアートに触れることで“今”の空気を感じてみよう。 |
| text / Miyamoto Hiromi |
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| ジェーン・アレクサンダー『アフリカの冒険』…… |
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| 「都市と大地」にあるアントニオ・オレの『居住区の壁10番』は…… |
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| シェリ・シェラン『モケ:終焉の始まり(画家モケへの敬意)』…… |
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| 会場入り口のアトリウムにある高さ8メートルの作品は…… |
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| 展覧会会場で流れる音楽ももちろん…… |
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| 第57回カンヌ映画祭にて「ある視点部門」グランプリ受賞作…… |
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| アフリカ映画の今を、フィクション、ドキュメンタリー、アートフィルムなどの分野から紹介…… |
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