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No.097 ペットってかわいいっ!だけじゃだめ 彼らも私たちも地域もハッピーに |
90年代から続くペットブームのおかげで、ペット飼育可の住宅やペット同伴が許される場が増えているのは、動物好きには嬉しい状況。ただし、単純に喜んでばかりもいられない深刻な現状があるって知ってた?
最近報道された、閉園された広島のドッグパークで500頭近くの衰弱した犬たちが発見されたというニュース。これはまさに、ブームがもたらした惨劇。商業施設だから起こったことと考えたいが、実際はそうとも言えない。 今年6月、動物愛護法が改正され、これまで30万円以下だったペットへの虐待や遺棄への罰金が、50万円以下に引き上げられたものの、虐待や遺棄を取り締まり、動物たちを危険な状況から救い出す具体的なシステムは未整備のままだ。 全国の動物愛護センターで「処分」される犬や猫は、ここ数年減少傾向にあるが「引越で飼えなくなった」「世話ができない」等の理由で、飼い主が持ち込むケースも少なくない。首都圏の場合、那須などの郊外に捨てに行く人もいるという。 那須で遺棄される犬たちを知り、『七色の山』という絵本を発行したサンクコミュニケーションの近山典子さんは、「イギリスやアメリカには、ペットや家畜への犯罪を監視する『アニマルポリス』がいるし、ドイツには『獣医局』という通報先があります。動物の飼育は、その動物はもちろん、社会に対しても義務と責任が伴う行為。でも日本では、飼い主が自分の都合で飼育を放棄しても、世の中がそれを許してしまっている」と言う。どうやら、動物愛護の精神が、普遍的なモラルとして捉えられていないところに問題があるようだ。
こうした日本の状況が、ひょっとしたら変わっていくかも? と思えることが、各地で自然発生している。町内会などの自主的な防犯対策である「わんわんパトロール」がそれ。毎日決まったルートを散歩する犬と愛犬家が、空き巣や不審者に目を光らせるこの運動、一昨年あたりから全国で活発になってきた。 そのひとつが、東京都荒川区で行われている『わんわんパトロール隊』の活動。平成16年に発足したこの隊は、現在154名が登録。珍しいのは、彼らが荒川区、荒川警察署とも協力し、官民一体となって活動を続けているということ。隊員登録と同時に支給される『わんわんパトロール』の札をリードに付けていれば、毎月第2、第4金曜日に行われるグループパトロールのほか、毎日のお散歩も犯罪を抑止する立派な防犯活動とみなされる。つまり、毎日さまざまな時間帯、ランダムなコースで地域のパトロールが行われている、ということになる。しかも、万が一の事故やケガなどはボランティア保険によって保障してもらえる。 取材したこの日は、荒川区役所前に集まった10名前後の隊員が、区の防災課職員、荒川警察署 生活安全課の担当者とともに、パトロールに出発。下町らしい細道や、児童公園などを20〜30分ほど巡って終了。地域の獣医師会からのお知らせや「糞の始末をきちんと行いましょう」といった呼びかけのあとは、犬同士、飼い主同士の和やかなひとときを楽しんで、三々五々解散となった。 グループパトロールへの参加は、あくまで任意。ほとんどの隊員は、自分の都合のいい時間に「パトロール」している。しかし、定期的に集まることで犬同士のコミュニケーションをはかることもでき、マナーを向上させるための貴重な場になっているのは確か。「ペットも社会の一員」というアピールにもなっている。 ペットが地域全体にとって身近な存在になり、人間の大切なパートナーだという認識が高まれば、動物を飼うことへの理解、また「飼えなくなったら捨てる(処分する)のは仕方ない」という風潮を変えていくきっかけになるだろう。 ペットと一緒にできる地域活動が多彩になり、参加する人も増えれば、日本の動物愛護をめぐる状況も変わっていくはず。ペットを飼っている人もそうでない人も、またペット自身も幸福に暮らせる世の中にするために、こうした取り組みに注目していきたい。 |
| text / Kikui Tomoko photos / cafeglobe.com |
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那須に遺棄される犬たちを題材に描かれた絵本『七色の山』…… |
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| 東京都荒川区の『わんわんパトロール隊』の皆さん。月2回のグループパトロールの日…… |
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| リードに取り付けた緑の札が「わんパト隊」の目印…… |
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「わんパト隊」の札には、荒川警察署の名前と『ピーポくん』も入っていて、…… |
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発起人の村山忠弘さんは…… |
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