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No.108 【オダギリ ジョーさん登場!】 圧倒されるほど美しい映像 話題作『蟲師』の世界に酔う |
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村上春樹や、宮崎駿、北野武、蜷川幸雄らが海外でも高い評価を受けているのは知られているところ。そんななかでも、早くから注目を集めていたのが漫画家・映画監督の大友克洋。世界が待ち焦がれた大友の新作映画『蟲師』がついに公開される。
大友克洋といえば、アニメーション映画の傑作『AKIRA』の作者であり、映画監督としても活躍するマルチアーティスト。実写映画を撮るのは、今作が16年ぶりということもあって、企画が浮上した段階から高い注目を集めていた。 主演のオダギリ ジョーさんは言う。「僕ら世代なら誰しも、『AKIRA』の衝撃ってどこかに持っていると思うんです。そんなすごい才能を持った方ですから、当然、自分とは違う場所にいる人だと思っていたので、出演のオファーをいただいた時は、正直、驚きのほうが大きかったですね。でも、監督が16年ぶりに映画を撮るというときに、自分が役者をやっていて、しかもそこに参加できたということを幸せに思います」。 作品に描かれているのは、かつての日本に存在していた、自然と人間との間に生息する精霊でももののけでもない生命体“蟲”。この蟲が引き起こす、科学では証明できない現象を知り尽くし、ときにはその力を借りて人を癒す。それが“蟲師”だ。 原作は、290万部を売り上げるほどの人気を誇る漆原友紀の同名漫画。映画化されるにあたり周囲の期待は大きかったが、この怪しく神秘的な世界を実写化させるのは難しいと思われていた。 しかし、大友監督の作り上げた映像世界は、そんな懸念を消し去ってくれる。素晴らしいのは、スクリーンに映し出される景色の美しさ。自然の雄大さが無言の迫力を持って訴えかけてくる。 「撮影に入る前から、すでに監督のなかでは絵は決まっていたんじゃないでしょうか。絵コンテがかなり細かくて、それを見ると、僕らもスタッフも監督が何を撮りたいのかがはっきりわかるんです。そうしてでき上がった映像は、本当に説得力のあるものに仕上がっていました。実写なのに、まさに大友監督のアニメーションのような迫力でしたね」
監督のこの「徹底したクオリティの追求」が、映画を単なる夢物語で終わらせず、リアルな人間の物語に仕上げている。 「監督がこだわったのは、昔のままの風景をもった、大きな自然。そしてそこに、現代の最高峰のCG技術を駆使して、蟲たちを描くことでした。まったく逆の手法で撮られたものがひとつに絡み合い、この独特な映像に仕上がっているんです。それは大友監督でなければ撮れなかったものだと言えると思います」 そしてやはり、忘れてはならないのが、蟲師・ギンコを演じたオダギリさんの存在。特別な能力を持ち、ひとつところに留まることができずに旅を続けるギンコの背負う孤独と神秘性が、彼の世界とぴったりとシンクロしていた。 「(今回の撮影では)自然の中に身を置いて、風が吹いてきたり、何かの匂いを感じたりすることが、無意識ではあるけれど、芝居のなかに生かされているような気がしています」 脇を固める俳優陣やスタッフがかもす空気も充実している。ようやく実を結び生まれた『蟲師』の世界をたっぷりと堪能してほしい。 |
| text / Mochizuki Lisa |
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