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No.118 マンガと古典のマリアージュ!? ロンドン発・純英国産MANGAはいかが |
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……時は2017年。温暖化で滅亡した地球を臨むサイバーワールドで、SF風の衣装を身にまとい、苦悩する孤高のプリンス。 ……渋谷の繁華街で抗争するヤクザ同士の一族に生まれた、ロック好きのイケメン君と、ミニ丈キモノを着た女子高生の、願い叶わぬラブ・ストーリー。 これ、一体何かというと『ハムレット』と『ロミオとジュリエット』。ご存知、ウィリアム・シェイクスピアの作品だ。 ちょっとフシギな設定のマンガ版シェイクスピアが、今、ロンドンで人気を呼んでいる。ぱっと見“少女マンガ風”の、あるいは、“萌え〜”な感じの絵柄を見ると、これって日本のマンガの英訳本でしょ?と勘違いしそうだけれど、描いているのは皆、イギリスで活躍中の若手マンガ家達。 そんな、純英国産MANGAを専門に出版するレーベル『Self Made Hero』が登場した。ディレクターは、エマ・ヘイリーさんというキュートな女性だ。
ここ数年イギリスでも、アメリカ・フランスに続いて日本のMANGA熱が上昇。これまでは男性客メインだった書店のコミック売り場にも女性の姿が増え、特に少年愛をテーマにした「やおい系」がティーンの間で人気が集中。さらには、元来コスプレ好きのお国柄もあって、コスプレパレードも盛んに開催されているのだとか。 かねてから文学に親しんできたエマさんは、そんな白熱するMANGAブームを見て、ふと思った。「イギリス人が大好きなシェイクスピアをマンガでリリースすれば、若い人だけでなく、より幅広い年齢層の人達にもマンガのよさを伝えられるのでは?」。 そこで、4年前に夫と共に小さな出版社を立ち上げた。でもMANGAにこだわったのはどうして? 「西洋のコミックと違って日本のMANGAはダイナミックで、感情が豊か。自由なコマ割りは物語のスピードに緩急がつくから、文学みたいなストーリー性のある作品表現に最適なメディアだと気付いたの」
また、シェイクスピア作品をマンガ化することで、思わぬ相乗効果もあったのだそう。 「そもそも、戯曲とは舞台で上映されることを意図して書かれたもの。活字で読むよりも、マンガでヴィジュアライズするほうが本来の表現に近いと思う」 また、『ハムレット』のようにモノローグが多く、時間軸が複雑に交錯している作品は演出が難しい。そこで、サイバースペースという設定に変え、コンピュータスクリーンに亡霊を登場させるなど、時空間を越えたハイパーな表現を試みた。すると意外にも原典のイメージにフィットしたのだとか。 熱烈なシェイクスピアファンの多いイギリスでは、マンガ化することに対してシビアな視線もあるけれど「発想の転換と表現の豊かさが新鮮!」と、読者層は着実に広がりつつあるようだ。
『MANGAシェイクスピア』のセリフは、原典どおりの古語を採用している。これは、詩としても完結している美しい言葉をきちんと伝えたいというエマさんの配慮から。実際、日本の大学でも英文学の教材に使われていて、こうなると、もはやマンガというより、文学の新しい表現方法として成立しつつあるのかも。 「もともとは、日本のマンガもアメリカのコミックのスタイルを取り入れて発展してきたものでしょ? それがまた西洋に戻って受け入れられて……。マンガは、西洋と東洋を行き来しながら発達している文化なのかもね」 今後はシェイクスピアに限らず、カフカやエドガー・アラン・ポーなど題材を増やしていきたい、と熱意を燃やすエマさん。ロンドンで古典と出会ったマンガが、再び日本に上陸する日もそう遠くないかもしれない。 |
| text / Sato Yo
photos / Metro Media, cafeglobe |
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| エマ・ヘイリーさん。大手出版社で雑誌ジャーナリストとして勤務後…… |
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| シリアスなシーンから急に3頭身のギャグタッチになったり…… |
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| 原作のロレンス神父がここでは神主だったり…… |
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| 『MANGAシェイクスピア』のSNSサイト。制作クリエイターも参加して、…… |
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