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更新日:2004年10月28日

2004年アメリカ大統領選特集 どっちが勝つと、世界はどうなる?


残すところあと5日に迫った大統領選。私たちニッポン人の将来さえ左右するこの選挙、傍観しているわけにはいきません。この手に汗握る政治ショーを機会に、世界や日本の未来を一緒に考えようではありませんか!
※冷泉彰彦さんを迎えてのTalkabout!も開催中。(こちらから>)
第5回 [ニューヨーク編]
歌で、Tシャツで、パフォーマンスで
今回はセレブも選挙に積極的に参加中

文=塚田桂子

   今回はニューヨークから、ミュージシャンなどセレブの選挙キャンペーンについてご報告します。錚々たる有名人たちが、投票を呼びかけたり、支持候補をはっきりと表明しています。日本の芸能人やタレントにも参考にしてもらいたい、たくさんの例をご紹介します。



ブランディーにモニカにメアリーJに、
そしてミッシーにイヴにとものすごい顔ぶれ

   リベラル色の濃いニューヨークには、アンチ・ブッシュ派が圧倒的に多い。アイディアに富んだ、アンチ・ブッシュTシャツやバッジ、ステッカーを身につけている人もよく見かける。それでも日本同様、若い世代には政治への無関心が広がっていると言われている。そんな現状を懸念して、数多くのセレブが投票を呼びかけているのも今回の選挙の特徴だ。

   音楽業界では、あのベイビーフェイスが指揮をとり、60年代の名曲「Wake Up Everybody(みんな目覚めよう)」をカバーした(※1)。ワイクレフ・ジャン、メアリーJ・ブライジ、ミッシー・エリオット、イヴ、ブランディー、モニカ、アシャンティ、ファビュラス、ジェイダキッス(ブッシュ批判のラップで物議を呼んだ)など豪華な顔ぶれが熱唱し、投票するための選挙民登録(※当連載第3回の脚注参照)をしようと呼びかけている。



みんな今回の選挙の意味の重さを感じてる。
だから政治について語ることも「クール」に

   このコラボに参加している若いアーティストの中にさえ、「生まれて初めて投票する」という人がいることからも、今回の選挙の意味の重さが感じとれる。社会の危機を訴えるこの曲は、85年の世界的ヒット「We Are The World」の現代版といった印象も受ける。若者の選挙への積極的な参加を訴え、このコラボのアイディアを生みだしたデフジャム・レコードのラッセル・シモンズも、「もっともアメリカ人らしいこと、それは投票することなんだ」と力説している。

   バッドボーイレコードのP・ディディ(パフ・ダディ)も、「Vote or Die(投票しなきゃ、死んだも同じ)」と呼びかけたそのロゴの入りTシャツを着て思い思いのポーズをとったセレブのポスターが、今、ニューヨークの街中に飾られている(※右欄2つめの写真参照)。若者文化を代表するMTVでも「Chose or Lose(選ばなきゃ負け)」というキャンペーンを打ち出している(※2)。このようなセレブによる呼びかけは、選挙や政治について語ることが「クール」であるというイメージを作り出すのにも一役買っている。



流行中のメッセージTシャツにも
政治アピールが登場

   いま流行のメッセージTシャツにもその傾向は現れていて、アシュレー・シンプソン(※3)「I like to get it on with boys who vote(投票する男の子とイイコトしたいわ)」というTシャツを着てティーンエイジャーの投票を促していた。

   街を歩けば、「the only Bush I trust is my own(アタシが信頼できるブッシュはアタシのブッシュ〔繁み→あそこの毛〕だけ)」、「John Kerry is a Rockstar!(ジョン・ケリーはロックスター!)」パパ・ブッシュと息子Wの写真を並べて「Dumb & Dumber(バカと大バカ)」、「No More BUSHIT!(BushとBullshit〔たわごと〕をかけて)などというTシャツも目に付く。あのマーク・ジェイコブスもヒラリー・クリントンのTシャツをデザイン(※4)していることからも、政治がファッション業界にも影響を与えていることは明らかだ。

   ここはニューヨーク。あの911があった土地をあえて9月の党大会の場として選び、過剰とも思えるテロ対策のお手柄を自画自賛した共和党のプロパガンダに対し、「アンチ・ブッシュ、共和党政策反対、イラクからの米軍撤退」を唱えて50万人が行進した街だ。セレブだけでなく、一般人をここまで奮い立たせ、政治に駆り立てた大統領も、違う意味でまた、珍しいのかもしれない。

   泣いても笑ってもあと少しで大統領選。ニューヨーカーの望みが叶うことを心から祈りたい。

up

>次号
アメリカの独身女性は政治意識が低すぎ?

女性票をひきつける両党の試み


text / Tsukada Keiko
photos / Shino Covant
illustration / Hasegawa Maki
design / Suzuki Yumi (Cafeglobe)

2004米大統領選特集
記事予定とバックナンバー
第1回 [フロリダ前編]
乗ってるクルマで支持政党がバレる!


第2回 [フロリダ後編]
不正は今年もありそう?
選挙システムをめぐる、黒〜い噂


第3回 [シカゴ編]
人々の期待とあきらめ


第4回 Talkabout!スペシャル
冷泉彰彦氏「ケリー圧勝の大胆予測も!? そしてそれは日本にとって望ましい」

●第5回 [NY州NY編]
あのセレブはどっちの味方?
選挙運動するあの人この人


●第6回 [NY州NY編]
どちらが勝つか!?
どうやら女性票が鍵になりそう


●第7回 [冷泉氏による選挙総括!]
ブッシュが勝ったからって、
ペコペコする必要はない!



photo01
ブティックのトルソーが着ていたのがこの「the only bush i trust is my own……

photo02
P・ディディ(パフ・ダディ)が設立したNPO「Citizen Change」によるキャンペーン……




※1
オリジナルの「Wake Up Everybody」は65年のヒット。黒人の地位向上のため、黒人に投票を呼びかける歌詞になっている。
Wake Up Everybody
※ビデオはページ下部のリンクから見られます

※2
MTVが呼びかけているのが「Choose or Loose(選ばなきゃマケ)」キャンペーン。ケリーは2回もMTVのインタビューに応えているのに、ブッシュは「都合がつかない」とずっと断ってきているのだとか。
Choose or Loose(MTV)

※3
ミュージシャン。ジェシカ・シンプソンの妹。
アシュレー公式サイト

※4
マーク・ジェイコブスはヒラリーの熱烈な支持者。気が早いことに、もう「ヒラリーを大統領に!」というTシャツを販売している。ただし政治献金になるので、買えるのはアメリカ市民だけとか。残念?
ヒラリーサイトのTシャツページ




民主党支持のセレブたち
アメリカの俳優やタレント、ミュージシャンたちには支持政党をはっきり表明する人が多い。今回熱心に民主党支持を訴えて注目されているのはブルース・スプリングスティーン。これまで政治的な活動は知られていないだけに、相当危機感を募らせているようだ。
他に今回民主党支持を表明しているのは……
レオナルド・ディカプリオ
マドンナ
ケビン・コスナー
メグ・ライアン
ジェニファー・アニストン
ブラッド・ピット などなど。




関連リンク集
●04米大統領選特集ページ(MSN-Mainichi)
大統領選の一般ニュースはこちらで!


●SLAM BUSH(ブッシュをぶっ潰そう)
ブルックリン出身のワーズワースというアンダーグラウンドのラッパーによるキャンペーン。「Hip Hop can help send George Bush back to Texas where he belongs.」とストレートにアンチ・ブッシュ。

●民主党に募金をしたセレブについて
「マット・デイモンが2万7000ドル、ロバート・デ・ニーロが2万8800ドル、ケビン・ベーコンが1万8000ドル、マイケル・ダグラスが1万5300ドルを寄付」だとか!



Cafeglobe内関連記事

●浜矩子塾長の「超・常識塾」

「アメリカ大統領選挙! ケリーvsブッシュ、どっちを応援すべき?」 2004 Sep. 21


NEW!●世界の街できいてみた
「米大統領選、どう見てる?」



著者PROFILE
塚田桂子(つかだけいこ)

フリーランス・ライター、ヒップホップ・ジャーナリスト。在米9年。ニュージャージーの大学で、音楽、アフリカン・アメリカン学を専攻し、3年前にライターとして活動を始める。現在はブルックリン在住、NYでウェブサイト管理会社に勤める傍ら、ライブ三昧な日々を送る。メルマガ『ヒップホップ・ジェネレーション』を主宰する他、『NYニッチ』『インセレブ.com』などに執筆中。

 

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