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食の安全が問われる中国で、注目される緑色食品 |
ペットフードにせき止め薬、練り歯磨きの原料からも毒性物質が発見され、他にもカドミウムだ、鉛だ、残留農薬だと、食の安全に関する問題がしばしば指摘される中国。しかし沿岸都市部では最近、生活レベルの向上により、今までの倍の値段を出してでも安全な食べ物を買いたいという人が増えている。私が住むマンションの敷地内にある小さなスーパーにも「無公害」の看板がかかる野菜コーナーが出現した。
農薬使用量が規定以内で、遺伝子組み換え技術を一切使わずに生産した農産物を「緑色食品」という。 先進国が農産物に厳しい安全基準を定めているのに対し、中国の規定はこれまで、非常に曖昧であった。そこで農業部(日本の農林水産省にあたる)は1990年、『中国緑色食品発展センター』を設立。汚染されておらず、安全で良質、栄養価の高い食品の品質を監視し、その証であるシンボルマークの取り扱いを管理する「緑色食品認定」を開始した。さらに2001年のWTO加盟に伴って、国際競争力向上と食の安全確保のために、「緑色食品」の他に「有機」、「無公害」などという表示が、安全な農産物のシンボルマークとして、巷にあふれるようになった。
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「緑色」が氾濫するなか、市民の反応は? |
現在ではそれから派生して、緑色のもつイメージと響きのよさに便乗し、何にでも「緑色」という枕詞がつくようになった。環境運動は「緑色活動」、環境問題を追うジャーナリストは「緑色記者」、ほかにも「緑色選択」「緑色旅行」「緑色産業」「緑色人材」……「赤い中国」が今、こうして、急速に緑色に塗り変わろうとしている。
胸を大きく見せる下着や薬などのコマーシャルが増えている中国。豊胸手術に、「緑色手術」のキャッチフレーズまで登場した。 一方、引き続き街の市場で食材を調達する人たちもいる。彼女たちはなぜ市場を選ぶのだろうかと訊いてみた。すると、「緑色食品なんて、信用ならない」という、意外な返事が返ってきた。「緑色食品のラベルを貼れば高く売れるから、ちょっと見栄えのいいものを適当にパックして、並べてるだけでしょ。実際は同じ物よ、あたしはそんなもの信じてない。市場のものだって十分新鮮じゃない」。
中国から輸出される農産物や加工食品が関連市場から締め出されないよう、政府は今後、量から質への転換を図っていくという。 国内の地域、経済格差もあり、社会の信用回復にも時間がかかりそうな中国。「緑色」の正しい理念を全土に普及させるまで、また国際社会での信頼回復まで歩むべき道のりは、まだ長そうだ。