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消えゆくアンデスの遺産、パストゥルリ氷河 |
南米大陸の西側を南北に貫くアンデス山脈。この標高5000〜6000m級の高峰では、何万年も前から鎮座する氷河がその美しい姿を見せている。なかでもペルー最高峰ワスカラン山(6768m)に抱かれる世界自然遺産「ワスカラン国立公園」には、雄大な「パストゥルリ氷河」が間近で見られるとあって、世界各国のトレッカーのみならず、国内からも大勢の観光客が訪れる。しかし、彼らを魅了してやまないこの景観が、今まさに消えようとしている。パストゥルリ氷河が、温暖化の影響で急速に溶け始めているのだ。
昨年6月に著者が訪れたとき、まず想像していたのは、真っ白な万年雪と巨大な氷の固まりがどこまでも広がる光景。しかし実際に見たものは、「薄汚れた氷がぽんと地面にのっているだけ」という、不安定で、今にも脆く崩れてしまいそうな氷河の姿。さらに、氷河の上り口付近にあった洞穴には、溶けた水で小さな池ができていた。
ポタポタと音を立てて溶けだす氷の洞穴。
真っ白な雪の間から、茶色い地表が見えていた。
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1年で21m、10年で40%が消滅 |
さらに、先日ペルー国内で「地球温暖化がパストゥルリを2つに分断」というニュースが流れた。ついに「パストゥルリ氷河」が、溶け進んだ結果1つの氷の固まりではなくなってしまったのだ。年間平均で約21m、1995年から10年でなんと氷河面積の40%が失われたのだという。私が訪れてからまだ数カ月間だが、一体何トンの氷が溶けてしまったのだろう……。
2007年6月に見た「パストゥルリ」。かろうじてまだひと固まりといえようか。温暖化から地球を救うタイムリミットはあと10年、ともよく言われるが、実際にこれだけ溶けつつある氷河を目の当たりにすると、その深刻さを実感せずにはいられない。すでに世界各国が温暖化対策に取り組んでいるが、私たち1人ひとりもその必要性を再認識し、さらなる努力が必要だと感じた。私たちの子孫が「氷河なんて写真でしか見たことがない」と語るような未来を迎えないためにも……。
●パストゥルリに関するニュース(スペイン語)