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更新日:2008年2月25日
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イタリア人と色の不思議な関係?
人気企業における色トレンドとは
2008年2月25日
シエナ(イタリア)
大矢 麻里/コラムニスト
イタリア人は意外と“渋好み”

 明るく陽気な人が多いせいか、イタリア人はポップな色柄を好む、と思われがちだ。確かにファッション関連の業界人など、ごく一部には、色鮮やかなコーディネートを楽しむカラフル達人もいるが、ごくごく一般の人々に目を向けると、保守的なファションを好む傾向が強いと言える。『MaxMara(マックスマーラ)』シエナ店のオーナーも「先に売れるのはダークカラー。例えその年のトレンドが明るい色であっても、敬遠されがちだね」と話していた。

 こうした傾向は、耐久消費財選びにも見受けられる。ある自動車メーカーの2006年調査によれば、イタリア人小型車ユーザーの6割近くはシルバーを好み、中型車になるとそれは7割にも達するという。


この自動車メーカーの調査結果では「イタリア人にとってエレガントな色とは、派手な色ではなく、シックでシンプルなカラー」と分析されている。街角で何気なく周りを見渡すと、近くにある車全てが銀色ということもよくある。ちなみにその例がこの写真。ご覧の通り、シルバーのクルマばかり。


色遊びを提案するブランドが続々と登場!

 しかし最近、モード界を中心にカラフルなファッションへの注目が高まっていることを受けてか、“渋色好み”なイタリア人に向け、色の楽しさを提案するブランドが増え始めている。

 イタリアの自動車メーカー『FIAT(フィアット)』もそのひとつ。昨年7月に発売した新型車『FIAT 500(フィアット・チンクエチェント)』では、カラーバリエーションの豊かさを前面に打ち出している。

 ちなみに、新型車のモチーフとなったのは、1957年に発売された元祖『FIAT 500』。50年代後半と言えば、高度経済成長期真っ只中。戦後、イタリアが最も輝いていた頃でもある。社会的に明るいムードが漂っていたためか、人々のクルマの色選びがもっと自由で、遊び心が溢れていた。今回発売された新型は、ダークカラー全盛&不景気感が漂う現在への、ちょっとしたアンチテーゼが隠されているのかもしれない。


『新型FIAT 500(フィアット・チンクエチェント)』の全カラーバリエーション。日本では今年3月発売予定だ。photos / Fiat Group Automobiles

 また昨年4月、ミラノで開催された世界最大級の国際家具見本市『ミラノ・サローネ』では、イタリアのインダストリアルデザイン界の巨匠ガエターノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)が、組み立て式ソファ『ラ・ミケッタ(La Michetta)』を発表。そのユニークな形態はもちろん、カラフルな色使いが観客の注目を集めた。

 インテリア業界における色トレンドについて、筆者と知り合いのイタリア人デザインジャーナリストはこんな風に話していた。「最近は、築年数100年など古い家屋であっても、カラフルな家具を合わせるのが人気」。古い建物が多いイタリアでは、建物自体の雰囲気を壊さないようにと、ヴィンテージなどの古い家具を置くのがお決まりだった。しかし、カラフルな家具を置くことによって逆に、古き佳き建物の個性が際立つとして、目にも鮮やかな色使いの家具が人気を集めているそうだ。


ガエターノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)による、組み立て式ソファ『ラ・ミケッタ(La Michetta)』。ちなみにミケッタとは、花のかたちをしたミラノ風のパンのこと。家具ブランド『メリタリア(Meritalia)』向けにデザインされたもの。photo / DECODE ELEMENTS- INTERNI


コンサバ一辺倒から、脱却?

 身近なアイテムにもカラフル人気の波は押し寄せている。特に注目されているのが『マイウォリット・ドットコム(MYWALIT.COM)』という革小物ブランド。虹を思わせるかのような色使いが印象的だ。


『マイウォリット・ドットコム(MYWALIT.COM)』は、2005年創業という若いブランド。ピサ県・ルッカの本社を拠点に、国内はもちろんアメリカ、オーストリアにも展開している。イタリア土産としても人気が高い。photo / MYWALIT.COM


人気の旅行用小物入れ。機能性に優れていてもデザインがイマイチというものも多いが、『マイウォリット・ドットコム(MYWALIT.COM)』のポーチは、持っているだけでワクワクするような色使いが特長。旅がより楽しくなりそうだ。79〜99ユーロ(約12,400〜15,600円)※1月30日のレート 1ユーロ=158円で換算。photo / MYWALIT.COM

 好景気だった頃のカラーバリエーションを取り入れ注目度を高める自動車メーカー、古の建築に新しい息吹を吹き込む色鮮やかな現代家具の数々、そしてカラー小物ブランドの人気。コンサバ一辺倒から、豊かな色使いに傾倒する動きが今、イタリアで起こりつつあるのかもしれない。


筆者が住む街の『マイウォリット』ショップでのこと。店内に、黒のカシミアコートに身を包んだ女性客がいた。「以前自分で買って気に入ったので、今日は友だちのプレゼント用に同じ品を買いに来たの」と言いながら、黒のケリーバッグから彼女が取り出したのは、目の覚めるようなオレンジ&グリーンの『マイウォリット』の財布。黒とカラフルの対比が、なんとも新鮮だった。30〜79ユーロ(約4,700〜12,400円) photo / MYWALIT.COM


<関連リンク>
『MYWALIT.COM』 のサイト(英語)
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