 |
|
効果は容器10万個分! |
イタリアの年間ゴミ総排出量は、ここ数年、約3000万トン超で推移している。日本の約5200万トン(環境省発表 2005年度実績)から比べると少ないが、日本の半分にも満たない人口であることを考えると、決して楽観できない数字であることは確かだ。
そうした中、イタリア各地で新たな取り組みが始まっている。それは「量り売り」。いち早く取り入れたのは、イタリア北部ピエモンテ州。同州は生協や大手スーパーの協力を得て、『洗剤の量り売り機』の設置を2007年から推進してきた。「注ぎ口から洗剤!」のキャッチフレーズのもと、州内の設置店舗数は2008年4月末までに20店舗に達する見込みだという。
量り売り機の使い方はいたって簡単。初回のみ専用容器を購入し、洗濯、食器、掃除用などの中から欲しい洗剤を選び、注ぎ口の下に容器を置いてボタンを押すだけ。満タンになると自動でプリントアウトされる値札ラベルを容器に貼りつけ、レジで精算する。
運用開始から14ヶ月間で、販売された洗剤の量は、約17万2000リットル。容器が繰り返し利用されたことにより、プラスチック約6トン、紙資源約3トンの削減に繋がったという。エネルギーに換算すると、CO2なら17トン、電力消費量なら約263MWh(メガワット)、水約2560万リットルの節約に相当するとか。20店足らずの店舗数でこれだけの効果を証明できたことは、今後の設置店舗拡大への大きな後押しになることだろう。
ピエモンテ州の生協や大手スーパーに設置されている『洗剤の量り売り機』。photo / REGIONE PIEMONTE Direzione Ambiente
 |
|
「古き佳き習慣」への回帰 |
こうした量り売りブームは、食品の分野にも広がっている。イタリアの大手スーパー『クライ(CRAI)』は、量り売りコーナー「エコポイント(ECO POINT)」を試験的に12店舗に設置。対象商品は、パスタ、米、シリアル、ドライフルーツなどである。
同社によると、量り売りを導入したことにより年間75万箱分の包装を削減でき、価格も従来のパッケージ入り商品より10〜40%安く提供できるという。
慣れた手つきで、朝食用のシリアルを購入していたおじいさんに話を聞いた。「既製の箱入りだと、独りで食べきるのが大変だけど、ここでは好きな量だけ買えるのがいい。昔は、米でも牛乳でも家から容器を持って買いに行ったものさ。その時代を知らない世代は億劫に思うかもしれないが、私にしてみれば、必要な時に必要なだけ買っていた頃に戻っただけだよ」。
エコバッグ持参も慣れてしまえば苦でなくなるように、買い物のスタイルは習慣によるものが大きい。「昔に戻る」というおじいさんの言葉には、身近にできる環境保護の大きな鍵が隠されている気がした。
筆者の暮らすシエナの家庭用品店 『サテル(SATEL)』では、洗濯、食器、掃除用洗剤など7種類を販売。価格は1キロあたり0.7〜3ユーロ(約110〜489円)。容器は持参するか、0.60ユーロ(約96円)で購入する。
※1ユーロ=161円で換算
大手スーパー『CRAI(クライ)』の量り売りコーナー『エコポイント(ECO POINT)』。バルドネッキア店では、米、シリアルなど20数種類の食品が並ぶ。
専用袋を供給口に置いてレバーを引けば、必要な分だけ買い求められる仕組みだ。専用袋は木材パルプを原料とし、土に埋めると分解されるエコ素材。おじいさんの購入したシリアルは、150gで0.7ユーロ(約110円)。
※1ユーロ=161円で換算