 |
|
フワフワ&トウモロコシの香り |
イタリアでも他の国と同様、オーガニック製品やエコロジーへの関心が年々高まっている。特に小さい子どもを持つ親たちは、食べ物から生活雑貨に至るまで、
安全な商品を選ぶことにかなり敏感になっているようだ。
そうした安全意識が高い親たちの間で、口コミで人気が広がっている玩具がある。イタリア北部・コモ県にある玩具会社『ECOTOYS(エコトーイズ)』から発売されている『Happy Mais(ハッピー・マイス)』だ。「Mais」とは、イタリア語でトウモロコシのこと。一見発泡スチロールのように見える色とりどりの粒を、粘土のようにして遊ぶというオモチャなのだが、これらの粒はトウモロコシのデンプンで作られている。
触った感じは発砲スチロールのようにフワフワ。そしてほんの少しだが、確かにトウモロコシのスナック菓子のような香りがする。食品用の天然着色料を使用しているので、多少色落ちしたりなめたりしても健康上は問題無いそうだが、誤飲の恐れがある0〜3歳児は対象年齢には含まれていない。
イタリア国内では一部の玩具店や健康食品店で購入できる。フランスやイギリス、台湾など世界10ヶ国で販売中。同社のWebサイト上ではオンラインでも購入できる。大型パッケージ版には、粒の他に専用ナイフと、土台となるスポンジも同梱されている。価格はパッケージの種類により 6.50〜27.50ユーロ(約1,000〜4,400円)。※1ユーロ=162円で換算
 |
|
糊がなくても、くっつきます |
筆者も童心に帰って、『ハッピー・マイス』で遊んでみることにした。はじめに、土台となるスポンジを、軽く水で濡らしておく。そこに一粒を押し付けて湿らせてから、すかさず他の一粒に押し付けると……あら不思議! 粒同士を簡単にくっつけることができる。かなりの接着力があり、多少の力で引っ張っても離れない。これは、デンプンが持つ「糊化作用」によるものだそうだ。
プラスチックナイフで細かく切ったりしながら、同様にスポンジ同士を繋いでいけば、花や動物、怪獣やお城など、自由に作品を作ることができる。「水だけでくっつく」という手軽さもあり、時間を忘れて楽しむことができる。
トウモロコシのデンプンが持つ「糊化作用」により、水で湿らせただけで、粒同士はあっと言う間に接着されてしまう。粒同士だけではなく、紙やダンボール、空瓶などにも接着できるので、遊び方のバリエーションも広がる。
 |
|
動物学者のアイディアから誕生 |
『ハッピー・マイス』は、ひとつの作品を完成した後でも、接着部分を切り落とせば再利用できる。それでも何度も遊んで傷んでしまったら、土の中に埋めれば分解されてしまうそうだ。
考案者のひとりで、同社の共同経営者であるグイード・ジェルレッティ氏に開発に至った経緯を伺った。「以前私は、動物学者として、アフリカの動物を研究していました。生き物や自然界を知れば知るほど、それを保護してゆく難しさも、必要性も痛感したのです」。そんな動物学者としての経験と熱意をもって、現在経営パートナーを務めるロベルト・フザーロ氏と『ハッピー・マイス』を開発し、発売するに至ったそうだ。
さらに売上金の一部は、森林保護への寄付に充てられる仕組みだ。2006年には、優れたエコ製品を開発した企業に贈られる「最優秀環境保護製品賞」を受賞している。
子どもは、遊び方が決まった玩具に対する興味はあまり持続しない。一方、こうしたシンプルで単純なオモチャほど夢中になり、繰り返し遊ぶもの。彼らの創造性を育て、かつ幼い頃から環境に関心を持つきっかけにもなる玩具の誕生は、心から歓迎したい。
『Happy Mais(ハッピー・マイス)』の作品例。photo / ECOTOYS
楽しく遊びながら、環境問題への関心も深められる教材として、幼稚園や小学校の教材としても使われている。photo / ECOTOYS<関連リンク>
●
『エコトーイズ』社のWebサイト(イタリア語)●
『ハッピー・マイス』のWebサイト(イタリア語)