駅からちひろ美術館めざして歩いていると、小さな赤ちゃんをだっこした若いお母さんや、こどもと歩いているお父さんとすれ違う。ははん……ちひろ美術館帰りだな、と分かるのは、なんだかみんながおだやかな表情をしているから。飾ってある作品はもちろんのこと、建物も素敵だ。個人のお家のような暖かみがあって、木がたくさん使われているのもほっとする。その館の玄関傍に大きなトラックが横付けされ、緑のお庭を横切りながら、多目的展示ホールに荷物が運び込まれる。木箱にロバの絵が描いてあるぞ! あれは足踏みオルガン……。そんなふうにさまざまな楽器が気持ちよい空間に持ち込まれて、ワークショップは始まりました。
ワークショップの開始を告げたのは、館のスタッフ数人が鳴らす真鍮の小さな鈴。ホール中にチリーン、チリリーンとゆっくりやわらかくひろがる音に、おしゃべりしていたこどもたちも急に静かに。そこへロバの音楽座のメンバーが楽器を演奏しながら入ってきます。まずは、みんなで音さがし。目を閉じて深呼吸しましょう。ふかーく息を吸って、吐いたら、からだの中の音に耳をすましましょう。鼻の音、口、心臓、おなか……きこえたかな? 足の裏からも地面の音をききましょう。
最後は、外の風の音!? と思ったら……これは、メンバーの口笛。まるで本当の風みたいに上手。今度は丸くてスベスベな河原の石のカスタネット。この石の合奏のうえに歌声、足踏みオルガンの音、古楽器リュートの音が重なっていって、「ガランピーポロン」の曲に。石ころも立派な楽器なんだね。古楽器ハーディ・ガーディの不思議な音を伴奏にみんなで歌ったら、さっきから気になっていた、4つのオブジェがいよいよ登場です。
牛乳パックで作るブーパクくんはとってもユニークな楽器。おしゃべりするように演奏できちゃいます。おしりの所には笛がついていて、口がパクパク動き、歯もカチカチ鳴ります。今日は自分で好きな模様や飾りをつけて、表情豊かな自分だけのブーパクくんを作ります。小さな子は大人がサポートします。まずは笛作り。穴を空けてあるポリプロピレンシートをくるりと巻いて両面テープで留め、穴の所に薄いポリエチレンシートをかぶせます。これで笛のできあがりです。
さっそく神妙な顔で、音出しにチャレンジ。うまくいくとニッコリ。音を出すのって楽しい! これを牛乳パックのおしりの所に仕込んだら、次はブーパクくんの口や顔作り。口がパクパク動くようにひももつけます。結構込み入った作業にもうこどもも大人も一生懸命です。出来上がったら、ブーパクくんで演奏会。帰るときもみんなブーパクくんを口にくわえたまま、さようなら、なのでした。分かるよ! その気持ち。
これはその名も良い響きの古楽器「ハーディ・ガーディ」。音はちょっとバグパイプに似ているよ。今から1000年も前に生まれた楽器なんだ。当時は村々や町を渡り歩く大道芸人がよく使っていたらしい。ロバの音楽座のワークショップには、こんな珍しい古楽器がたくさん集合する。楽器って不思議だね。だけど、それを作った人間はもっと不思議だね。
14:00
ワークショップ開始
14:05
古楽器の演奏をきく
14:10
自分の体の音に耳をすます
14:20
石や角を使った演奏をきく
14:25
ブーパクくんの演奏
14:30
ブーパクくん作り開始
15:35
作ったブーパクくんで演奏
15:40
ワークショップ終了
牛乳パック、ボタン、針金、段ボール、王冠、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンシート、はさみ、ホッチキス、グルーガン、穴あけポンチ、カナヅチ など
※ロバの音楽座のワークショップ予定などについては、HPをご覧ください
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⇒ロバの音楽座HP
取材・写真/大月ヒロ子 ミュージアム・エデュケーション・プランナー(有限会社イデア代表) 日本のワークショップ創世期 である1980年頃から、その 動きを見つめ続けている。ア ート、デザイン、絵本、オモチ ャが活動のフィールド。

この秋、私たちが取り入れたいのは、"親近感はあるのにキレ者"に見える好感度メイク。1つのアイカラーパレットを使い倒して、何通りもの旬顔を作るテク、高橋里帆さんが伝授