vol.4 ワークショップ未来図
日比野さんのワークショップは、企画をまたいで参加するリピーターが多いのも特徴のひとつ。'06年に地元・岐阜で行った、巨大な行灯を作り屋形船に乗せて長良川に流す『こよみのよぶね』プロジェクトにも、以前ワークショップを行った水戸や福岡、新潟からさまざまな人が手伝いに訪れた。
ワークショップは祭りのシステムを内包

「人を介して、地域と地域がつながっている。まさにインターローカル。面白かったのは、外から人がくると、迎える岐阜の人間が自分の土地や生活を見直し始めること。観光地を案内し終わって、次はどこに連れていく? となると、自分の好きな場所や思い出の場所にいくわけです。するとそこには、自分でも改めて気づく岐阜での生活がある。それは、ワークショップの副産物として生まれた新たな発見でした」
自分の故郷を見直すことは、土地への誇りを再確認すること。
「故郷を誇り、外から来た人にその魅力を自慢してもてなす。それは、とても大事なことだと思います。今、全国的な流れがそうあるように、岐阜の20代の人たちも、古い町並みを再生して岐阜を再発見しようとしている。その地域でなきゃできないことがあるという確たる自信が、彼らの中にあるんです」
そんな盛り上がりを、日比野さんはワークショップを通じて後押し。『こよみのよぶね』は、毎年秋に開催することが決定している。
「地域性を生かしたワークショップは、地域の文化を長老から若者に伝承する祭りのシステムと同じ。将来的には、日本中に存在する地域発のワークショップが定着して、その町の年中行事になるといいですね」
連動するワークショップ
人が動くと物事は活性化する。その発見から、日比野さんは現在、壮大なワークショップ計画を構想中だ。
「大宰府でつくった36艘のFUNEは、その後『ART VOYAGE』という企画に発展して、新潟と横浜を回りました。この先は、本物の船をつくりたいんです。その船に横浜の人間を乗せて、船上でワークショップをしながら函館に行き、港に着いたらみんなで一緒にものをつくる。そうやって全国を回りたい。ちょうど、今年徳島で開催される国民文化祭から、山の中での作品提供を依頼されまして。杉の間伐材が山ほどあるというので、それで船をつくろうかと。山の中に造船所って、ちょっと面白いでしょ?」
ひとつのものづくりがさらなるイメージを生み、思いもよらない進化を続けている。

みんなでディスカッション! テーマは「水」
「ワークショップは、完結型じゃなく連動していくもの。最終的には、人が動く起爆剤になるのがワークショップの大切な目標だと思います」




