vol.4 ワークショップ人材育成の新しい展望
その基本となるものを作る構想が始まっています。

ちゃぷら−今後の人材育成というテーマにおいて、先生の考えをお聞かせいただけますか?
苅宿- “協働性の高い学習環境”の必要性の本質を理解して、普及する人たちに多く育ってほしいですね。そのためには、コアになる人たちのネットワーク化と育成が必要です。情報不足は独善性や排他性を生みますから、ネットワークを通じて他者がどのような活動をしているかを知ることは大切です。例えば『ちゃぷら』は、そうしたネットワークの一つですね。
また、育成にはできるだけ公的な立場の団体が「認定キッズワークショップデザイナー」といった資格のようなものを出すことが必要だと思います。現在は、ワークショップデザイナーとしての品質保証がないので「アルバイト」という立場で雇うしかないなど、雇用形態が弱いですよね。なので、認定資格を作って人材をキープし、社会的に活躍できる体制を取るんです。
具体的にはどのような資格ですか?
苅宿- どの企業や団体に行っても通用するワークショップデザイナーの基本的素養をつけてもらいます。テクニックをマスターするだけでなく、理念を理解してもらうための研修です。また、みんな“習う”ことに受身な文化に育っているので、自分の中をひっかきまわして掘り起こすことに慣れていない。実践の経験が少ないんですね。それをカバーできる内容にしたいです。
色々な団体組織がその育成に関わるということでしょうか?
苅宿- そうですね。主体となる団体は、NPO・企業・行政・大学の産学官民が入った幅広い組織をつくりたくて、最終的にはワークショップの人材供給のようなこともしたいですね。200名くらいいたら、必要なところにアサインするということもできると思います。主体となる団体は、行政・NPO・大学・企業の産学官が入った組織をつくりたいです。
実現すれば大きな新しいステップになりそうですね。
苅宿- はい。こどもの意欲を高めるためのワークショップデザイナーの社会的な位置づけを作れたらと思っています。



1955年東京生まれ。大東文化大学文学部教育学科准教授・NPO学習環境デザイン工房代表。18年間の小学校教諭を経て、現職。持続可能な社会の担い手を育てていくために、協同的な学習環境の研究や授業開発をさまざまな学校と取り組んでいる。また、NPOでは、ワークショップを企画運営するための人材を育成している。創発的なワークショップを美術館などで展開すると共に、コミュニケーションツールの研究開発をしており、昨年度は、グッドデザイン賞コミュニケーション部門を受賞している。

