Vol.6 料理に通じるワークショップづくり
ワークショップと料理
ワークショップは料理に似ていると思いませんか?
タイムスケジュールはいわばレシピ。料理の段取りを考えて食材・道具を揃え、下ごしらえする作業は、ワークショップの準備段階と近いです。食べる人の顔を思い浮かべて、食材の中から最もふさわしいものを選ぶ。どんな料理にするか、あれこれイメージするのも楽しいですね。これなどはワークショップの企画作りの楽しみそのものです。
思いつくままに作る料理も良いですが、味が散漫になったりぶつかり合ってしまうこともあります。ですから、ぐっとテーマを絞り込んだり、一つの素材に徹底的にこだわると、思いがけなく奥行きを持った料理になります。盛りだくさんのメニューをどう削ぎ落としていくか、何を残して、どこに焦点を当てるか。豪快な野外料理も魅力がありますし、丁寧に作ったミニマムな料理もすがすがしいものです。そんなふうにメニューを考えることも、ワークショップの企画をする上でのコツに通じるものがあります。
たくさん集まった「?」と「!」から生まれてくる企画を実施に向けてブラッシュアップする作業は、この削ぎ落とし、引き算が重要です。ワークショップ当日は、想像以上に時間が足りなくなるもの。楽しいアイデアはもったいなくてついつい残しがちですが、ちょっともの足りないかナーと思うくらいで丁度いいようです。過程をたっぷりと味わうことこそ大切なのですから。「片付けの雰囲気」を感じながら食事をするほど味気ないものはないですものね。
アイデアを広げて、ステキなワークショップを

オランダ熱帯博物館こども館のキッチン
(c)hiroko ohtsuki(IDEA,INC.)
今回の連載コラムでは、「ちゃぷら」のコミュニティを通じて皆さんとワークショップの種を集め、それをどう料理するかのアイデアを出し合うという試みをしました。
ワークショップのアイデアは一人で、あるいは仕事仲間と考えることが多いですが、こうやって人の考えを聞く機会があると、「うわー、それっておもしろい!」とワクワクしてきますよね。個性がにじみ出るのもいいところ。他の人のアイデアに触発されて自分の中のイメージも予想外の方向へどんどん広がっていきます。将来、本当に思いがけない時にひょっこりと、今回のやりとりを思いだすこともあるかもしれません。
どうぞ、ステキなワークショップを作っていってください。
⇒ワークショップの「?」と「!」
大月さんのコラムは今回が最終回です。
ご愛読ありがとうございました。


板橋区立美術館教育普及担当学芸員を経て'89年IDEA,INC.設立。各種博物館の開設準備、教育プログラム開発などに携わる。'99〜'01年には大阪府立大型児童館ビッグバンの総合プロデューサーとしてスタッフ育成や、3tトラックを使った移動ミュージアム、展示・ワークショップ・イベント・キット等の企画・開発・制作を担当。近年は九州国立博物館の教育ゾーン「あじっぱ」のプロデュース、ミュージアム及びキッズスペースの空間デザインの他、南アジア地域における企業のCSRとしてのワークショップ開発も手がけている。


