Vol.5 水のワークショップいろいろ
みなさんのアイデアを読んで……
前回の問いかけに、たくさんのアイデアが寄せられました。ワークショップにかかわるお仕事をされている方々らしく、イマジネーション豊かで広がりのあるものが多いですね。
にこさんの「水の中に住めるとしたら、どんな世界になるか。皆で家を作って、町を作る」は、CAMP※の『すいそく・かいぞく・図鑑ワークショップ』の発展型ともいえそうです。町の全体像ができあがったら、住民になったつもりで水中暮らしの物語を作り、劇に仕立てたらどうでしょう。ゆらゆら揺れる青い水のような光に包まれた舞台では、どんなにおもしろい暮らしのエピソードがつむぎ出されるでしょう……。見てみたい!
※CAMP(Children's Art Museum & Park)とは、CSKグループが進める未来のこどもたちのための活動。小中学生を対象としたワークショップを定期的に開催しています。
りょうこさんの「『ピタゴラスイッチ』の水バージョン。水は低いほうへ流れる当たり前をひっくりかえしてみたい」には、水車やポンプ、シーソーなどを使った不思議なオブジェが出現しそう。
水の力学に詳しいスタッフが加わると、グンと参加者のやる気が出ると思います。イメージを現実につなげる段階で、知識が少ないとくじけてしまいますが、そんなときにこそ専門家のサポートがキーになります。また、逆さまの発想は他のワークショップづくりにも応用できますね。

オランダ野外博物館 水運び
(c)hiroko ohtsuki(IDEA,INC.)
これに近いところでは、もりひできさんの「水のパターンをプログラムしたオリジナル噴水づくり。出水パターンとライティングを自分でつくれたら楽しい」。
ノズルや出水位置のデザインに特化してもおもしろそうです。パイプや水を入れるタンクなど材料の工夫も楽しそう。そういえばポンピドゥーセンターのワークショップでも、ペコペコ頭の石油ポンプやプラスチックスプーンが大活躍でした。前述のお二人のオブジェを舞台装置にすれば、“水”が主人公の大スペクタクル出現ですね。
なつこさんの「噴水遊びや水のプリズムで虹を作る。虹にまつわるお話」を聞いた後、プリズムで分解した虹色に布や紙を染めて、それをどんどん広げていくなんてどうでしょう。自分の担当色のTシャツやスニーカーを履いた参加者が、虹のように集合している様子を俯瞰で見てみたいです。
7851さんの「南の島で、“水”をテーマに探索。海、樹海の水蒸気、海に注ぐ小川、水に棲む生き物等々、半日の収穫を持って午後はチーム制作。明るい間に発表、夕焼けを見ながら振り返り、夜はキャンプファイヤー!」は、高揚感と開放感が想像できてワクワクしますね。1日だけだと、もったいないかナー。2週間くらいかけてみたいですね。
どろだんごさんの「一粒の水の物語を辿る。川の源流の森から河口まで、グループに分かれて探検。水が作る音、水が作る風景、水が支える暮らしなどを探す。発見したものを録音、撮影、スケッチ、詩や歌で表現。それらをつないで水の物語を描き出す」
はとても具体的。
大勢でもいいですが、少人数でじっくり長期的に取り組むとより深いものになりそうです。ワークショップが終わる頃には、参加者の意識は大きく変わっているでしょうね。ワークショップの醍醐味を感じられそうです。小学校などで1年間まるまるの授業として行っても良さそうですね。水を中心にすべての教科がつながっている。そんな学校ならもう一度小学生になりたいです。
“水”のワークショップのアイデアをお寄せいただいた皆様、ありがとうございました。いつの日か、それぞれの方がこれらを実現化してくださるとうれしいですし、その時にはぜひ参加してみたいと思います。

板橋区立美術館教育普及担当学芸員を経て'89年IDEA,INC.設立。各種博物館の開設準備、教育プログラム開発などに携わる。'99〜'01年には大阪府立大型児童館ビッグバンの総合プロデューサーとしてスタッフ育成や、3tトラックを使った移動ミュージアム、展示・ワークショップ・イベント・キット等の企画・開発・制作を担当。近年は九州国立博物館の教育ゾーン「あじっぱ」のプロデュース、ミュージアム及びキッズスペースの空間デザインの他、南アジア地域における企業のCSRとしてのワークショップ開発も手がけている。


