厳しい入院生活・治療ではあるが、この病院に長期入院する子の親たちはみな明るく優しい。辛い治療の真っただ中にいる子がいればよその子でも気遣い、食事の時間に親が来ていなければ別のママが声をかけて食事をともにする。また、母親だけで看病する家庭は少なく、日中は母が付き添い、夜になると会社帰りの父親とバトンタッチ。父親が寝かしつけをして21時ごろに帰っていく…といった光景も見られた。どの父親も子どもの食事の世話はもちろん、オムツ替えや寝かしつけもできる。イクメンというよりは、そうしなければ日々が成り立たず、当たり前のこととして育児ができるパパになったのではないかと思う。
息子の入院は、ちょうどGWに重なっていたのだが、連休中はどの家庭もいつもより長い時間を子どもと過ごせていたようだ。とはいえ、他に兄弟がいる家庭では、ロビーに兄弟を長時間待たせることなども必要(感染を予防するため、子どもは病棟に入室できない)で、親のみならず兄弟姉妹や祖父母も含めて家族全員がチームとなって闘っているようにも見えた。
小児白血病の治癒率80%は、客観的に見ると高い気もするが、いざ自分の子どもが助かる可能性が80%と言われたらどう感じるだろう…。親は嘆き悲しみ、時には怒りの感情が芽生えたり、自暴自棄になることもあるのではないだろうか。しかし、ここで出会った父や母は、そうした気持ちを乗り越えたのか抱えたままかはわからないが、少なくとも病気と闘うと腹を決め、強く優しく子どもと接しているように見える。事実を受け入れなければ闘う準備ができないということか。また、毎日親が子どもと向き合って同じゴールに向かって力を合わせている様子を見ていると、日々仕事や家事に追われてきた自分と息子の関係性と比べても、より親子らしい(家族らしい)と感じることさえあった。当たり前のように健康があった時、私は息子とここまで向き合って過ごしてきただろうか…と思わずにはいられない。
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