2011年3月11日の東日本大震災。世界一周の旅に出ていた本間さんは夫とチリにいた。「日本で起きていることをどう捉えればいいのかわかりませんでしたが、前年に大地震と津波を経験したチリの人たちの日本を心配するたくさんの声を聞いて、応援ビデオを作成しました。後から、もっと実質的なことをするべきだったかも、と思いましたが……。旅をしている場合じゃないと帰国する人もいたけれど、今自分にできることは毎日を精いっぱい生きること、未来の日本につながる力をつけるための勉強をすることだと思ったので、旅を続けました」  本間さん夫婦が世界一周の旅に出たのは、2009年12月。いつか世界一周をしたい! という夢を抱いていたわけではなく、酔った勢いで出た妄想話が世界一周旅行の入り口だったとか。  「私も彼も仕事が楽しい時期で、順調にキャリアを重ねて幸せな日々を送っている十数年後の自分たちをイメージできていました。でも、東京で生まれ育ち、東京でしか通じない価値観にすごく縛られているんだろうな、という思いもあって。順風満帆だけど、人間としてグンと大きく成長できるイメージをもてない。もっと面白い人生にするためには、東京を離れて凝り固まった価値観を一度完全に壊さないとダメだ、と。仕事に未練がありましたが、“今行かないと次はない!”と、どこかで確信していたので決断できました」
text / Junko Yamazaki photos / Noriko Fukase