シャーリー・ザスマンさんはニューヨークで活躍する100歳の現役セックスセラピスト。50年以上に渡り、セックスで悩む人びとにカウンセリングを行ってきました。そんな彼女から見た現代のセックスは、ライフスタイルやテクノロジーの変化にずいぶんと影響を受けているようです。

彼女が指摘する現代のセックスの問題点とはどのようなものか、海外サイト「TIME」より紹介します。

セックスの優先順位が下がる

昔とくらべてビジネスにスピードがより求められるようになり、現代の生活は忙しいものになりました。夜遅くまで残業をこなし、家でもメール返信にあけくれるような生活では、セックスの優先順位は当然低くなります

どれだけ多くのエネルギーや情熱、時間をパートナーに費やすかが、限られてきています。

TIME」より意訳引用

と、「セックスへの情熱の欠如」を彼女は指摘します。

シャーリーさんがセックスセラピストを始めた当時、女性から多く受けた相談は「どうやってオーガズムを得られるのか」というものだったそうです。そして、オーガズムに達するために、女性たちに時間をかけて自分の心と身体を知っていくことの大切さを指導していました。

それに対して現代では、「パートナーとセックスをしたくても、忙しい1日が終わって家に着くころには、その意欲が残っていない」と話す女性が多いようです。

「触れ合い」が減った

セックスに対する関心が低くなったのは、忙しいライフスタイルのせいだけではありません。携帯電話やインターネットでのコミュニケーションが主流になったいま、実際の人間同士のつながりが少なくなったと彼女は感じています。

触れ合いが少なくなり、話す機会が少なくなり、抱き合うことが少なくなり、見つめ合うことが少なくなりました。人間は互いに見つめ合うことで喜びを感じるものです。笑顔から、そして、触れ合うことからも。必要とされ、愛されていると感じるためには、触れ合うことが必要なのです。

TIME」より意訳引用

セックスが日常のパートナーとの触れ合いの延長にあるもので、コミュニケーションのひとつであるということを、私たちは見落としがち。セックスに対する情熱が減っていくということは、パートナーと過ごす時間、そして、何よりも「自分は大切にされている」と感じる喜びから、自分自身を遠ざけてしまっているのではないでしょうか。

「誰かを知る喜び」を大切に

シャーリーさんは、「昔はセックスの情報なんて限られていて、それについて話す機会も少なかった」と言っています。現代はテレビや雑誌はセックスの話題にあふれ、インターネットでは容易にポルノが楽しめます。

セックスに対してオープンになったぶん、セックスの質が向上したのかは疑問です。「セックスは男女のひとつの喜びに過ぎない」とシャーリーさんは言います。肉体的なつながりよりも、誰かを知る喜びや、誰かに必要とされる喜びが、男女関係には大切だと。

そんな心のつながりの大切さを忘れていないかと、100歳のセックスセラピストは私たちに優しく語りかけています。

TIME

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