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極端なヘルシー志向で摂食障害に。新たな現代病オルトレキシア

極端なヘルシー志向で摂食障害に。新たな現代病オルトレキシア

ジュース・クレンズやクリーン・イーティングなど、健康的な食生活が流行し、毎日の食べ物にこだわる人が増えています。

素材を生かした食事で身体の中からきれいになるという、いいことづくめに思える食事法。

ところが健康ブームが広がるに従い、オーガニックや健康的な食品に強くこだわるあまり、それ以外のものを一切受け付けなくなるという新しいタイプの摂食障害「オルトレキシア」が報告され、注目を集めています。

「純粋さ」への強迫観念

「オルトレキシア」とは聞きなれない言葉ですが、1990年代後半にアメリカの医師スティーブン・ブラットマンが最初に報告した症状です。

オルトレキシアは拒食症や過食症とは異なります。問題となるのは食べもの自体でなく、食べものにまつわる強迫観念です。また、他の摂食障害とは違い、オルトレキシアの人々の目的は体重減少ではありません。彼らは純粋であることに執着するのです。

The Guardian」より翻訳引用

健康的な食品やオーガニックの食材自体は、歓迎すべきもの。

問題なのは、取りつかれたように食べ物の「純粋さ」や「正しさ」にこだわりすぎて、自分が「正しくない」とみなすものを恐れ、日常を脅かすようになることなのです。

SNSで広がるヘルシー志向

とはいえ、そんなに極端な「障害」を抱える人なんて本当にいるの? という疑問がわいてきますが、最近、オルトレキシアの一例として大きく取りざたされたのは、「ブロンド・ヴィーガン」ことジョーダン・ヤンガーさん。

おしゃれでクリーンな食生活を写真にとってInstagramにアップし、13万人以上のフォロワーをもつようになりました。

動物性の食べ物を一切とらない食生活にこだわり、ジュース・クレンズをはじめた彼女は、1日に1000カロリー以下しか摂取しない日々が続くことに。

その結果、ふるえや脱毛、胃痛などの症状が出はじめたうえに社会生活から孤立するようになり、極端な食生活を変えることを宣言。

オルトレキシアに陥った自分の体験を本にして出版し、社会へ注意を呼びかけています。

食がイデオロギー化するとき

アメリカの都市部で暮らしていると、病気や障害とは言わないまでも、それに近い傾向を持つ人たちが存在するのを実感します。

ヴィーガンやベジタリアン、グルテンフリーやローフード、パレオに炭水可物や乳製品カットなど、ガチガチに健康食にこだわりすぎて、他人と会食するのが難しいほどの人が実際にいるのです。

たとえば、友人の家に行って、わざわざ用意されたベジタリアン食を出されても、「過去に一度でも肉を焼いたフライパンで調理されていたら、食べられない」と何も食べない人も。

こだわりが強く制限が多すぎる人は、食事に誘う方も気を遣います。

さらに、以前はヴィーガンだと言っていた人が今度はパレオ・ダイエット実行中で肉はOKだったりと、本人の自由とはいえ、周囲から理解を得るのは難しいところもあります。

「クリーン」や「ピュア」の生きづらさ

オルトレキシアは、これまでにないタイプで研究論文が少ないために、アメリカの医師の間でもほかの摂食障害と分けて公式な病と認定するべきか、意見が分かれているようです。

ですが、「クリーン」や「ヘルシー」という一見したところ反論のしようがないコンセプトに執着しすぎて、それが達成できないとストレスや罪悪感を感じたり、生活が窮屈になるという皮肉な現象は、誰もが陥りがちな、現代的な落とし穴ではないでしょうか。

食やダイエットの流行はどんどん入れ替わりますが、「生きるために食べる」「食を楽しむ」という原点を忘れないのが、結局は心身ともにいいように感じます。

image via Shutterstock

The Guardian,Jordan Younger

※表記を一部修正いたしました。(2016年6月29日)

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田上晶子

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