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2度目の激震で完全に思考が停止。避難所へ【熊本大地震ルポ #8】

2度目の激震で完全に思考が停止。避難所へ【熊本大地震ルポ #8】

14日の地震以降、マンションのエレベーターは停止しているので、非常階段を駆け下りた。その間も大きな余震が容赦なく襲ってくる。

マンションの廊下も階段も、1階のエントランスも亀裂が入ってタイルが剥がれ落ちている。滝のような水の音がする。配水管が壊れたのだ。

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マンションのエントランスは崩壊

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天井がバクッとあらわに。不気味な亀裂が多数

我が家から徒歩2分の場所にある、西山中学校に行った。学校の運動場と体育館は、すでに大勢の車と人で埋まっていた。みんな、恐怖と疲労で横たわっている。どこで休もうか......と場所を探す。体育館の中央部分のいくつかにスペースがあったので、そこに荷物を下ろした。

するとそばにいた女性が「そこ、危ないですよ。天井の照明が落ちてくるかもしれないから」と声をかけてくれた。見上げると、大きな照明がいくつかぶら下がっており、余震の度にゆらゆらと揺れている。どうりでスペースが空いていたわけだ。

体育館の隅に移動して、まずは母に「避難した」とメールを送った。深夜ということもあるが、これだけの人が集い、起きていて、灯りもこうこうとしているのに、静まり返っている。それが不気味だった。

避難所にたどり着くも、眠れない

二日続けて一睡もしていないJは、避難所に来て初めてうとうとした。

代わりに私は、覚醒して眠れず、中学校の体育館や校庭をうろついた。喉が乾き、空腹感を覚えたけど、パソコンと仕事用資料本しか持ち出さなかった私は、水さえ持っていない。避難用リュックを用意したと思ったのだが、避難するにはまったく用を足さないパッキングをしている。ガサゴソとリュックの底をあさったら、片方だけの靴下が出てきた。

体育館の入口に、段ボールに入ったスポーツ飲料水が置かれてあった。非常用の飲料水だ。一本もらって飲んだ。味がしなかった。

体育館の床に横たわってみたのだが、当然ながら眠れない。私は人間三大欲求のなかでも、睡眠欲が飛び抜けて強い。眠れない恐怖というのがある。どんな状況でも「眠りたい」。しかも眠るには、完全に真っ暗&無音でないとダメなのだ。

頭がしびれるほど疲労しているのに、眠たいのに、眠れない。このなんとも言えない寸止め状態が苦しかった。

撮影/福島はるみ(トップは倒壊前の熊本城・長壁)

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福島はるみ

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