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それでも人生は続く。地獄を見たモニカ・ルインスキーの「その後」と警鐘

それでも人生は続く。地獄を見たモニカ・ルインスキーの「その後」と警鐘

モニカ・ルインスキーを、覚えているでしょうか。

約20年前のクリントン大統領の不倫騒動「不適切な関係」の相手で、当時はホワイトハウスのインターンだった彼女も、今年で43歳。

いよいよヒラリーがアメリカ初の女性大統領となる可能性が高まるなか、近年になってモニカが再注目されています。

「20世紀最大の辱めを受けた女性」と呼ばれながら、世間から身を隠し、沈黙を通してきた彼女のこれまでを紹介します。

どこへ行っても「あの女」と呼ばれる地獄

私は、アバズレ、ふしだら、尻軽、娼婦、脳みその足りない女というレッテルを貼られました。

TED.com」より翻訳引用

若い女性と上司の不倫。世間ではよくある話です。でも、彼女の場合は違いました。

1998年当時、現役大統領の起こした不祥事としてアメリカ上院での弾劾裁判に発展した、文字通りの「事件」。

モニカは、当初は不倫を否定していたクリントン大統領に「あの女(ひと)」呼ばわりされ、FBIの捜査対象にまでなった上、私的な会話の隠しテープをテレビやラジオで流されるなど、マスコミや世間から、糾弾と嘲笑を浴びるようになったのです。

その後、クリントン氏は妻のヒラリーの擁護もあり、政治家としての名誉を回復しましたが、モニカの方は性的なジョークの対象となるなど、ひどい中傷が続き、世間から身を隠すようにして生きざるをえなくなります

自殺も頭をよぎった日々

モニカ・ルインスキーは1973年生まれ。がん専門医の父と、作家の母の娘としてハリウッドで育ちました。

インターンとして働きはじめたホワイトハウスで、大統領に恋をしたのは22歳のとき。それが、その後の人生を台なしにする地獄の入り口だとは、大学を出たばかりの彼女には想像もできなかったことでしょう。

よくある「若さゆえの過ち」ではすまされないほど、不倫騒動で社会から徹底的に痛めつけられた彼女は、人々からのあざけりと中傷に追い詰められていきました。

彼女は自殺を実際に試しはしませんでしたが、「かなり近いところまで行きました。」と言います。

The Guardian」より翻訳引用

どんなに自分の行いを後悔しても、どこに行っても顔と名前を知られ、過去を変えられない彼女は、人目を避けるため2005年にアメリカを去り、ロンドンの大学院に留学します。

キャリア形成も人生も苦難の連続

その後、社会心理学で無事に修士号を取得したモニカ。

ですが、卒業後の彼女に対して相変わらず世間は冷たく、どんなに面接を受けても彼女を雇ってくれる企業はひとつもありませんでした。

チャリティが目的のボランティアの仕事さえも断られる日々が10年近く続き、キャリアも人生も閉ざされたまま、どこにも出口が見えない袋小路に陥ります。

ネットいじめにあう若者との交流

苦悶の日々を送るモニカに、声をかける人々がいました。インターネット上のいじめや中傷の被害者たちです。

不倫騒動が起きた90年代の終わりごろは、ちょうどインターネットの世界的な拡大と重なっていました。

モニカへの糾弾や中傷はネット文化とともにさらに広がりましたが、彼女だけでなく、ネットいじめを受けて心を病んだり自殺する若者たちの数も増え、深刻な問題に。

痛みを知る者同士としての彼らとの交流を通して、世間から身を隠して沈黙を守るだけではいけないと考えた彼女は行動を起こします。

20年を経て手にした過去からの脱却

社会や集団による個人攻撃の危険性についてエッセイを発表したり、講演をするようになったモニカ。

とくに2015年のTEDでのスピーチは多くの共感と感動を呼び、いじめやハラスメントを受ける人々の声を伝えるアクティビストとして、人々から尊敬を集める存在に変わりつつあります。

人生の真っ暗だった時期に私を救ってくれたのは、家族や友人、専門家、そして時にまったく知らない人が示してくれた、寄り添う気持ちや共感でした。たったひとりが寄り添ってくれただけでも、物事は変わるのです。

いま苦しんでいる人たちに知ってほしいのは、あなたはこれを生き抜くことができるということ。困難だし、痛みを免れることも、時間をかけずに簡単にやり過ごすこともできなくても、自分の人生に別のエンディングを持とうと主張することはできるはず。

TED.com」より翻訳引用

日本でも、不正や不倫、学歴詐称など、次々に起きる著名人たちのスキャンダルで、メディアやネット上での集団による個人攻撃は過激化する一方。

そこでは、攻撃の対象はモノ化され、短期間で徹底的に消費されます。

1度でもつまずいたら2度と許されず、立ち直れない空気が蔓延するなか、モニカが投げかけるメッセージと20年かけてたどり着いた名誉の回復は、攻撃する側にもされる側にも多くのヒントを含んでいると思えてなりません。

TED.com,The Guardian

photo by gettyimages®

田上晶子

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