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「仕事をすれば自由が手に入る」専業主婦になりたくないキャリア女性たち

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「仕事をすれば自由が手に入る」専業主婦になりたくないキャリア女性たち

わたしのフランス語の師匠であるオデットが、ある日突然「なぜ日本の独身女性は『負け組』と呼ばれるの?」と不思議そうに尋ねてきました。

ちょっと懐かしいフレーズに思わず笑ってしまったわたしですが、オデットいわく「結婚して家庭に入りたがる女なんてモテないわよ!」とのこと。

彼女が理解できない「結婚」=「勝ち組」という図式。結婚にこだわる考え方は、もしかするとオデットのように、外から見ると不思議に思うことにつながっているのかもしれません。

日本はいまだに5月革命以前!?

「女性は家庭を守るもの」という概念がそもそも理解できないオデット。さすがに日本でもそんな考えは時代錯誤と伝えると、オデットはさらに語気を強め、「未婚女性が肩身を狭くして生きる社会なんてまるで5月革命以前じゃあるまいし!」と、一刀両断。5月革命とは、1968年にパリで勃発した社会運動です

事の発端は男子学生が女子寮を訪問する権利を主張したことにあります。それを認めない大学側との衝突はやがて労働者も巻き込み、3週間におよぶ大規模な抗議運動に発展。

自由を求めるこの運動は、政治や文化、古い体制、女性の権利やライフスタイルにまでも変化をもたらしました。

いまでこそ結婚というかたちにとらわれない、自由な恋愛を楽しむフランス女性ですが、5月革命以前の女性は、独身のうちは父親、結婚してからは夫と、常に男性にひも付けにされていたといいます。これって日本の戸籍制度とよく似ています。

自信と誇りを勝ち得た女性たちにとって、結婚をして子ども生むことこそが幸せであることを誇示する日本の現状は(しかも未婚女性が負け犬呼ばわりされるなんて!)、なんとも、もどかしく感じるのかもしれません。

なぜ日本人女性は自由を謳歌しないの?

前に「女は40歳からがもっとも美しい。フランス、イタリアに学ぶ結婚しない生き方」でも書いたように、オデットにとって結婚=幸せではありません。

それどころか、結婚によって自由を奪われ、毎日の家事を強いられるくらいなら一生独身でいるほうを選ぶのが自立した女性です。

もちろん、その選択は個人の自由。日本のようにまわりがとやかく言うことはありません。

「日本人女性の結婚に対する考え方って、男性に対する依存だと思うの。せっかく自由に働ける社会なのに、どうしてその自由をみすみす手放すのか不思議でならないわ」

なるほど。これこそがオデットが理解できないポイントのようです。

働く=自由を手に入れるという考えのキャリア女性には、そもそも専業主婦という選択肢がありません。事実、オデットを含め、知人のフランス人女性の多くは未婚・結婚を問わずキャリアを積みながら人生を謳歌しています。

「夫のお給料で生活をして、毎日家事をこなす専業主婦、そっちのほうが負け組ね」とまで言い放ったオデット。なんでも、結婚をすることで夫に幸せにして「もらう」という考えが幼稚にしか見えないというのです。

それは男性側からも、自立心がないおもしろ味のない女性に思われるため、冒頭の「結婚して家庭に入りたがる女なんてモテない」につながるというわけです。

人生の勝ち負けは結婚ではない

結婚に憧れるすべての女性が男性に依存しているとは思いませんが、少なくとも独身女性を「負け犬」と揶揄する日本の社会は、周囲の「何歳までに結婚しなければならない」という決めつけによって、女性たちを翻弄させているように感じます。

わたしたちラグジュアリーキャリアにとって、仕事と結婚(既婚者は家庭)どちらを優先するかという問題は、常に身近なところにあります。そして、迷い、傷つきながら選択をし、自分の足で歩いてきました。

既婚者や専業主婦を「安定」とみなす日本の社会において、その生き方は窮屈に感じることもあるかもしれません。でも、それは決して勝負に負けたわけではありません。そもそも人生の勝ち負けなんてまわりが決めることではないのですから!

周囲の心ない「決めつけ」に翻弄されるのはもうやめようではありませんか。どんな選択をしても、それは自分の人生。もし、勝ち負けがあるのなら、責任を持って生き抜くことこそが勝者だとわたしは思います。

たくさんの気づきがあったオデットの会話。彼女と別れ、取材先へと踏み出したわたしの背筋は、いつもよりピンと伸び、ハイヒールの足音が心地よく響いていたように感じました。

ねこ りょうこ

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