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女の一生のなかで、「女盛り」っていつよ【スナック艶】

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女の一生のなかで、「女盛り」っていつよ【スナック艶】

女盛り。女性の一生で、いわゆる「女盛り」はいつの年代をさすのだろう。このことを考えると、わたしは必ず「ある女性」のことを思い浮かべる。

彼女は、わたしが最初に入社した会社の先輩だった。20歳近く年上なので、当時の彼女はいまで言う「アラフォー女性」だ。「若いって正義!」みたいな風潮がまだ色濃く残っていた時代だったが、彼女はそんな世間の声はお構いなし。というよりもむしろ、世間が「お願い、かまって!」とすがりつくほど、飛び抜けてセクシーで素敵な女性だった。

まず、ルックスが違う。美人なうえに、スタイルが恐ろしくいい。ただの長身ではなく、峰不二子みたいなボディラインだった。若いころはモデルのバイトもしていたという。バツグンのスタイルだから、白シャツに黒タイトスカートというシンプルな装いだけで、とんでもなくセクシーになる。

加えて知的で上品。所作がおっとりとしなやかで、椅子に腰かける時は必ず浅めに座り、膝はきちんと閉じられ膝下はエレガントに斜めに流れていた。

豊かな長い黒髪をなびかせ、ランウェイのように腰をやや「くいっ」とさせて歩く彼女に、街を歩く誰もが振り返った。

一緒に街中を歩くと、男性たちの視線はわたしではなく、100%彼女に向いているので、「若いというだけでチヤホヤされると思っていたけど、違うのだな」としょんぼりしたものだ。私生活では妻であり母だった彼女。しかも仕事もバリバリ。現役女感がものすごかったが、家庭があるからかギラギラがつがつしたところがまったくないため、年齢問わず男性からよくモテていた。とくに年下から。

お昼休みに「今日は、○○(店名)でお昼食べようかしら」と彼女がつぶやくと、周囲にいた20代、30代の男性陣がガタッと立ち上がり「僕も行きます」「オレも!」とのっかる。複数の男子を従え、しなしなと会社を出ていく彼女の後ろ姿を見つめ、「わたしも40代になったら、あんな風に年下男子を引き連れて歩くようになるんだ」と憧れたものだ。ところが......。いざ自分が40代になったら、そんな素敵なことは起らない。まずもって土台が違うので、あのころの彼女と同じアラフォーになったところで、かもし出すものがまったく違うのだ。薄々わかってはいたけれど、これは残念。年を重ねたら、いつか自然と彼女のようになれるのだと思っていたのに、淡い期待はいまだ現実となることはない。そもそも彼女は当時から、他の女性と「心持ち」が違った。彼女がくっきりとボディラインがわかる白いスキニーパンツを履いて会社に現れたとき、スタイルの良さにうっとりとすると同時に、ある疑問がわき起こった。ぴったりフィットのヒップ部分に下着のラインが出てないのだ。その理由を問うたら、彼女は涼しい顔でこう答えた。「だってノーパンだもの」同じ空間にいて、何気なく女子トークに耳を傾けていた男性陣、一斉に彼女のぴちぴち白スキニーに視線を移した。みんな、椅子をガタッと鳴らして立ち上がりたい気持ちだったと思う。「白いボトムって下着が透けちゃうでしょ。あれってなんかかっこわるい。だからこれ履くときは、いつもノーパンよ」以来、彼女がその白スキニーを履いてきた日、みんな意味もなくソワソワした。

彼女とは恋の話もたくさんした。有名なロックミュージシャンと付き合ったことがある彼女。「彼が上になったときに、長い髪がふわっと顔にかかって、そのときの甘い香りと肌触りがすごくセクシーなの」。まず、わたしは長髪の男性とつきあったことがない。とにかく彼女の恋の話はすべてにおいて未知の世界だった。そんな彼女も、いまでは還暦を過ぎた超熟女。都会から田舎に引っ越し、スローライフを満喫している。還暦を過ぎても、その美貌とセクシーさは健在だ。引っ越して早々、ご近所の80代の男性からナンパされていた。しかもそれが「嫌だった」と言う。「あんなじーさまに声を気軽にかけられるようになったなんて、わたしも年をとったものね」と。

ああ......なにもかもがあっぱれである。最近になりFacebookで彼女と再び交流をはじめた当時の「年下くん」たちは、「昔は僕たちみたいなお子さまは相手にされないって感じだったけど、いまはこんな風にSNSでコメントもらえたりして、嬉しい!」と、「彼女にやっと構ってもらえたこと」に歓喜している。お孫さんと遊んでいる投稿が上がるたびに、「あの彼女が、おばあちゃんに......」とその年月さえも愛おしくなって「萌えっ」としているようなのだ。年を重ねても重ねても、男性を魅了する女性が実際に、身近にいるのだ。彼女という素敵な先輩がいるから、わたしも年を取るのが恐くない。むしろ楽しみでもある。

ただ、それには単に年を重ねていてはダメだということもわかっている。彼女がアラフォーだったころのように、瞬間瞬間「女であること」を忘れてはいけないのだ。彼女は還暦を過ぎた現在もそのことを忘れていない。常に「女盛り」なのである。

だからいまでも、男性陣の憧れの的であり続けている。

image via Shutterstock

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