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城主のプリンセスに会える、ベルギーの城下町シメイを行く旅

城主のプリンセスに会える、ベルギーの城下町シメイを行く旅

2016年は、日本とベルギーの友好150周年でもありました。

日本の皇室とベルギー王室の結びつきは強く、10月のベルギー国王夫妻来日の折には、皇居で歓迎式典が行われましたし、2014年ファビオラ元王妃の国葬には、日本から皇后さまが参列されました。

ベルギー貴族の称号

一方、日本では華族制度は廃止されましたが、ベルギーではいまも貴族の称号が健在です。その1200近い貴族ファミリーのうち、約10ファミリーだけに許されているのが「Prince(プリンス)」の称号です。

プリンスというと「王子」という訳語がすぐに頭に浮かびますが、この場合はその意味ではなく、元は公国を統治する「君主」を指すものです。たとえば、モナコ公国の君主であるモナコ大公のタイトルも、英語やフランス語ではプリンスです。公妃や大公妃はプリンセスと呼ばれます。

さて、ベルギーでプリンスの称号を許された家のひとつが、フランスとの国境近くにある町Chimay(シメイ)の城主です。

ロシア人ピアニスト亡命舞台にもなった城

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© Patricia Portetelleシメイ城外観

シメイは、人口1万人に満たない小さな町ですが、その歴史は古く、小高い丘のうえにある城の原型は、すでに1000年以上前には存在していたとみられています。

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© Tanguy Stichelmans プリンス・フィリップとプリンセス・フランソワーズ

現城主フィリップ公の母、プリンセス・エリザベットが暮らすシメイ城は、嬉しいことに一般にも公開されています。

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プリンセス・エリザベット

故ファビオラ王妃の女官も務めた経験を持つプリンセス・エリザベットは、シメイ城の改修・保存にも力を入れ、自ら訪問者の案内役を、85歳まで務めたバイタリティの持ち主。90歳となるいまも、毎日サロンに腰掛け、来訪者と気さくに歓談されるのを楽しみにされています。

わたしも訪問時に挨拶しましたが、品のある所作と、明晰な精神を映しだすような瞳のきらめきが、非常に印象的な方でした。

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シメイ城内のシアター

城内には、シアターがあり、音楽コンクールの会場としても使われます。このコンサートホールにまつわる逸話で、忘れてはならないのが、ロシア出身のピアニスト、Valeri Pavlovitch Afanassief(ヴァレリ・パヴロヴィッチ・アファナシエフ)の亡命でしょう。

アファナシエフは1974年シメイ城でピアノコンサートを開いたあと、闇に紛れて城の裏から、西側に亡命。以来ベルギー人ピアニストとして活躍しています。

静寂に満ちた修道院

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迷路のような道も楽しいシメイ旧市街

シメイ城を取り巻く旧市街も趣があり、静かな町の石畳を歩いていると、時間を越えられるような気分になってきます。

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聖ピエール聖ポール教会

広場に建つ聖ピエール聖ポール教会は、10世紀シメイ公が置いた聖堂がもとになっているそうです。

また、シメイは世界的に有名なトラピストビールの生産地でもあります。醸造所があるのは、町はずれのスクルモン修道院。深い森のなかにあり、静けさが充満するような空間です。

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スクルモン修道院入口に続くもみじの小道、秋

このスクルモン修道院も、19世紀、当時シメイのプリンス・ジョゼフが修道僧に土地を与えたことをはじまりとします。

町もそれを取り巻く環境も、シメイのプリンスと切り離しては考えられないこの土地の空気は、どこか日本の城下町に通じるところがあるような気がします。

おまけの話ですが、じつは、個人的にシメイでいちばん気に入っているのは、修道院に続く小路です。

というのも、ヨーロッパではめずらしいもみじの並木道なのです。夏は青々と涼しげな通りが、秋になると、息をするのも忘れるほどの彩りへと変化します。これを見るためだけにでも通いたくなる場所なのです。

シメイ城, シメイ僧院

冠ゆき

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