「現代を休む日」

『星のや』が掲げるコンセプトだ。日常から離れる。とはいえ日常はスマホの小さな画面越しにどこまでも追いかけてくる。iPhoneをつくったアップルが憎いくらい、何と便利な世の中なのか!

日常から遠く離れるなら、"非日常"の空間に飛び込むのがいい。それも中途半端ではダメ。徹底的にわたしをかくまってくれないと。その点で信頼できるのが『星のや』なのである。

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バリ時間は早くもはじまっている

海外1軒目となる『星のやバリ』が2017年1月20日に満を持してオープン。

星野リゾートの星野佳路代表が力を入れていた同施設の工事は遅れに遅れ、「いつ完成なのか」と突かれていたのは、もちろん期待の表れではあるけれど。晴れてオープンの日を迎えた星野氏は、慣れない海外の新築には学びが多かったと認めつつも、「そもそも工期の通りに完成するのは日本くらいなのだ。我々のほうが世界では"非常識"なのだ」と。

確かにそうかもしれない。何をカリカリ急ぐというのだろう? 予定の工期ぴったりに完成することが真の目的? いや、最高の施設を造ることがゴールでは?

しかも場所はバリ、ウブド。人と神、人と自然の調和を重んじる「トゥリ・ヒタ・カラナ」の地。焦らずいくのが正解だ。

深い渓谷を活かしたランドスケープ

『星のやバリ』はデンパサール空港から車で70分くらいのウブドの東側に位置し、深い渓流の谷底へと切れ込むウブドらしい地形を活かした造りになっている。敷地面積は約3ヘクタール、客室は全30ですべてヴィラタイプ。

20170119_hoshinoya_03.jpgこちらはカフェ・ガゼボ。「聖なる川」と呼ばれるプクリサン川にせり出すようにつくられていて、まるで空中に浮かんでいるよう。朝、昼、夕方、夜のそれぞれでスムージーやノンアルコールカクテル、軽食をいただける。

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施設内には運河のようにプールが流れていて、すべてのヴィラから、24時間、直接どぼんと飛び込めるのがうれしい。

バリには「スバック」という伝統的な水の配分システムがあり、こちらもプクリサン川から水を引いていて、さらに周辺地域へと分配する。水源をとても大切にするのがバリの人々の信条。

20170119_hoshinoya_05.jpg手工芸もこの土地らしさ。ヴィラは現地職人によるバリ建築で、細部の技巧は圧巻。なかでもウブドに受け継がれたカーヴィング(彫刻)は家具や壁面に施され、見る者の目を楽しませてくれる。ウブドは、人々が当たり前のように芸術家なのである。

新感覚のバリ料理

ダイニングでいただけるのは、10皿にも及ぶコース仕立ての「コンテンポラリーバリニーズ」。食事のBGMは鳥の鳴き声、虫の音、そしてガムラン。

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料金:1,200,000ルピア(税・サービス料別)

朝食は和食、アメリカン、インドネシアの3種からチョイス可。また、インルームダイニングとしてミーゴレンやナシゴレンも提供される。部屋から出ない、一歩も出ない、徹底的に篭るんだわたしは! という構えでもOK。

伝統マッサージをオリジナルにアレンジ

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この地にきて絶対に忘れてはならないのが、スパ体験。バリに古くから伝わる施術をオリジナルメニューにアレンジした「星のや バリニーズ・マッサージ」で、都会で全身に負ってしまった疲れとはさようなら。森の静けさに包まれれば、安らがないはずはない。

毎日2回、ヨガの時間もある。

アクティビティで伝統に触れる

星野リゾートのホスピタリティには定評があるが、アクティビティの豊富さも特徴。チャナンと呼ばれるお供え物づくりの体験や世界遺産の景色・寺院を巡るツアーなどが用意されている。

星野代表は「現地スタッフはただの働き手ではない。みながクリエイターである」という。国内の『星のや』のアクティビティは、その施設のスタッフが知恵とアイディアを絞って考案される。ここバリにおいても同じで、つまり『星のやバリ』は進化しつづけるリゾートであるということ。

とはいえそこは気分次第。日ごろ働きすぎのわたしたちなら、ヴィラで午睡し、読書をし、ときどきプールで水浴び......。そんな「急がない旅」もまた良し。何度も訪れたくなる、ウブドの常宿になりそう。

星のやバリ

客室:全30室(ヴィラタイプ)

パブリック施設:プール、メインダイニング、カフェ、テラス、スパ

チェックイン15:00/チェックアウト12:00

料金:1泊1室9,000,000ルピア〜(税・サービス料込み)

※1円=約0.0009ルピア

星のやバリ

文/カフェグローブ編集部