Day1:真冬に真夏のリゾート。白亜のホテルでストレスが溶けた【シンガポール紀行】

Day1:真冬に真夏のリゾート。白亜のホテルでストレスが溶けた【シンガポール紀行】

イライラが収まらない。

部下のあり得ないミス。仕事で失敗なんて誰だってするし、珍しいことではない。でも彼女が言い放った「聞いてないです」の言葉、そしてふてくされた顔。

じゃあ、わたしが指示を忘れたのに、言ったつもりになっていたというの? いや、記憶は確か。でも......。

釈然としない思いごとスーツケースにぎゅうぎゅうと押し込んだ。些細なことで苛立っている自分にも腹が立つ。ちょうど旅行の予定を入れていてよかった。こんな気持ちでオフィスになんて行けない。

羽田空港へと向かう途中の、どんよりとした冬の曇り空が自分を映し出しているようで、憂鬱が加速する。飛行機でゆっくり寝よう。

セントーサ島に大人の楽園がある?

寒い日本から南国へ。無自覚のままチャンギ空港に降り立って驚いた。暑い! 慌ててダウンコートを脱いだら、イライラも肩からどさっと下ろせたみたい。

タクシーに乗り、車窓を流れる陽気な景色に再び脱力。溜まりすぎた有給休暇を消化するために勢いでシンガポールを選んだけれど、ここにしてよかった。

それも、いまわたしはセントーサ島へと向かっている。遊園地とカジノと......そんなイメージだったけど、旅慣れた女友達から熱烈に推薦されたのだ。

「セントーサ島の楽しみ方を知らないの? 大人の女が泊まるなら、絶対、カペラ シンガポールよ」

テラスでシャンパーニュからはじめるステイ

到着したロビーは、誰かの邸宅のような、こじんまりとしてアットホームな雰囲気。荷物は部屋に運んでおくからライブラリーに行ってみてはどうか、とコンシェルジュに促される。

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ロビーの2階に位置する、テラス付きのティーラウンジ、そしてライブラリー。お茶や軽食が置かれていて、いつでも好きな時間にくつろいで良いという。

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ここで、気の済むまで読書をしよう。ミルクたっぷりのコーヒーを飲みながら......。想像して、ひとりほくそ笑むぐらいにまでリラックスしている自分に軽く驚いた。

シンガポールの陽気のせい? 東京の寒さって、女の身も心も荒ませるんだわ。

カペラのコロニアル建築が美しすぎて、まだ部屋へは行きたくない。ホテル内を散策していたら、『BOB'S BAR』に迷い込んだ。

照りつける太陽に向かって大きく開かれたパラソルたち。遠くにはシンガポール海峡を行き来するタンカーが見える。

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シンガポールに着いて一杯目は、シャンパーニュ。ゆっくりと喉を湿らせてゆく。

大きなチェアに身を沈めてインフィニティプール越しの海を眺めがら、「こんなにくつろいだのはいつぶりだろう」と、東京での情けない暮らしを思い出した。

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選んだのは、海をのぞむスイートルーム

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通された部屋は、リビング、ベッドルーム、テラスで構成された<セントーサスイート>。ひとり旅には広すぎるぐらいだけど、こんな部屋に泊まるためにわたしは頑張ってきたのだから、と確かめるように頷く。

緊張が解けたら、自分が汗だくであることに気づいた。寒い東京からいきなり暑いシンガポールへ来て、まだ体が驚いている。

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部屋を決めるときのポイントでもあった、大きな窓から海をのぞめるバスルーム。深いバスタブを備えた部屋を選ぶのが、わたしの旅のセオリー。

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入浴後、バスローブに身を包んで窓の外に目をやると、空が静かに暮れてゆく。「帰りたくない」と思うのは、いつだって旅先で最初に夕景を見る瞬間。

今回の旅はとくに予定を決めていなくて、流れに任せようと思っている。まずはひとり穏やかに、夜を過ごして。

ローカルフードのアレンジが嬉しいディナー

セントーサ島にはナイトスポットがさまざまあるけれど、旅の初日、まだ外へ繰り出す元気はない。ディナーはホテル内のレストラン『THE KNOLLS』へ。

旅の醍醐味であるローカルフード、といきたいところだけど、シャンパーニュとワインもほしい。そんなことをシェフに相談したら、笑顔で「任せて」と請け負ってくれた。

『THE KNOLLS』は東南アジアと地中海のキュイジーヌスタイル。

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前菜にいただいたのは、ほのかな甘みのメロンと生ハム。

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続いて、マグロ、キュウリ、キャビアに、東南アジアでは漬物のように食べるというアチャールとをあわせたもの。独特の酸味に黒トリュフの香りが加わるという未知なる味に、白ワインが進む、進む。

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魚料理もユニークで、シンガポールのローカルフードであるラクサをカプチーノ仕立てにしたもの。オレンジがすっきりとした甘みを添えている。

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肉料理はサティ風。日本でも腕を振るったことがあるというシェフは、「つまり日本のヤキトリだよ!」とおどけるナイスガイ。

グラスを片手に屈託なく笑い、くつろぐ。やっと自分が芯からほぐれて、東京から抱えてきたストレスが融解していくのを感じた。そう、わたしに必要なのは、こういう時間なのだ。

孔雀と共に迎える島の朝

大きなベッドで、目覚まし時計を気にすることなく眠る。なんてぜいたくなんだろう! 頭や肩の凝りが嘘みたいに消えていた。

日本との時差がわずか1時間。これもシンガポールの魅力で、時差ぼけせず、いつものペースを崩すことなく旅ができるから、働く女にとってはありがたい。

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久しぶりに袖を通した薄手のワンピースで、レストランへ。ホテルの朝食が大好物なわたしにとって、フレッシュなウェルカムジュースは嬉しいギフト。

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プールに面したテラス席をキープ。ほかのツーリストは暑さを嫌って屋内で朝食をとっているけれど、どうして? そんなのもったいない。旅行中ぐらいはたっぷりと太陽の光を浴びるのだ。

「女の光合成よ」とひとりごちって笑ってみたところで運ばれてきたのは、カペラのマークがあしらわれた焼きたてのパンケーキ。

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そしてオムレツとカリカリに焼いたベーコン! 朝からカロリーなど気にしてどうする、わたし。この旅では「食べる」と決めたのだ。

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食後のコーヒーを堪能していたら、テラスに現れた極彩色の孔雀! 敷地内に普通に生息しているのだという。こんなサプライズがあるのだから、セントーサ島にして本当によかった。

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南の国の風と太陽が、一気にわたしの体にエナジーを吹き込んでくれた。さあ、シンガポールで何をしよう。どこへ行こう? まずはセントーサ島で遊び尽くさねば。

CAPELLA SINGAPORE

撮影/網中健太 文/カフェグローブ編集部

取材協力:シンガポール政府観光局,カペラ・シンガポール

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