普通プラス20点くらいの男が、一番モテる説【スナック艶】

普通プラス20点くらいの男が、一番モテる説【スナック艶】

この歳になると、「恋の話」を聞く機会がグッと減ってくる。「いま好きな人がいるんだ」とか「じつは付き合っている人がいるの」という類いの打ち明け話をここ数年聞いたことがない。以前は女友だちと集まれば、テーマは"恋バナ"と決まっていたのに。

最近は集えば「夫の愚痴」「子どもの受験」「姑の悪口」「上司や部下への不満」がメイン。もちろんわたしも。この愚痴りあいが女性たちはきらいではない。むしろ愛していると思う。「そうそう、わかる〜」と共感しあうことで、心が癒やされていくからだ。これってたぶん男性からみたら七不思議だろうな。

それでも「恋しちゃった」「結婚するかも」というトピックがまったくないのも色気がなくなっちゃったなあと思っていた今日このごろ。

そんなある日、独身の女友だちから「まこちゃんに聞いてほしい話がある。長文だけど、ごめんね」というはじまりのメッセージをもらった。「話がある」のあとにハートマークつきだったので、「こ、これは......!」と思った。

彼女は一級建築士で、現在大手ゼネコンと共同である大きな物件を担当しているのだけど、ついこの前まで「死ぬほど忙しくて、出会いなんて全然ない」となげいていたのだ。

そんな彼女からの突然のメッセージと、そのあとの電話の内容を時系列で紹介すると......。

「いま担当している現場に、ゼネコンの男性社員が何人かいてね。そのなかに、熟女から若い女子まで、幅広い年齢の女性たちを虜にしている48歳の男性がいるの」

うーん、期待通り! で、で、で?

「彼、大勢のなかにいて真っ先に目がいくタイプではないけど、ほんのちょっとしたときに、フワッと優しい雰囲気を漂わせる人なの。10回目くらいのミーティングで、ふと『あれ、この人ってじつはイケメン系?』と気づく......そんな感じ」

「なにもかも押しつけがましくないイケメンなの。『オレオレ感』が一切なく、安心感が漂っている。すべてにおいて普通プラス20点な人

彼がすてきなのはわかった。で、で、で?

「現場にいる若手女子からわたしよりも年上のベテラン女性まで、見事に彼に夢中なのよ。最初『なんでそんなに人気があるんだろう、普通なのに』と思っていたんだけど、会うたびに『あれ?』と思うことが重なって、10回目くらいで『なんだか......かっこいい』と思うようになったのね」

うーん、わたしの周囲にそういう人がいないので、いまひとつ実感がわかない。たとえばどんなところがかっこいいの? どこに魅力を感じるわけ?

「一見すると『普通に優しい、普通に爽やかな人』という感じなんだけど、彼と接すると『わたしは大事にされるべき女なんだ』と感じることがあるのよね。たとえば大量の資料を持って部屋を移動するときなんか『持ちますよ(ニコッ)』と言いつつ、そのときはもうすでに資料をわたしの手から外してくれたり。普通は『持ちましょうか?(無表情で様子を伺う)』でしょ。ニコッとしながら、でもきっぱり『持ちますよ』といって行動に移すところにキュン!」

なるほど。わかったような、でもわからないような。

「とにかく『オレって優しいでしょ。オレってイケてるでしょ』という自我がないところがすてきなの。つねに謙虚、まるで呼吸をするがごとく当たり前にレディーファースト。これで女性陣がみんなうっとりするのよ。久しぶりに本物のモテ男に会ったわ

でもそのレベルの優しさを持つ人、結構いるような気もするけど......。

「うーん、なんといったらいいんだろう。顔は似てないけど、位置的には西島秀俊くん系かな」

そりゃあ、モテるがな!

「いやいや、顔は似てないのよ。でもかもしだす空気感が似ているの。普通プラス20点くらいの男性って、じつは一番モテるんだなあとしみじみ思ったわ」

その20点というのは何点満点の?

「も〜、まこちゃんったら理屈っぽいわね〜。一度彼に会いにいらっしゃいよ! とにかく会う人会う人、みんな100パーセントの確率で彼に恋するんだから」

いや、会いたいのは山々だけど、まったく関係のないわたしが実際に彼と会うことなんてないし。それで肝心のことだけど、彼とどうにかなったの?

「なってないわよ。だって既婚者だもの。奥さんと子どもを大事にしている感じも好感度大なのよね。絶対にこっちに振り向かないってわかっているから、余計に安心感と残念感があいまって、みんな夢中になるんだって」

なーんだ。てっきり「彼とどうにかなっちゃった」という告白かと思っちゃったよ(これはわたしの心の声だけで、彼女には伝えていないけど)。

「先日、職場の懇親会でわたし、ついご機嫌になっちゃってベロベロに酔っぱらってしまったのね。このスーパー普通モテ男さんとは家が同じ方向で、一緒に電車で帰ったんだけど、わたしったらろれつもまわらない状態で。『はい、終わった』という感じよ」

なんだか話を聞いていると、職場に現れたマドンナの存在に浮かれているおっさんのようだな。

「いいじゃない。殺伐とした職場にオアシス的な存在が現れたんだから。朝起きて『ああ、今日も彼に会える』と思うだけど、満員電車も苦痛じゃないの。オアシス的存在、バンザイ!」

前回、嘘つきモテ男の話を書いたけれど、じつは建築士の彼女もこの嘘つき男をよく知っているひとりで、

「いま思えば、あの彼ってニセモノのモテ男だったわね。だって『モテよう、好かれよう、よく見せよう』と必死だったじゃない? でもわたしの西島くんは違うの。一切ヨコシマなところがない。それなのに無意識に優しいし、無自覚でイケメン。それでいて奥さんと子どもに夢中。もうたまらない!」

彼女が「ねえ、聞いて」と言うときって、以前ならものすごいオチがついていた。震え上がるようなラストだったり、おなかがよじれるくらいに爆笑のオチだったり。なんだかお互い、まるくなったよね......。

アラフォーの恋バナとしては、このくらいが一番平和かも。だってもうわたしも、友だちもズタボロになりたくないもの。

image via Shutterstock

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