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「小さなバッグ」を持つ人生。上質なものを少しだけ入れて【女の本棚】

仕事の本棚

「小さなバッグ」を持つ人生。上質なものを少しだけ入れて【女の本棚】

新しいバッグを買いたくなる時期です。春ですからね。でも、クローゼットには、これで最後と思って購入したバッグがいくつか......。新しいものを買い足す前に、そもそもバッグの持ち方、入れる中身を吟味するほうが先決かもしれません。

私なりには、30代のころと比べると荷物が圧倒的に減りました。2個持ちだったバッグは1個になり、サイズも相当ダウンしたと自負しています。バッグのサイズと中身の量、生き方とリンクしているのかもしれません。上質な物を「小さなバッグ」に少しだけ入れて、身軽な心で春のおでかけをいたしましょう。

有限なる人生を大切に生きる

「甘えることができなくて損ばかりしている」「こんなにがんばっているのに見返りがない」。キャリアカウンセラーを続ける中で、働く女性たちのこんな悩みを何回も聞いてきました。そんなとき、私はいつも「ためしに週1回だけ、小さなバッグを持ってみてください」とアドバイスすることにしています。(中略)「小さいバッグ」=「有限なあなたの人生」に入るものはごくわずか。1人ですべてのものを持つことはできません。だからこそ、何を入れるのか慎重に精査する必要があるのです。"

20~21ページより引用

バッグと人生は意外にイコールなのかもしれません。どういう選択をして、どういう風に生きるのか。あれもこれも頑張ってやってみる時期を経て、だんだんと自分に合うものを見極めてそぎ落とす。仕事のうえでも握っている手のひらを放し、少々こころもとなくても人に任せていく。それもまた、有限な人生を大切に生きるありかたです。

私の場合は当時の自分の身の丈と合わない役職をもらった5年前、自分一人で頑張ることをやめて、他人や他部署の力を借りる方向にシフトすることにしました。自分の下にいる人たちを一緒に路頭に迷わすことはできないから、円滑な組織運営のために各所に頭を下げて協力者を得ることにしたのです。

私があのときバッグから外に出したものは、いままで大事してきた自分一人でできるという"自負とプライド"。ときには必要なものですが、毎日持ち歩く性質のものではなかった。そういうものは、大人の女性であればあるほど、潔く捨ててしまってよいのだと思うのです。

一流の基準をインプットする方法

お客様は「そのジャンルで1番高いものと、1番安いものを経験することが大事」だとおっしゃっていました。いつも自分にとってちょうどいい価格帯の店にばかり行くと、当然ながらそのお店が自分のスタンダードになり、他を知ることができません。けれども1番上と1番下がわかれば、おのずと真ん中はわかります。上から下までの幅を知ることができるので、より確実に自分が求めているものを選ぶことができるようになるのです。

48ページより引用

会社員時代、バッグも靴もスーツもそれはいわば戦闘ユニフォームのようなもので、間違いなく消耗品でした。着倒してしまうので1シーズンでくたびれてしまうものばかり。だから、極端に高額なものはもったいなくて着られないのが現実。でも、良いものを経験・体験しておくことは自分の財産になるのではないかと思うのです。

たとえばコート。一流のブランドのロングコートに袖を通すとやっぱり柔らかくて軽い。おそろしく体にしっくりきます。良い靴は足をいれるとふわりと適切に足を包んでくれることがわかります。身に着けるものだけではなく、食べるものもしかり。たとえばお寿司、回転寿司とカウンターのお寿司では当然のことながら、食べてみればやっぱり違う。

でも、知らなければ比較も判断もできない。そういうものかとすんでしまうこと、いろいろあります。生活においてすべてに高級品をとりいれられなくても、多少なりとも知っておくことは人生のあらゆる選択、松竹梅の判断をするうえで自分の知恵となることは確実でしょう。

「小さなバッグ」は仕事の仕方を象徴する

ある女性社長は、「今年は、魂の震える仕事しかしない」と言っていて、なかなかできないけれど、「私もそういうふうに生きたい」と思いました。それは「小さなバッグ(=有限な自分の人生)には、魂の震えるものしか入れない」という決意でもあるからです。(中略)①自分しかできない仕事②他の人でもできる仕事にすべての仕事を分類してみましょう。

188~189ページより引用

あるライターが「売れることの大切さ」といった文章を書いていました。「食いつなぐ仕事」を離れて「ほんとうにやりたい仕事」をするためには売れることも大切であるといった趣旨です。

私は会社員歴が長かったので、これまでは仕事の取捨選択ができる立場ではありませんでした。嫌であろうが好きであろうが、やらなくてはならないのが仕事というものだと思っていたのです。むしろ、なんでうちの部署がこんなことをするのかと思うことにも、何か意味があると考えるようにしていました。その経験はいまもひとつの力になっています。

しかし、私も気がつけば41歳。人生の先輩方から見れば、まだ若いといえば若いかもしれませんが、一方でもう40歳を過ぎていること考えると、人生において自分にしかできない仕事を選択する段階に入ってきているのではとつくづく思うのです。好き嫌いをするということではなく、選択できる力や判断力をつけておくことは間違いなくこれからの自分を助けてくれるはずです。

「小さなバッグ」が教えてくれることは生き方そのものである......言い得て妙なる世界があります。

本当に必要なものはすべて「小さなバッグ」が教えてくれる

著者:横田真由子発行:クロスメディア・パブリッシング定価:1380円(税別)

Writing byナカセコ エミコ

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