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おなじベッドルーム? セックス問題そして愛情のバロメーター

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おなじベッドルーム? セックス問題そして愛情のバロメーター

わたしはいま、悶々と悩んでいる。同居しているパートナーとの関係性についてだ。普通に穏やかな関係なのだが、穏やかすぎて、一緒にいる意味が段々とわからなくなってきたのだ。

お互い自営業なので家のなかにそれぞれの仕事部屋があり、日中は別々の部屋で過ごしている。夕食をふたりで食べたあとは再び各々の部屋で過ごし、夜12時あたりに寝室に入って一緒に寝る。一緒に寝るといっても、クイーンサイズのベッドの端で眠りにつくだけでスキンシップはない。毎晩「おやすみ」のキスをするのだが、それもなんというか単なる儀式であって「またね〜」と手を振るくらいの「空気感」だ。

今年に入って、こんな毎日が続いている。わたしたちは結婚をしていない。もともとはお互いひとり暮らしをしていたのだが、一年前に「一緒に住もう」と彼から言われ、新居に引っ越すことになった。一緒に暮らすにあたって、わたしが彼に告げたことがひとつだけある。

単なる同棲状態になるのであれば、このままひとり暮らしで恋人として互いの家をいったりきたりするほうがいい。同棲ではなく、ちゃんとお互いに責任を持つ関係になってから同居したい」と。

彼は「もちろんだよ。まこちゃんと結婚するつもりで一緒に暮らすんだから、単なる同棲じゃないよ」と答えた。

ところがである。この一年は見事に「単なる同棲」状態だった。いっこうに結婚の気配もない。それどころか前述したように「空気」みたいになっている。こんな状態で、結婚へのきっかけというかモチベーションが沸き起こるはずがない。

わたしも彼もバツ組だから、実は結婚という形式にはとらわれてはいない。結婚がすべて、結婚がゴール、結婚すればいまより幸せ......なんて夢みたいなことは当然ながら思っていない。だけれど「一緒に住む」となったら話は別だ。少なくともわたしにとっては。

これまでどれだけの「同棲カップルの悲劇」を見てきたことか......。数年一緒に暮らして、次第に「空気」になり、これはつまりお互いに恋愛の対象として見なくなった証で、どちらかが浮気をして破局。浮気をしなくとも「一緒にいる意味がわからなくなった」とどちらかが家を出ていく。わたしが知る限りでは、同棲カップルはいずれ破局するという事例がほとんどだ。

結婚は単なる形式だけど、そこには大きな責任が生じてくるので、簡単に離れるわけにはいかない。問題にぶつかったら「フンッ!」と踏ん張って乗り越えていこうとする。だが、同棲は違う。軽やかに「バイバーイ」と言える関係性なのだ。いや、いまや結婚していても軽やかに「バイバーイ」するカップルもいる。現にわたしがそうだった。

だからこそ、今度は「かなめとなるなにか」をきちんと作って、なにがあっても一緒に乗り越えていける関係性になりたかったのだ。

しかし、どうも「同棲カップルの破局コース」に向かっている危機感がある。交際して3年目、一緒に暮らして1年目。ここでダラダラとなし崩しにしてしまっては、本当に破局コースまっしぐらになってしまう。

同棲の解消にはふたつの決定的な理由があるように思う。ひとつはセックスレス、つまり「単なる空気」の関係になってしまうこと。もうひとつは家事問題だ。役割分担をしていたとしても、男性のほうは隙あらば手を抜いたりサボったりする人が多い。わたしのパートナーがそうだ。

そうなると女性はこう思いはじめる。

わたしは単なる家政婦か!」と。

このあたりから、空気が不穏なものに変わってくるのだ。わたしは何度も同棲と家事のことで彼に抗議した。その度に「ちゃんとするから」と言われ、なし崩しになってきたのだ。でもそろそろ限界。

「なんでスキンシップがないの! 奥さんでもないのになんであなたの身のまわりの世話をしなくちゃいけないの! わたしは家政婦でもあなたのママでもないわよ!」

彼はしどろもどろに「そんなつもりはない」などと言っていたが、それも想定内。そんなことはこれまでも100万回聞いてきたセリフだ。

ここ一週間は、彼とは別の部屋で寝ている。わたしの仕事部屋にはひとり暮らし時代のベッドがそのままあり、その部屋でも寝ることができるのだ。普段は書斎だが、別名は「プンスカ部屋」。わたしがプンスカしたときは必ずこの部屋に引きこもる。そしてすべての家事と彼とのコミュニケーションを放棄している。

まこちゃんって、なんというか......若いわねえ」。女友だちとの集まりで一連の話をしたら、結婚歴8年目のひとりがこうつぶやいた。

「わたしたち夫婦なんて、いま住んでいるマンションに越してから一度もセックスしてないわよ。つまり5年間なにもなしってこと」

この夫婦は共同経営者同士で、彼女いわく「夫というよりも、同志とか兄妹って感じになっている」と言う。

「帰宅したら、どちらもクタクタに疲れて果てていて、とにかく早く寝たい......みたいな状態なの。どちらもこの5年間まったくその気にならなかった」

「それでいいの?」

「うん。もう男と女の関係なんて面倒くさい。寝室は一緒だけど、空気みたいなこの状態は本当に楽! なにも考えずにすぐ眠れるんだもの」

「どちらかが悶々としたり、浮気心が芽生えたりとかしないの?」

「少なくともわたしはないなあ。夫はどうだろう。もうそのあたりの心配さえしなくなってる(笑)。だからまこちゃんの話聞いていると、若いなあと思う」

するともうひとりの女友だちが「わたしはまこちゃんの気持ちがすごくわかる」と発言した。

彼女は若くして結婚したので、夫婦歴20年以上のベテラン奥さまだ。どこに行くにも夫と一緒で、仲睦まじい幸せカップルとして有名だった。

「あなたは、パートナーとすごく仲良いじゃない」と私たちが言うと、「なんでそんな風に見られているのかわからない。たぶんよく一緒に出かけているからだと思うけど、単にそれだけよ。一緒の寝室では寝てるけど、ここ何年かはハグもしていない」と驚きの証言をした。

「本当に? あなたたちはいまでもイチャイチャしてるとばかり思ってたよ。理想のカップルだなって」

わたしはいつまでも恋人みたいな関係でいたかったけど、夫が先に『空気』になっちゃったのよね。最近はまこちゃんと一緒で『わたしは家政婦か!』と思いはじめてる。『わたしたちって仲良し夫婦と思われているけど、実は仮面夫婦だよね』と夫に言うと、彼はすごく嫌がるの。事実なのに......」

わたしとその友だちはなにも「セックス」にこだわっているのではなく、「愛情の確認をしたい」だけなのだ。それがないことには、仕事でクタクタなのに家でまたクタクタのことをする意味が見出せない。一緒に寝ているのに、心は寒い。このなんとも言えない虚しさよ。

そんなときに偶然観た映画が、メリル・ストリープ主演の『31年目の夫婦げんか』だった。この映画が夫婦(カップル)のあり方、寝室問題をとてもよく捉えていて、「なんとタイムリーな!」と前のめりで観てしまった。

次回はこの作品ベースにしながら、寝室問題を考察していこうと思う。

image via Shutterstock

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