1. Home
  2. キャリア
  3. いきなりセクハラ!? 怒れる女性政治家たち [The New York Times]

いきなりセクハラ!? 怒れる女性政治家たち [The New York Times]

The New York Times

いきなりセクハラ!? 怒れる女性政治家たち [The New York Times]

スペインの新興左派政党ポデモスで、南部アンダルシア地方のリーダーを務めるテレサ・ロドリゲスさん(35)は、セビージャの商工会議所で行われた展示会場に入ってすぐさまセクハラにあった。

名刺交換をしようとした初対面の70代の男性に突然、抱き上げられ、キスをされそうになったのだ。その場ではショックで反応できなかったロドリゲスさんは、ソーシャルメディアでこの問題を取り上げ、裁判所にも訴えた。この男性は酔っていたのだと弁明し、謝罪した後に会議所の役員を辞任した。

スペインではここ数年、主流政党に対抗する動きが現われ、男性政治家が仕切ってきたネットワークに風穴が開くと同時に、女性政治家が躍進している。だが、彼女たちが活躍すればするほど明らかになるのが、スペイン政界に深くはびこる女性差別と男性優位の構造だ。

性生活まで詮索しないで

昨年のスペイン議会総選挙では過去最多の女性候補が当選し、下院305議席のうち139議席を占めた。第3の政党となったポデモスは議員の半数が女性。地方レベルでは二つの大都市、マドリードとバルセロナの市長を務めるのは、どちらも左派系の女性政治家だ。

しかし、いまだ圧倒的に男社会の政界には、大きな障害が立ちはだかっていると彼女たちは言う。セクハラだけではない。男性は同僚の女性が独立した意見を持つことは期待していない、男性の意見に賛同してほしいだけなのだという不満を、よく女性たちから聞く。

「女性政治家の数がただ増えればいいというわけじゃない。政治的に女性たちが望む方向に自由に進めるようにならなければ」と、アンナ・ガブリエル議員は語る。

彼女が所属するカタルーニャ州独立派政党、人民連合(CUP)では政治における性差別を追放しようとしているが、ガブリエルさんも他の女性党員たちも相変わらず、政治的な批判と性的な侮辱が入り混じった個人攻撃を受けることがあるという。

「私たちの政治姿勢に対する批判にはいつも、私たちの体がどうとか、性生活がどうとか、美しいとか美しくないとかいったことが混ざっている」

インターネット上では多くの女性蔑視発言が行きかっている。スペインでは2017年1月、最高裁判事のアントニオ・サラス氏が、ネット上で「女性に男性と同じくらい力があれば、性暴力は起こらないだろう」と述べて大きな非難を浴びた。

女性蔑視は時代錯誤

2016年春には元閣僚がある女性政治家について、「若い女性として身体的に魅力的」なことが、彼女の「政治的指向と一致しない」とツイートした。

2015年の総選挙で初めて議席を獲得した新政党、シウダノスのイネス・アリマダスさんのことだった。彼女は自分のツイートで「こうした時代錯誤のマッチョ主義が通用しなくなるように、私たちは努力を続けている」と反撃した。

20170710_spain_1.jpg
2015年からバルセロナ市長を務めるアダ・コラウさん。市庁舎で(Samuel Aranda/The New York Times)

2015年にバルセロナ市長に就任したアダ・コラウさんも、女性として差別され続けてきた。スペイン語に関する国立機関「スペイン王立アカデミー」の男性会員には、市のトップに立つよりも市場で魚を売っていた方が似合うと言われ、中道右派与党・国民党の地方幹部には、頭が悪いから廊下を掃除していた方がいいと言われた。

コラウさんはこうした侮辱と闘いつつ、バルセロナが市として初めて女性問題を大きく取り上げ、性差別に加えてドメスティック・バイオレンス(DV)とも闘う姿勢を示したことを誇りに思っている。

スペイン各地で抗議デモ

北西部ガリシア地方では今年2月、性暴力に対する政治の動きが鈍いことに抗議し、8人の女性がハンガーストライキを行った。

これに連帯して、首都マドリードでも性暴力を非難する抗議デモが行われ、3月8日の国際女性デーにはスペイン全土の働く女性たちに30分のストライキが呼び掛けられた。フェミニスト団体は、DVやスペイン社会の不平等に対する抗議を象徴し、黒づくめで参加するデモを呼び掛けた。

コラウさんはバルセロナ市長になる前、強制立ち退きに反対する活動家だった。当時は市長になってからよりも、もっとひどい攻撃を受けていたというが警察に届け出たことはなかった。

「多くの女性がそうだと思いますが、そうした出来事を法律で解決できるという自信がなかったし、自分の恥にもなると思っていたんです」

ポデモスのロドリゲスさんは、自分が起こした裁判によって、男性中心の実業界に広く存在する「責任逃れがまかり通るという感覚」を崩すことができれば、と願っている。

「性別だけではなく、年齢や社会階級的にも自分の方が上だという優越感をもちたい人々に、もてあそばれているように感じました。私にそういう態度で接してもいいんだと考える人物が、彼の下で働き給料を得ている女性たちにどんな態度で接するか、想像してみてください」

©︎2017 The New York Times News Service

[原文:Spanish Women, Advancing in Politics, Still Battle Sexism/執筆:Raphael Minder]

(抄訳:Tomoko.A)

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    2. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    3. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    4. パリのグルマンを魅了する日本人若手シェフを知りたい!

    5. 40代こそ、家をIoT化するべき理由

    6. チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2018」いよいよ開幕!

    7. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    8. 式場が足りない! オーストラリア同性婚可決の思わぬ影響

    9. ポイントは割り下の黄金比率。究極の「すき焼き」レシピ

    10. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    1. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    2. インフルエンザで倒れたくない今、摂るべき栄養素は

    3. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    4. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    5. 視界がぼやける、いつも眠い......に共通する原因

    6. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    7. 車を買うときに必ずチェックすべきこと

    8. 40代こそ、家をIoT化するべき理由

    9. 人気ホテル評論家が指南する、失敗しないホテル選びのポイント

    10. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    1. 若きジョブズが採用で重視した、たった一つのスキルとは?

    2. 「味わう」を意識すると人生は豊かになる。ソムリエ・佐藤陽一さんの哲学

    3. 人気ホテル評論家が指南する、失敗しないホテル選びのポイント

    4. ファンデ変えた? と言われる印象アップ。似合う髪色がわかるカウンセリング

    5. インフルエンザで倒れたくない今、摂るべき栄養素は

    6. あなたの「怒りタイプ」がわかる。アンガーマネジメント診断

    7. 車を買うときに必ずチェックすべきこと

    8. 職場のめんどくさい同僚と距離をおく方法

    9. 女医さんに聞く、 誰にも聞けないデリケートゾーンのトラブル解決法

    10. 視界がぼやける、いつも眠い......に共通する原因

    いきなりセクハラ!? 怒れる女性政治家たち [The New York Times]

    FBからも最新情報をお届けします。