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南仏の街でワインとともに。70年続くアヴィニョンの演劇祭

南仏の街でワインとともに。70年続くアヴィニョンの演劇祭

陽光を浴びた石畳の広場、白いパラソルの下でアペリティフを楽しむ大勢の人びと。典型的なフランスの夏のバカンスの光景です。

パリ・リヨン駅からTGVで約2時間40分に位置するアヴィニョンでは、毎年7月に演劇祭が3週間開催されます。今年71回目を迎えるこのフェスティバルは、世界各国から舞台人が集結し、なんといってもそのロケーションが素晴らしいことで有名です。

歴史的建築の大階段に腰を下ろし、夜のとばりのなか舞台を鑑賞する。これこそ大人の知的好奇心をくすぐるリュクスではないでしょうか?

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(c) Christoph Raynaud de Lage

演劇祭が支持される歴史

フランスにいながらイタリアの雰囲気を味わえる特異なエリア、それがアヴィニョンです。

14世紀初頭、ローマ教皇が、後の70年間をローマからフランスに居を移すことを余儀なくされた場所。当時この地に建設された法王庁宮殿を筆頭に、イタリアのフレスコ画をはじめとする贅沢な絵画、調度品が集められ、学問や文化が栄えました。

現在も芸術家や著名人が別荘を持つ場所として人気の高い街であるのも、このような歴史背景がゆえ。演劇祭が根付いているのも納得できます。

本演劇祭は、招待を受けたアーティストらの法王庁宮殿内の中庭や、オペラ座などでの上演に加え、 カンパニーやアーティストが、自主参加で街の至るところでパントマイムや人形劇など様々なパフォーマンスを行う「オフ」があります。

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(c) Christoph Raynaud de Lage

今年注目すべきは、メイン会場「Courd'honneur du Palais des Papes」での公式招待を受けた日本人演出家、宮城聰氏のカンパニーの舞台です。ギリシャ三大悲劇詩人、ソフォクレスが手掛けた古典劇『アンチゴネ』が、日本人キャストとの制作により演じられています。

期間中、演出家や脚本家の制作秘話を聞ける会見が無料で開催されるのも、この演劇祭の魅力です。

やはり議論好きなフランスの国民性でしょうか? 今回は心理学の教授でもある宮城氏の会見にて「哲学的なこの古典劇を日本流にどうアプローチしたか」、「西洋のテーマに引きつけられたか」などの話題が繰りひろげられました。

アヴィニョン市街が演劇で染まる3週間

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(c) BAR Philippe_AvignonTourisme

さらに、国際派女優ジュリエット・ビノシュが、ピアノの弾き語りとのアンサンブルで繰り広げる演目『Vaille que vivre』も。伝説の歌手バルバラへのオマージュともいえる小舞台は、生前にバルバラが書き綴った自伝からインスピレーションを受けて制作が実現しました。

その他コンテンポラリーダンスやバレエ、コンゴをルーツに持つアフリカンミュージックのライブ、フェスティバル会場の歴史的建築を散策するツアーなども組まれ、楽しみ方は自由自在。

演劇祭のHPによると、期間中、じつに約60の異なる演目が300公演も上演され、そのエリアは20か所以上にも及びます。無料で実施されるイベントだけでも5万人近くが足を運ぶらしく、有料公演のチケットは11~12万枚の売れ行きだとか。リピーター率が高いのも特徴です。

南仏の特権、美食と光輝く太陽の恵み

また、7月初旬には、多くのフランス人がバカンスで南下をはじめます。その理由のひとつはやはり「美食」。

ワインの宝庫ともいわれるアヴィニョン近郊では、コート・デュ・ローヌの最高峰といわれるシャトーヌフ・デュ・パプの赤、それに匹敵する最高級の力強いジゴンダス、または肉料理にあうタヴェルのロゼ、カジュアルなリラックなど豊富です。

芳醇なワインが手軽に楽しめるのはこの地ならでは。かつてローマ教皇がこの地にぶどう畑を作らせ、厳しく研鑽された醸造が今に続くのです。

完熟のメロン、大粒の宝石のようなイチゴも名産で、オリーブオイルや天然のハーブをふんだんに使った野菜の肉詰め「ファルシ」もこの地方の家庭料理です。地中海で水揚げされた魚を使用したブーリッド(ブイヤベースをクリーム風味にアレンジしたもの)も外せません。

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(c)Christoph Raynaud de Lage

太陽の下、食べて、飲んで、談笑にふける。陽気な雰囲気はフェスティバル期間中に最高潮を迎えます。日が落ちるのは夜22時くらい、すべて太陽のせいにしてのんびりできるのが南フランスの特徴かもしれません。

アヴィニョンで数泊し、複数の演目を期間中ハシゴするのがベーシックな楽しみ方で、パリ近郊から訪れる人は来場者全体の26%、外国からの来場がおよそ14%で、残りは近郊や、フランス国内の地方からが占めます。

美食も楽しめ、リッチに大人世代がバカンスを過ごすのにぴったりのアヴィニョン。乾燥対策も忘れずにして、ぜひ一度、演目をリサーチして訪れてみてください。

Festival D'avignon

Writing byニュイエン園美

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