アメリカへ行ったら、なんだかやたらに人が笑顔だなと感じたことはありませんか。

これは日本人だけではなく、ヨーロッパの人たちも同じ印象を持っているようです。

移民が多いから笑顔になる

なぜアメリカ人は笑っていることが多いのか、しかも、知らない人にまでニコニコしているのか。

その理由は思いがけないところにありました。

The Atlantic」によると移民が多いから。移民が多いと、非言語コミュニケーション、つまりこの場合は笑顔に頼るようになるそうです。

2015年に発表されたブラウン大学の研究では、16世紀以後のアメリカ移民の出身国の数は60か国以上になるそうです。違う言語を話す人たちがおたがいを信頼して、ともに生活していくための潤滑油が「笑顔」だというわけです。

英語の「笑う」動詞の多さにも注目

雪と氷の世界に住むイヌイットの言語は、英語と比べて、さまざまなタイプの雪や氷を表す単語がずっと多いと言われています。

というわけで、笑いを重視するアメリカの英語を日本語と比べてみました。

日本語では、笑いを表す動詞といえば「笑う」「ほほえむ」「嘲笑する」「苦笑する」など。いろいろな笑いは、擬態語や擬音語を加えて「くすくす笑う」「げらげら笑う」のように表現されるから、動詞そのものの数は少ないようです。

いっぽう英語では、「smile(ほほえむ)」「 laugh(声を出して笑う) 」「beam(輝くようなニコニコ顔)」「chuckle(くすくす笑い、ほくそ笑む)「giggle(くすくす笑う)」「chortle(声高に笑う)」「sneer(冷笑する)」「grin(にやっと笑う)」「cackle(かっかっと高笑いする)」「titter(神経質そうなくすくす笑い)」「guffaw(がはは笑い)」と、動詞そのものが異なるのです。

こう考えると、やはりアメリカでは「笑い」がぐっと重視されていることがわかります。

東京の人のほうが不幸なわけじゃない

「The Altlantic」の記事が目に留まったのは、アメリカ生活が長くなるにつれ、東京へ帰るたびに街ゆく人たちの表情がなんだか暗いなと思い始めていたからなのです。

これを読んで、東京の人がアメリカ人と比べて不幸なわけではなく、文化的な違いがあった、ということがわかって安心しました。

アメリカ人と接するうえで、笑いについてのこんな文化的なスタンスを知っておいても損はありません。

The Atlantic,Washington Post,Brown University

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